駒澤大学 大学案内2017
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027最澄によって日本に伝えられた天台宗。その開祖は6世紀の中国に生きた智顗(ちぎ)という人物です。当時の中国仏教界には、思想を重んじ実践を軽視する、その逆で実践ばかりで思想を学ばないなど、かたよった修行をした僧が多くいました。そのような風潮に対して智顗は、「思想と実践の両立」を唱え、後に様々な宗派の基礎となる天台教学を築いたのです。天台教学の第一の聖典は『法華経』ですが、智顗は晩年に王の求めに応じて『維摩経』の注釈を残しています。在家者でありながら出家者以上の智慧を持った維摩居士に、お釈迦様の弟子たちが次々と論破されるストーリー展開は、それだけでも十分に楽しめる内容です。ところが智顗は、お経の一句一句に対し、思想的な意味だけでなく、実践の上での意義も重ねながら、丁寧に説明していきます。最初の2字、「如是(このように)」に対して、約1000字を費やして解釈するほどです。その誠実さやバランス感覚とは、まさに今の世の中で求められているものではないでしょうか。仏教学科仏教学科のその他の演習(ゼミ)テーマもCheck!P.029◆天台四教儀に引用される仏教譬喩の考察◆『倶舎論』「世間品」の研究◆『冥報記』における死者の世界について◆仏像から見る仏教◆法華経に見られる成仏思想◆原始仏教における修行論◆葬送儀礼の研究◆仏教と戦争◆『プラサンナパダー』第24章の研究◆曼荼羅と密教思想について私は、様々な授業を受けていく中で、仏弟子や中国仏教に特に興味を持ちました。卒業論文は「中国注釈文献における舎利弗解釈」というテーマで書こうと考えています。舎利弗は仏弟子の中でも智慧第一と言われる人物。日本人にもなじみの深い舎利弗が中国ではどのように描かれ、理解されているのか調べていきたいと考えています。論文を書くためには多くの資料や漢文を読む必要があるので、時間をかけて丁寧に進めていきたいと思っています。▶ 私の研究テーマ仏教学部▶ 卒業論文・研究課題例青木 香奈江仏教学科 4年国府台女子学院高等部 出身(山口 弘江 講師 : 中国仏教・天台学)高僧は真理にどう向き合ったのか仏典和訳を発表し合って、仏典の意味だけでなく人々にどのうように受容されていたのかを考察する男:201人(77%)女:61人(23%)総計:262人(3・4年生)平成27年5月1日時点1・2年生は仏教学部の学生として男:346人、女:95人が在学しています。

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