茨城大学 大学案内2017
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玉川大学農学部農学科卒業。1980年、千葉大学修士課程(園芸学研究科)修了。1984年、北海道大学博士課程(農学研究科)修了。日本学術振興会奨励研究員を経て、1985年より茨城大学。1990年から約1年間は文部省在外研究員としてオランダ・アムステルダム大学に留学。現在は日本ダニ学会の会長や、国際ダニ学会の評議員などを務める。2003年には日本応用動物昆虫学会賞を受賞。農学部 生物生産科学科後藤 哲雄 教授Gotoh Tetsuo農学部教員紹介“カワイイ”研究のパートナーは1mm以下の小さくて大きな存在 体長は0.5mmほど。卵ではわずか0.1mm程度で、寿命はせいぜい1カ月。これが、私たちの研究対象であるダニの一種、植物に付着するハダニです。現在、その生態や進化、系統などを調べるために、常時80~100種の国内外のダニを飼育しています。これは、生きた材料としては世界一の規模でしょうね。 ダニと聞くと良い顔をしない人もいますが、意外とカワイイものですよ。飼育が簡単でスペースもそれほどいらないため、たくさんの個体を扱うことができる。それでいて変異が多く、発育期間も短いので、結果が比較的早く分かる。視点を変えるだけで新しい発見があるし、それを確認するのに時間もかからない。一生懸命やれば、ダニの方からちゃんと良い結果を出してくれるんです。大きい生き物では、なかなかこうはいきません。中には、休眠する時に鮮やかなオレンジや黄色に変化する種もいるなど、興味はまだまだ尽きませんね。相手が生き物だけに、毎日世話をしなければならず、休めないのが唯一の難点でしょうか。 ダニの研究を始めたきっかけは、大学院の時の指導教官に「ガとダニ、どちらかを研究してみたら?」と勧められ、当時、若い研究者がいなかったダニを選んだことから。以来、周囲の人たちにいろいろ教えてもらいながら研究を続け、これまでに20種以上の新種を発見してきました。茨城大学農学部で採集したダニにも発見者として命名しているんですよ。最近もメキシコやグルジアにサンプルの採集に行くなど、海外へも積極的に出かけているおかげで、主要な害虫についてはおおよそ分かってきました。今後は、植物検疫の緩和などによって海外から入ってくる種に、どれだけ素早く対応できるかがカギになってくるでしょう。国外の研究機関との連携もますます重要になるので、人脈を活かして共同研究などを進めていきたいですね。 学生たちに日頃よく言っているのは「遊んでも1年、一生懸命働いても1年」という言葉。研究は必ずしも楽しいことばかりではないけれど、目の前の課題を解決していくプロセスをどれだけ一生懸命にこなしたかが、人を大きく成長させてくれます。それから、何にでも興味を持っていろいろなことを吸収して欲しい。知っていることがあれば、そこから何かを思い付き、突破口が開けることも多いですから。知識がないと、そのきっかけすら見つけられません。 「農学部だから進路も農業関連だけ」などという固定観念に縛られずに、自由な発想で自分で好きな方向を見つければいいんです。学生と教員の距離が近く、アットホームな雰囲気で学べる農学部で、ぜひあなただけの何かを見つけ、やり遂げてください。78IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 2017

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