秋田県立大学 大学案内2018
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研究テーマMessageみらいへ飛ばす注目の 研究気道粘液を構成するムチンタンパク質の産生制御機構の解明生物資源科学部応用生物科学科 大学では多種多様で高度な研究が行われています。しかしそこで研究されていることは、決して日常生活から遊離したものではありません。皆さんの身近なところにも、様々な研究の種が転がっています。興味あることを、大学生活を通して深く調べてみると、思わぬところでつながり発展していくかもしれませんよ。 岩下先生は、常に学生を気にかけていて、研究以外にも就職活動や学生生活の相談に快く応じてくれる面倒見の良い先生です。また、学内の安全衛生委員会に所属していて、教職員と学生の安全を守るために日々奔走しています。応用生物科学科安田 将人さん[4年]秋田県/秋田南高等学校出身StudentVoice ヒトの気道表面は、ねばねばとした粘液の層に覆われています。粘液は体外から体内に侵入しようとするウイルスや病原菌などの異物を絡めとり、痰として排出する生体防御に必要です。この粘液の主成分はムチンという糖タンパク質で、水分を含むことで粘液層を形成する大切な役目を果たしています。 粘液ムチンは生体防御に重要ですが、喘息やCOPDなどの疾患では、気道で粘液ムチンの過剰な分泌が引き起こされます。この過剰分泌は痰を増やすことで気道を狭めて呼吸を妨げ、疾患の症状悪化につながってしまいます。私はこの粘液ムチンの産生機構を、ヒトの細胞や、気道で痰を多く出すモデルマウスなどを使用して調べてきました。その中でコラーゲンなどの細胞外マトリックスと呼ばれるタンパク質からのシグナルが、粘液ムチンの産生制御に関与することを明らかにしました。このシグナルを詳細に解明して喘息、COPDなどの疾患で問題となる粘液ムチンの過剰分泌の抑制を目指しています。 また、高齢者介護でも気道に痰がつまることが大きな問題となっています。高齢者は痰を排出する力が弱まり、気道に痰がつまりがちです。この痰は介護者が頻繁に吸引する必要があり、介護者、高齢者双方に大きな負担となっています。私は高齢者介護で大きな負担となっている痰の産生を秋田県産食品で抑制する研究をしています。気道で痰を多く出すモデルマウスに秋田県産食品を給餌し、その気道で分泌される粘液ムチンを解析することで、高齢者の痰を抑制する食品の開発を目指しています。岩下 淳 助教Iwashita Jun分子細胞機能グループ専門分野/細胞生物学48 Akita Prefectural University

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