茨城大学 大学案内2017
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東京女子体育大学体育学部卒業。上越教育大学大学院学校教育研究科修士課程教科・領域教育専攻生活・健康系コース(保健体育)修了。愛媛女子短期大学(現、IPU・環太平洋大学短期大学部)、仙台白百合女子大学、仙台大学などでの教鞭を経て、2012年、茨城大学に着任。「ダンス・身体表現」の授業では「自己表現の方法をひとつ開拓する」をモットーに、言葉を代弁する身体表現を学ぶ創作ダンスなどに取り組む。個性溢れる学修者の独自の表現方法をいかに引き出せるか、日々学生と奮闘している。教育学部 人間環境教育課程篠田 明音 講師Shinoda Akane言葉にならない「感覚」をどう読み取り、どう支援するか教育学部教員紹介 ユラユラと揺れる登り棒を目の前に怪訝そうな顔をしている子ども。その子を観て、「こわいのかな?」と考えた。「大丈夫だよ」、私は精いっぱい優しい口調でささやいてみる。しかし、その子の表情は一向に変わらない。次に、揺れる棒を片手で掴み、その手を階段に見立ててみる。すると、不安な表情こそ残してはいたが、私の手に片足を乗せ、両腕でしっかりと棒を掴み、上へ登ろうという姿勢が見て取れた。 これは、3歳児を対象に登り棒をしていた時の一幕である。発信される「言葉」や「行動」は、それを受け止める側の解釈によりその理解は異なる。この子の場合には、実体験と「大丈夫」という言葉がまだつながっていなかったのだと、その後の行動により気づいた。この子が求めていたのは、優しい言葉かけではなく、安心して取り組める条件が整うこと。それを怪訝そうな表情で訴えていたのである。このように、運動を指導する場面においては、学修者が言葉にできない心情を指導者が汲み取り、どのタイミングで何を支援すべきか考え、即座に対応する場面が次々と起こる。 私は主にダンス(身体表現)を指導する立場にいるが、「運動学」の理論を重んじている。ここでは、種目の枠を超えて「どうやったら新しい運動を身につけることができるのか」について学ぶことができる。 私がこの学問に出会ったのは、大学2年生の時。まだ、人に指導する場面が少なかった私には、この理論を考えるための実践が少なすぎて理解できなかった。しかし大学3年生になり、下級生の指導に頭を悩ませていた私は、やっとこの学問の訴える、理論の片鱗に触れることができたのである。この学問は、「身体知」という「動きかたを覚える知恵」の仕組みを学ぶ理論である。理論は、実践を元に成り立っている。しかし、いつしか実践はなおざりにされ、理論ばかりが重視されるようになったと感じている。そんな中、実践から理論を学ぶスタイルを貫くこの学問は、私にとって、学ぶ楽しさを味わわせてくれた唯一無二の学問である。 大学で所属した部活はダンス部。自分が考える事柄や創造する世界が観ている人に受け入れられるか?何をどのように伝えれば共感してもらえるのか?そんなことばかり考えていた(これは今も変わっていない)。 茨城大学では、幼稚園から高等学校までの教員免許を取得することができる。個性溢れる学修者を前に「自分らしさを活かしながら、何をどのように指導していけば良いのか?」、互いの良さを享受し、向上し合える指導者の養成が私に与えられた課題だと考えている。 学びの大切さに気づくタイミングは、いつか必ずくる。もし今明確な目標がないとしても、見つかったときに迷わず飛び込んでいけるだけの土台をつくってほしいと思う。44IBARAKI UNIVERSITY ADMISSION GUIDE 2017

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