駒澤大学 大学案内2017
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033小説の登場人物の行動を見て「なんでそんなことするんだろう」と思ったことはありませんか。もしもあるなら、あなたは他者を理解する「扉」の前にいます。そして、その扉を開くカギは想像力です。樋口一葉の書いた『たけくらべ』の主人公、美登利は、遊女になることが決まっている少女。彼女はとても勝気で、自由奔放に振る舞っているように見えます。しかし、彼女の将来を縛る制度や、彼女だけでなく、作中の子供たちがどんな場所で、どんな生活をしていたのか調査した上で読み直せば、物語は全く違った表情を見せるでしょう。現実の世界においても、私たちは自分と異なる他者と生きています。他者への想像力とは、自分の知識や思い込みを好き勝手に組み合わせることではありません。情報を集め、その人の価値観や倫理観に思いをはせること。そして、自分の内面にある「ルール」にも客観的なまなざしを向けてみること。そうすれば、たとえ共感はできなくても、話し合うことができます。想像力とは、実は、コミュニケーション能力そのものなのです。国文学科国文学科のその他の演習(ゼミ)テーマもCheck!P.053◆近代雑誌広告の国語学的研究◆『万葉集』の「夢」◆『源氏物語』研究◆『今昔物語集』における鬼について◆『平家物語』覚一本における女性像◆『西鶴名残の友』論◆樋口一葉研究◆谷川俊太郎研究◆芥川龍之介『魔術』論◆松本清張『顔』論中学生の頃から好きだった梨木香歩の『裏庭』をテーマにしました。『裏庭』は、主人公照美が「裏庭」という異世界で冒険する物語です。卒論では、「裏庭」が何を意味しているのか、また、そこでの冒険を描くことでこの作品が何を伝えようとしているのかを、今までの研究とは違った視点から読むことを試みました。「何も出てこない!」と思っていた状況から、地道な分析と試行錯誤をするうちに道がパッとひらけて、“読み”が進んだ瞬間はとても爽快でした。▶ 私の研究テーマ文学部▶ 卒業論文・研究課題例猪狩 奏衣国文学科 2016年卒業千葉市立千葉高等学校 出身(倉田 容子 准教授 : 日本近現代文学)他者への想像力をいかに広げるか『たけくらべ』ゆかりの千束稲荷神社(台東区浅草)でのフィールドワーク | 文学作品が書かれた背景を体感してより深い講読に生かす男:186人(34%)女:366人(66%)総計:552人平成27年5月1日時点

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