社会学とは、私たちの社会生活の中のありとあらゆる事象を研究する学問。研究範囲は非常に幅広いです。具体的には、以下のような分野があります。
<ミクロな分野>
・社会の歴史について学ぶ「歴史社会学」
・マスコミ全般の研究をおこなう「マスコミ論」
・日常生活の中にある身近な社会問題をテーマとした「人間社会学」
・家庭と社会のかかわりについて研究する「家庭社会学」
<マクロな分野>
・企業と労働者の関係を研究する「産業社会学」
・社会の福祉を学ぶ「社会福祉学」
・環境破壊や自然との共存について考える「環境社会学」
社会学における特徴的な研究方法が、「フィールドワーク」と「統計分析」です。
フィールドワークは「実地調査」ともいい、研究対象者にインタビューをおこなう、研究対象の場所に行って観察する……といった手法で調査を進めます。統計分析は、アンケート結果や統計資料を分析し、研究する方法です。
めまぐるしく変わる社会環境。それにあわせて、研究対象や研究手法が変化していくのが社会学の特色と言えるでしょう。
①将来の進路
社会について研究するという学問の特徴上、マスコミ関係を志望する学生が多いようです。しかし、「狭き門」の業界であるため、就職することが難しいのも事実です。
そのため、マスコミ以外の一般企業や公務員として就職する先輩も多いです。顧客のデータを分析し、企業の販売戦略を考える「マーケティング」を始めとした、さまざまな部門で活躍しています。
②「フィールドワーク」にはどんなものがあるの?
社会学の研究方法の特徴であるフィールドワーク。大学によっては一風変わったものも実施されています。一例を紹介しましょう。
・ 江戸時代に描かれた「絵」を見て、モデルとなった場所に実際に行ってみるフィールドワーク
・ 関東と関西で違うという「エスカレーターの乗り方」を実際に調査。調査結果を元として、地方別の行動習慣の違いを考えるフィールドワーク
・ 日本にある貧困地区を訪ね、夜間パトロールや炊き出し、デイ・サービスを実際に体験するフィールドワーク
・ ニューヨークに行き、チャイナタウンといった特定の民族が住む地域を訪ねて、多文化共生社会のあり方を研究するフィールドワーク
以上のようなフィールドワークは、実際に大学でおこなわれています。机上の勉強にとどまることなく、大学の周辺地域から海外まで、自分の「目・耳・足」で研究対象を調査できるのが社会学の面白さと言えるかもしれませんね。