秋田県立大学 大学案内2019
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応用生物科学科工藤 彩 さん[4年]秋田県/金足農業高等学校出身 伊藤先生はとても気さくで、誰でも話しかけやすい方です。研究室内は、日常の他愛のない話しでいつも盛り上がっています(もちろん、研究の話もします)。そして、日本酒をこよなく愛する伊藤先生は、秋田の清酒の普及イベント等にも精力的に取り組まれています。消化されにくい米を使って消化されにくい物を利用する研究 研究に用いる素材は麹菌とお米です。麹菌をお米に生育させたものが麹ですが、この麹の中には大変多くの酵素が存在します。しかも、使用するお米の品種や麹菌株が異なると生産される酵素の種類や量が大きく変化します。私たちの研究は非常に消化されにくいお米(難消化性米)を原料とし、「難消化性物質を消化する酵素」を麹菌に生産させることで、未利用素材の有効活用を目指すものです。清酒製造では麹の酵素がお米を消化して作る糖を酵母が資化してアルコールが造られます。ところが、昨今問題となっている地球温暖化の影響で稲の登熟期に高い気温が続き消化されにくいお米、高温登熟障害米が出来る年が増えています。高温登熟障害米で清酒を仕込むと酒粕の量が増えて、出来る清酒の量は少なくなります。これは酒蔵の経営にとって痛手です。そこで、私達が研究している「難消化性物質を消化する酵素」の出番です。この酵素をごく少量加えると、消化されにくいお米の澱粉が消化して製造される清酒の量を回復することが出来るのです。また、清酒の絞り粕である酒粕は非常に栄養が豊富であり原料が全て純国産のお米、水、酵母そして麹菌ですから安心安全なものです。しかし、清酒製造での溶け残りですから消化されにくく、利用法も限られてきます。そこで、「難消化性物質を消化する酵素」を使って酒粕を消化することで、酒粕醤(サケカスヒシオ・大豆フリーの醤油のような調味料)の製造が出来ないかと日々研究中です。 新しい発見は日常の中に溢れています。でも、それに気が付くことが出来る人は日々一つのことを思い、考え続けてきた、発見の準備が出来ている人だけです。皆さんも秋田県立大学の豊かな自然に囲まれた環境で新たな発見を目指し研究に没頭する日々を送ってみませんか?私達教員も先輩たちも皆さんと研究できる日を楽しみに待っています。MESSAGE注目の研究[応用生物科学科]FUTURE応用生物科学科伊藤 俊彦 助教専門分野醸造学54

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