茨城大学 大学案内2018
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茨城大学農学部畜産学科を卒業後、1993年に同大学院修士課程畜産学専攻を修了。伊藤ハム㈱中央研究所研究員を経て、1995年に茨城大学に着任。1998年に博士(農学)を九州大学より取得。現在は、日本畜産学会(常務理事を歴任)や日本農芸化学会、日本食品化学工学会、日本食肉研究会(編集幹事)の会員。2017年には第2回伊藤記念財団賞を受賞。農学部 食生命科学科宮口 右二 教授Miyaguchi Yuji農学部教員紹介これからも安全安心な畜産物をつくっていくために私たちがすべきこと私たちの食事でメインディシュとされる食肉は栄養価が高く私たちの体の中で合成されない必須アミノ酸という大事な成分をバランスよくたくさん含んでいます。また、鶏肉、豚肉、牛肉にはそれぞれ、疲労回復やエネルギーの代謝あるいは脂肪の燃焼作用効果を示す成分を含んでいるなど、健康維持に欠かせない食べ物です。そのような食肉の生産では、穀類などたくさんの飼料を使用し、多くを海外からの輸入に頼っています。その一方、私たちはスーパーやコンビ二に行くと、あらゆる食べ物が手に入りますが、それらを食品加工する際に排出される食品残さが少なくありません。私どもの研究室では、そのようなまだ利用できる食資源を活かして、家畜の飼料化にする試みを行っています。ただし、ただの残飯を飼料にするという簡単なことではありません。十分に人が食べても問題はなく、むしろ人の健康にもよいと考えられている機能性成分を給与することで、動物の健康増進や最終的な生産物(食肉)の生産量や品質にも好影響を与えるものを模索しています。現在、ある新奇な乳酸菌で食品残さを発酵させた飼料をブタに給与する試験を行っています。新しい発見のためには、さまざまな実験を行う必要があります。例えば、同飼料中の栄養素や有害物質の有無を明らかにし、有用性や安全性を調べる必要があります。また、それを食べたブタの健康状態や増体への影響、豚肉に加工された場合の肉質など、調べることはたくさんあります。一つの研究例をあげても、必要な知識を身に付けておくこと、また具体的な研究計画を立て、実行する必要があります。理論的にはうまくいくはずの実験もそう簡単には答えを出してくれません。そのため、工夫しながら何度も実験を積み重ねる必要があります。実験データがそろったら、学会などで自分の研究成果をみなさんの前で発表することになりますが、最初は緊張して、うまく話せないかもしれません。さらに、日本語や英語などで実験内容について文章でまとめることになりますが、すらすらと文章が書けるようになるにはそれなりの努力が必要です。私どものような理系と呼ばれる学問分野でも文系の力が必要となるのです。昔から言われるように、これらも「好きこそ物の上手なれ」でまず、興味を持ったことを好きになる必要があります。また、それは誰でもできることなのです。ぜひ、茨城大学でとことん好きな物を見つけ、熱中できることを見つけ出してください。76IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 2018

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