石川県立大学 大学案内2018
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杉森 未都さん遺伝子組み換え技術を用いてアスタキサンチンを生合成するサツマイモの作出を試みました生物資源工学研究所 植物細胞工学研究室2017年卒業金沢高等学校出身つながる、未来へつながる。12Food ScienceResearch Institute for Bioresources and Biotechnology後藤 暢宏さん生物資源工学研究所 環境生物工学研究室2017年卒業愛知県立安城東高等学校出身アカテガニの体内から有用微生物を採取し、その活用法を提案しましたアカテガニの消化管に存在する微生物、バイオ燃料の生産に役立つかも? 今、地球温暖化や化石資源の枯渇を背景とし、食料と競合しないバイオマス(木材や稲ワラなど)からのバイオ燃料生産が注目を集めています。しかしこれらの植物細胞壁は難分解性であるため、利用するためには可溶化処理が必要となります。これまでは熱処理や薬品処理が行われてきました。しかし、これらの方法ではエネルギー消費や環境負荷が大きいといった問題があり、環境にやさしい微生物処理が求められています。そこで、木材や落ち葉を食料とする「アカテガニ」の消化管から可溶化処理に有用な微生物を獲得し、バイオ燃料生産の実用化を目指しています。アスタキサンチンを大量に生合成するサツマイモがあったら良いかも? サツマイモは、収量や環境耐性、栄養価が高い作物の一つです。塊根ではさまざまな代謝産物が生合成され、その組成や含量によって多様な肉色を示します。なかでも、橙色の肉色で「高カロテンサツマイモ」と呼ばれる品種群ではβ-カロテンの含量が特に高く、その機能性を活かす用途が期待されています。カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは高い抗酸化力を持つ物質ですが、生合成できる植物はごくわずかしかありません。そこで、サツマイモの塊根で特異的に発現するプロモーターの下流にアスタキサンチン生合成遺伝子をつなげたキメラ遺伝子を導入して、アスタキサンチンを大量に生合成するサツマイモの作出を目指す研究を行いました。荒木 悠汰さんイカ塩辛の細菌汚染を調べて食中毒リスクの評価を行い、安全な製造方法を提案しました寺譯 由衣さんMRIを用いて、原木・菌床のしいたけの生育過程を追跡し、画像解析を行いましたイカ塩辛を自宅で安全に作るためには、どのようなことに気をつければ良い? イカ塩辛は、日本各地で製造される伝統的な塩蔵食品です。元来、大量の塩を用いて作られ、その塩の働きが腐敗や食中毒を防ぐため、室温保存や自家製が可能な食品とされてきました。しかし、近年の消費者の減塩志向により、現在製造されているイカ塩辛の多くは塩分濃度が3%程度となっており、そのために室温で細菌の増殖を抑えることができず、冷蔵保存が必要です。このような低塩分のイカ塩辛は食中毒リスクが高く、2007年に大規模な腸炎ビブリオ食中毒事件を引き起こしました。そこで市販品と自家製のイカ塩辛について、その特性と細菌汚染の状況を明らかにし、食中毒リスクを評価する研究を行い、自家製イカ塩辛の安全な製造方法を提案しました。ブランドしいたけ「のとてまり」、どうすれば、たくさん収穫できる? 石川県内の原木しいたけの約7割を栽培する奥能登地域では、高齢化や過疎化による産地衰退への懸念から、原木しいたけ「のと115」の特秀品を「のとてまり」としてブランド化しました。しかし、この規格に合う大きなしいたけの発生率は低く、“ほだ木”の内部で生長するしいたけは、子実体として外に出るまでの生育状況を把握することが困難なため、解明できていないことがまだ多くあります。そこで、のとてまりの発生率を高める基礎的な知見を得るために、磁気共鳴イメージング(MRI)を用いてほだ木や菌床中の菌糸体がどのように生育し、子実体となるのかを追跡する研究を行いました。この技術は今後、しいたけの発生のメカニズムの探求に役立つことが期待されます。食品科学科 食品製造系 食品製造化学研究室2017年卒業石川県立七尾高等学校出身食品科学科 食品管理学研究室2017年卒業新潟県立柏崎翔洋中等教育学校出身安全に作って食べるために:各種イカ塩辛の細菌性食中毒に対する安全性の評価MRIを用いたしいたけ生育過程の追跡塊根で特異的にアスタキサンチンを生合成するサツマイモの作出に関する研究アカテガニ消化管からの有用微生物の獲得研究テーマ研究テーマ研究テーマ研究テーマ「生産生物」「環境」「食品」と向き合い、考え、そして想いを込めた発表をご紹介します。

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