駒澤大学 大学案内2017
92/156

091私たちの体を構成する細胞は、タンパク質や脂質といった分子でできています。分子はさらに原子に分解できますが、原子のままではいくら集まっても「生き物」にはなりません。原子が結合し、分子となってはじめて、様々な特性が現れるのです。たとえば、副作用が少ないがんの治療法のひとつに「中性子捕捉療法」があります。これは、ホウ素が中性子を捕捉すると、がん細胞を攻撃する放射線(α線)が発生する特性を利用したもの。中性子捕捉療法では、がん細胞にホウ素を集積させる必要がありますが、ここで活躍するのが化学の知識と技術です。がん細胞に結合する性質をもつ「抗体」というタンパク質にホウ素をつけたり、「リポソーム」という脂質でできたカプセル内にホウ素を閉じ込めるなど、分子を操作して有効な方法を探っていくのです。医療は生物、物理、化学すべての分野にまたがる複合領域です。診療放射線技師を目指すのであれば、診断や治療のメカニズムを、細胞や放射線だけでなく、分子の働きから見ていくことも大切なのです。診療放射線技術科学科診療放射線技術科学科のその他の演習(ゼミ)テーマもCheck!P.093◆デジタルマンモグラフィのダイナミックレンジ測定に関する検討◆乳房撮影におけるAlフィルタの効果◆18F-FDG PET/CTを用いた低放射能濃度におけるNECRの測定◆3Dプリンターを用いて造形した胃疾患モデルの再現性に関する検討◆ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に効果的なホウ素内封リポソームの開発◆小児の頭部CT検査における主な臓器の被ばく線量と防護◆肺機能画像を用いた肺SBRT治療計画の有用性◆視覚的粒状隠蔽効果の検証◆乳腺超音波検査における視野拡大表示について◆MR画像におけるwavelet変換を用いた画像圧縮の検討放射線増感剤に用いる金ナノ粒子含有リポソームの合成と評価技術の開発について研究しました。放射線治療では、放射線増感剤というものが使われるのですが、この放射線増感剤として、金ナノ粒子を用いる研究です。具体的には、金ナノ粒子をどのように細工(合成)すれば、安定し(凝集しない)、且つ、狙った所(がん細胞)に集積してくれるかを、実験して調べました。より多くの命が救われるよう、金ナノ粒子を用いた増感剤の開発を続けたいと思っています。医療健康科学部▶ 卒業論文・研究課題例大森 拓也診療放射線技術科学科 2016年卒業島根県立松江北高等学校 出身(岡田 朋子 講師 : 生体機能関連化学)医療における化学の役割とは実験室での生化学実験 | 診療放射線技師に必須の生命活動に関わる化学の知識を得る▶ 私の研究テーマ男:164人(64%)女:91人(36%)総計:255人平成27年5月1日時点

元のページ 

page 92

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です