茨城大学 大学案内2018
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北海道大学理学部理学研究科卒業。北海道大学博士課程(理学研究科)修了。北海道大学博士研究員を経て、2009年、茨城大学に着任。現在、日本鉱物科学会、日本火山学会、日本地質学会に所属。日本地質学会では火山部会幹事を務める。2008年、日本地質学会研究奨励賞を受賞。著書に『日本地方地質誌 北海道地方』(共著、朝倉書店)などがある。理学部 理学科 地球環境科学コース長谷川 健 准教授Hasegawa Takeshi 理学部教員紹介火山学は“地球のいのち”を一番感じられる学問かもしれません 火山は「地球の中身を覗きこむ窓」というように表現されることがあります。極端にいえば火口が地球の内部と直結していますから、噴出物を調べれば、地球が何でできているのか分かります。地球の体温を知ることができます。噴火を目の当たりにすれば、地球の息吹や鼓動をきっと実感するでしょう。 私は火山学の中でも、火山地質学を専門にしているのですが、火山地域の地層を調べながら、何万年も昔の地球のことを考えて歩く。フィールドワークも、この学問の大きな魅力ですね。 北方四島を含む千島列島、カムチャツカ半島の火山を調べているのですが、これはロシアとの共同研究。政治問題を乗り越えてお互いに情報や技術の交換も行っています。シャチ、ラッコ、アザラシたちが戯れる、手つかずの自然の姿には圧倒されます。 最近、フィールドワークを敬遠する学生が少なくないのですが、一方で大震災以降、自治体や企業などはフィールドワークができる人材を望んでいます。地球を学ぶということは、環境対策、防災対策の側面もあるからです。頭でっかちでは、いざというときに社会的な要請に応えられません。茨城大学のように理学部が「技術者養成プログラム」を用意している大学は少ないので、非常に大きなチャンスではないでしょうか。 茨城大学では、那須火山を定期的に調査します。この火山は頻繁に噴火を繰り返し、室町時代には大災害を起こしています。もし同じような噴火があれば、那須高原という観光地を抱えていますから、被害は甚大なものになります。社会的にとても重要な研究です。 火山の研究は、人類が誕生するずっと以前からの、地球の来歴を知るということです。過去に何が起こったかを調べ、未来を予測するのです。 私が大学の研究室に初めて入ったとき、火山学の第一人者とされる方が書いた一冊の本を手渡されました。そこには「未成熟な学問」と記されていました。その言葉に、とてもやりがいを感じました。日本の火山だけでも、まだまだわからないことばかり。既に完成されたものではなく、自ら切り拓くことが可能な学問なのです。 茨城という土地は、県北がジオパーク(※)に認定されていることからもわかるように、地質学的にも非常に魅力的な場所です。できるだけ多くの学生がフィールドに飛び出て、スケールの大きな研究をめざしてほしいですね。※茨城県北ジオパーク科学的に貴重で美しい自然遺産を保全し、観光と教育に役立てるものです。ジオツアーやイベントを通じて、世界の人々に楽しんでいただいています。56IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 2018

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