駒澤大学 大学案内2017
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037「先日訪れた農村には広々とした田畑がありました。」もしもあなたがレポートにこう書いていたら、残念ながらやり直し。あったのは田んぼなのか、畑なのか、畑ならどんな作物が、どの季節に、どんな割合で栽培されていたのかまで調べることが、その地域の暮らしや文化を知る上で非常に重要なのです。「湿った土地だから田んぼにする」といったように、土地の使い方は自然条件から説明されることが多いようです。それも重要な一つの地理的説明です。でも、より正確に言えば、その農地を経営している人が、湿った土地を、田として利用したのです。実際、米よりも野菜が高く売れるという理由で、田んぼを潰して野菜畑にしている人はたくさんいるでしょう。日本で田にするような土地を、ドイツ人は牧草地や牛や羊の放牧地として利用してきました。農村や都市の風景は自然で出来ているのではありません。そこには人々の意志や地域の文化、時代の価値が色濃く投影されています。風景は、いわば、人々が自然の上に作り上げてきた「作品」なのです。地理学科地理学科地域文化研究専攻のその他の演習(ゼミ)テーマもCheck!P.054◆上毛かるたが表現する郷土の地域像◆世田谷区の都市農業 ―農地保全の取り組み―◆シマのコスモロジー ―奄美大島宇検村の事例―◆長野県栄村におけるマタギ文化と山の神信仰◆多摩ニュータウン諏訪2丁目住宅建替え事業実施に伴う居住者特性の変化◆アニメ聖地巡礼における観光者特性と地元の取り組み ―茨城県大洗町を事例に―◆マレーシア半島部における地方都市中心部の変化 ―ジョホール州・クルアンを例として―◆沼津市仲見世商店街における商業空間の変容◆天理教信者の教団本部団体参詣◆伝統的建造物群保存地区にみる色彩景観の特徴 ―関東地方を事例に―私は、埼玉県北部の利根川右岸低地において農業的な土地利用とその変化を、氾濫平野の低地と自然堤防上の地域とを対比しながら調査しました。近接した地域でも地理的条件が異なると、自然的・社会的要因によって土地利用も、その変化の仕方も異なることを、統計や地図を使って明らかにすることができました。今までにないほど長期的な作業で調査・研究したわけですが、地理学的な知識・思考をフル活用し、4年間の集大成として満足のゆく卒業論文が書けたと思います。文学部▶ 卒業論文・研究課題例吉田 加奈地理学科地域文化研究専攻 2016年卒業埼玉県立不動岡高等学校 出身(櫻井 明久 教授 : 人文地理学)地域文化研究専攻地域の風景はどのようにして生まれるか長野県小布施町大島地区でのフィールドワーク | 土地利用の変遷を調査して農村地域の特徴を探る▶ 私の研究テーマ男:213人(71%)女:87人(29%)総計:300人平成27年5月1日時点

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