駒澤大学 大学案内2017
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025中世に書かれた曹洞宗・臨済宗の伝記史料を読み、関連する場所の調査も交えて、当時の禅僧の生き方を探っていきます。伝記は、同一人物のものであっても、書かれた時代によって記述の異なる場合があります。たとえば、日本の曹洞宗の開祖である道元禅師。真の仏法を求めて海を渡った道元は、南宋(いまの中国)で如浄禅師と運命的な出会いを果たします。彼のもとで修行に励んだ道元は足掛け5年を経て帰国。江戸時代の伝記には、その一年後に如浄は亡くなったとありますが、鎌倉時代のものを見ると、如浄は道元の帰国した直後に亡くなっているのです。時代が近い分、これは後者が史実だと考えられます。おそらく道元は日本に仏法を伝えるため、師の命が短いことを知りながら、帰国の船に乗り込んだのです。道元の胸の中では、どれほどの葛藤があったことでしょう。鎌倉・室町期に書かれた伝記には、独特のリアリティがあります。当時の禅僧が何を見て、何を感じて、人生をどう生き抜いたのか。それは「いま」を生きる私たちにも、大きなヒントとなるでしょう。禅学科禅学科のその他の演習(ゼミ)テーマもCheck!P.029◆曹洞宗と臨済禅の比較研究◆女性と仏教◆道元禅師の生涯と思想◆剣禅一如の精神について◆禅と茶道◆仏壇の起源と変遷◆現代的視点から見た『典座教訓』の意義◆『正法眼蔵』「有時」巻の研究◆自我に関する一考察◆枯山水について「仏教用語の日常化」をテーマに卒業論文を書きました。日常で使う言葉には仏教に由来するものが数多くありますが、その中から「挨拶」「会釈」「出世」の三語を取り上げ、これらが「どのような時代背景で社会に浸透していったか」「どんな道をたどって現代の意味になったか」を調べていきました。今回は言葉に関する研究でしたが、今後は仏教の代表的な考えである「空」や「無」などが日本人の精神の中にどう表れているかも明らかにしたいと思っています。▶ 私の研究テーマ仏教学部▶ 卒業論文・研究課題例須山 拓也禅学科 2016年卒業三浦学苑高等学校 出身(佐藤 秀孝 教授 : 禅学・日本禅宗史)中世の禅僧はいかに生きたか建長寺でのフィールドワーク | 鎌倉五山第一位の古刹にて中世禅僧の足跡をたどる男:161人(85%)女:29人(15%)総計:190人(3・4年生)平成27年5月1日時点1・2年生は仏教学部の学生として男:346人、女:95人が在学しています。

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