私たちの生活の基本となる「食」。その食を支える農業について、総合的に研究するのが農学です。カリキュラムの中心は「作物学」、「育種学」となります。それぞれの内容は以下のとおりです。
建築士には3種類あり、資格によって設計できる建物が違います。
作物学 | 大気や土壌といった自然環境において、作物がどのように育ち、繁殖していくかを研究する学問 |
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育種学 | 生物を遺伝的に改良し、新しい品種を育成するための理論について学ぶ学問 |
上記2つの学問を研究しながら、「園芸学」、「昆虫学」、「植物病理学」、「土壌学」といった科目を学んでいきます。
研究分野は非常に幅広く、農家の経営の手法について学ぶ「農業経営学」のような文系的な学問を勉強することも。他にも、環境に悪影響を与えることなく、食料としての生物を確保する方法を研究する「資源生物科学」、食品・農業・化学工業といった現場で起こる問題を、バイオテクノロジーをとおして解決する「応用生命科学」など、農業に関するありとあらゆる分野について学びます。
また、多くの大学では実習が頻繁におこなわれます。付属の農場において、学生に野菜の種まきから収穫までの管理をさせる学校もあるようです。栽培における苦労を体感することも、農学を学ぶ上で重要になってきます。
①将来の進路
バイオテクノロジーのような研究内容を活かして、食品・化粧品・医薬品メーカーの研究職に就職を希望する学生が多いです。しかしながら、採用人数が少なく、狭き門であるのも事実。そのため、方向転換をし、研究部材を提供するメーカーや商社などの営業職で活躍する先輩もいます。商品を理系的な観点から説明し、お客様から信頼を得ているようです。
農業関連の職種でいうと、官公庁や農業試験場の研究員、農業改良普及員として公務員になる人や、農協に勤める人もいます。
②TPPで日本の農業はどうなるの?
2015年10月、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が結ばれました。関税を撤廃し、自由貿易をすすめることが目的です。関税とは、輸出者が払わなければいけない税金のことをいいます。
TPPによって、すべての野菜と生の果物は関税が撤廃されることになりました。国内の農家からは「外国産の安い農作物が大量に流通すると、日本産の野菜や果物が売れなくなるのではないか?」と不安の声が上がっています。今後、農学の理論や研究を活かして、日本国内の農業従事者をサポートする体制をつくることも必要になるでしょう。