茨城大学 大学案内2017
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東京電機大学工学部精密機械工学科を卒業後、1987年に同大学博士課程(理工学研究科 応用システム工学専攻)単位取得満期退学。工学博士。東京大学工学部精密機械工学科助手、国立循環器病センター研究所人工臓器部補助循環研究室室員、同人工臓器研究室室長を経て、1998年より茨城大学へ。これまでに高校生向けの科学体験教室や出前授業なども多数実施している。工学部 機械工学科増澤 徹 教授Masuzawa Toru工学部教員紹介“オンリーワン”の研究を重ねて人の命を救う医療機器の実現へ 研究の中心は、磁気浮上型の人工心臓の開発。血液を循環させるための羽根車が磁気の力で浮きながら回転するので、どこにも接触せずに壊れにくく、そのうえ血液に対するダメージも少ないのが特長です。じつは、このタイプの人工心臓を複数研究しているのは茨城大学だけ。臨床に携わる医師と意見を交わしながら開発を進めており、現在は牛を使った実証実験をしている段階です。人に使えるようにするには、まだまだクリアすべき課題はありますが、近い将来、人間の心臓と完全に置き換えられる埋め込み型人工心臓の実用化に向けて研究を重ねています。 また、いま話題の再生医療に関連したものでいうと、可聴域の振動を加えて細胞の培養を制御する装置を開発中。ノーベル賞受賞で一躍注目を集めるiPS細胞の分化も、無害かつクリーンな環境でコントロールできるのではないかと期待されている技術です。さらに、細胞のコラーゲンを熱で溶かして接着する、手術支援機械の技術も開発しているところ。この技術を使えば、針と糸を使わず接着できるので、身体に対するダメージが少なく、回復が早いというメリットがあります。組織同士はもちろん、組織と金属でも接着できてしまうところも興味深い技術です。 こうした「医療で使う機械」を開発していく魅力は、人の命を救う技術であるということに尽きます。エンジニアというのは、単に機械を組み上げるだけではなく、“いかに人の役に立つ物を作るのか”ということが大切なのですが、その中でもとくに直接人の役に立てる分野だけに、やりがいも大きい。実現までには機械工学のあらゆる知識が必要になるので大変な部分もありますが、オンリーワンの技術をさらに確立していきたいですね。 研究を進めるためには、目標を明確にし、そのゴールへ向かって着実にステップを踏んでいくことが重要。ですので、目標をはっきりイメージしやすいように、学生たちには実物や写真を見せて、それが実際にどう使われるのかが分かるよう工夫しています。また、2年次の実習では、三輪車を大人用に改造したり、風に向かって走る車を作るなど、みんなでテーマを考え、自分たちで計画を立てて取り組んでもらっています。うまくいかない体験も含めて自分で苦労を味わうことで、基礎を学ぶ意欲も変わってくるんですよ。 大学とは、単位や卒業のためではなく、プロフェッショナルになるために学ぶ場。自分の興味があることを、自分の力で勉強していくことが大事です。少しでも「やってみたい」という気持ちがあるなら、まずはチャレンジしてみることをお勧めします。70IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 2017

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