茨城大学 大学案内2017
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慶応義塾大学理工学部(化学)卒業後、1990年に同大学博士課程理工学研究科(化学)を修了。田辺製薬(株)有機化学研究所、北海道大学農学部、同大学大学院農学研究科を経て、2001年に茨城大学へ着任。現在は、学内のフロンティア応用原子科学研究センター職員も兼任。また、東京農工大学教授として大学院連合農学研究科も併任している。農学部 資源生物科学科戸嶋 浩明 教授Toshima Hiroaki農学部教員紹介天然物を超える物質を化学合成し生物が持つ本質に迫りたい 私の研究室では、生物由来の「生理活性物質」と呼ばれる低分子の物質が、生物の中でどのような役割を果たしているか、その本質に関わる分子を調べ、応用に役立てるための道筋を研究しています。たとえばジャスモン酸。植物の生長をコントロールするホルモンとして知られる物質なのですが、最近、これと同じような機能を持ったコロナチンという物質の存在が明らかになってきました。じつはこのコロナチン、病原菌が作り出しており、植物にとっては毒。それがなぜホルモンと同様の役割を果たすのか、それを探ることでジャスモン酸の機能の本質を知ることにもつながるのです。 ただ、自然界で見つかる物質は非常に微量なことが多く、研究で活かすには不十分な場合も。そこで役立つのが「化学合成」の技術です。これにより、同じ物質を(簡単ではないですが)大量に作り出すことができる。さらに、付加価値を追加して天然物を上回る機能を持った物質に変えることもできる。たとえば、植物の中に入れると光るものなどはその代表例。化学合成によって、今まで世の中に無かった物質を自分の手で作り出し、生物の現象をコントロールできるなんて、とても面白いですよね。“世界中で自分だけしか作ったことがないもの”を生み出せるチャンスが誰にでもある分野なので、とても挑戦しがいがありますよ。 とはいえ、研究で思いどおりの成果を出すまでには、数多くの段階が必要となる場合がほとんど。作業を積み上げ、いろいろな反応を組み合わせて、できるだけ効率の良い道のりを試行錯誤しながら、地道にコツコツと進めていくことが求められます。時間もかかるし、苦労も多いかもしれません。でも、それだけに達成した時の喜びはひとしお。それを一度でも経験した学生は、目に見えて成長します。研究に限らずどんなことでも、苦しいところを乗り越えた先に面白さがあるもの。興味のあることを通じて真剣に付き合える多くの仲間と共に、良い意味での競争意識も持ちながら、その面白さを味わって欲しいと思います。 天然物の研究は、有機化学の中でも日本が伝統的に強い分野。授業の中でも機会があれば、化学合成が世の中に役立っている事例をいろいろと紹介しています。そういった成果を支えているのは、学生たちを含め、日頃から研究を積み重ねている多くの人たち。つまり、未来の研究者であるあなたにも実現できることなのです。学びと遊びのメリハリを上手につけて、あなたならではの“成果”を茨城大学で見つけてください。農学部79IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 2017

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