駒澤大学 大学案内2017
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039「動かざること山のごとし」という言葉を知っていますか。戦国時代の武将、武田信玄の「風林火山」にある一節です。しかしこの言葉、地理学的にはちょっと違う。山は年に数㎜ほど隆起し、また侵食されて形を保っていることが、最近の調査でわかってきたのです。人工衛星による測量技術の進化により、このような微細な変化が研究室で測れるようになりました。一方、やはり現地に行かないと得られない情報もあります。たとえば、ある地域の過去の海水温の変化を知るために、サンゴ礁を調べるという方法があります。これは、サンゴ骨格に含まれる炭素同位体の比率が水温によって変化する性質を利用したもの。仮に、年に約1㎝成長するサンゴで100㎝の骨格を調べれば、過去100年の水温の変化が分かるのです。環境の変動は、一人の人間の感覚や時間ではとても捉えきれません。さまざまな技術や理論を駆使して、数千年、数万年という単位で見ていく必要があります。地理を学ぶことは、「経験」を超えた視野で私たちが住む世界を見ることでもあるのです。地理学科地理学科地域環境研究専攻のその他の演習(ゼミ)テーマもCheck!P.054◆新潟県上越市における津波ハザードマップの検証と防災意識◆敦賀市中池見湿地における環境保全と北陸新幹線建設問題◆東京都小金井市野川における地下水・湧水の保全◆東日本における梅雨期の降水量の地域差◆GISと城絵図を用いた忍城水攻めの再現◆Landsat8データを用いた都市緑化の評価 ―東京都府中市を事例として―◆霧島山南西麓天降川流域における河川の水質特性◆2011年東日本大震災での茨城県土浦市における地震災害◆柏の葉地区におけるヒートアイランド現象◆三宅島に於ける2000年噴火後の植生復元過程新潟県の柏崎市周辺における海岸環境の変化について研究しました。従来は、この地域で砂浜が減少したのは、海岸環境の自然な変化を開発工事などによって止めようとしたことが原因とされていました。しかし調べていくと、開発工事というより、防砂対策の植林や集落の立地といった「土地利用の改変」が原因である場所も多いことがわかりました。「教科書に書いてあることが全部本当だとは限らない」ことを学べたのが、いちばん大きな収穫でした。文学部▶ 卒業論文・研究課題例佐藤 なるみ地理学科地域環境研究専攻 2016年卒業新潟県立柏崎翔洋中等教育学校 出身(田中 靖 教授 : 地理情報学/自然地理学)地域環境研究専攻環境の変動をどうやって測るか沖縄県石垣市白保でのフィールドワーク | サンゴ礁の調査から環境変化とその要因を探る▶ 私の研究テーマ男:205人(74%)女:72人(26%)総計:277人平成27年5月1日時点

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