秋田県立大学 大学案内2018
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 富栄養化した湖沼で昔から問題となっている「アオコ」は、植物プランクトンの一種である藍藻(シアノバクテリア)が大量に増殖して起きる現象です。アオコを形成する一部の藍藻は人畜に有毒な物質を作るため、世界的に研究が進められています。しかし、アオコやアオコが作る毒素は農薬などの人工化学物質とは異なり、環境中で人為的にコントロールすることが困難です。実際に、2014年8月にエリー湖を水源とするオハイオ州(USA)の水道水に毒素が混入して50万人に影響が出るなど、現在においても解決が難しい環境問題の1つです。 大学の近くにある八郎湖もアオコが頻発する湖沼です。八郎湖は、アオコの発生などから2007年12月に湖沼法の指定を受け、水質改善対策が進められています。しかし、人為的なコントロールの難しい「アオコ」を抑制するには、なぜアオコが発生するのか?というアオコ発生のメカニズムを解明する必要があります。そこで、私たちはアオコを形成する藻類がどこに、どれだけ存在し、どのような微生物と相互作用しているのかを次世代シーケンサーと呼ばれる最新のDNA解析機器を駆使して研究しています。具体的には、主要なアオコ形成藻類であるミクロキスティス属の動態とその他の細菌や水質との関係を解析したり、冬季に湖底に沈むミクロキスティス属がどのように分布し、どのようにアオコ発生に関与しているのかを調査したりしています。アオコの発生は、水質や微生物の相互作用が複雑に絡み合って起きているため、解明することは一筋縄ではいきませんが、「安全・安心な湖」を目指して研究を進めています。みらいへ飛ばす注目の 研究研究テーマMessageなぜアオコは発生するのか?DNAを調べて水質浄化に役立てる生物資源科学部生物環境科学科 八郎湖のアオコのように身近な問題もグローバルな環境問題の1つです。皆さんの周りにもまだ気づいていない環境問題が潜んでいるはずです。身の回りに目を向けて、環境問題を見つけてみて下さい!秋田県立大学で環境問題を解決するための研究にチャレンジしましょう!岡野 邦宏 助教Okano Kunihiro環境管理修復グループ専門分野/微生物生態学、水質管理工学 岡野先生は、とても学生想いで、私たちをいつも全力でサポートしてくれます。また、アオコ想いで、培養実験は華麗な手さばきでこなし、調査ではアオコカラー(緑)のカッパを着て気合いを入れています。大学院・生物資源科学専攻荒木 美穂さん[2年]山形県/山形北高等学校出身StudentVoice50 Akita Prefectural University

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