獨協大学 大学案内2018
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Faculty of Foreign Languages最近Google翻訳を始めとして機械翻訳の発達が著しいという話を聞きます。さらにこのまま改良が進むと、いずれ外国語学習は必要なくなるだろうと主張する人もいます。現在の機械翻訳の精度はまだまだで、到底使えるレベルにはありませんが、このまま精度が向上していけば、ある程度実用になる機械翻訳がいずれ登場する可能性はあります。そうした機械翻訳機器がたやすく手に入るようになったとき、もはや外国語学習は必要なくなるのでしょうか。今から断言できますが、将来そのような状況が生まれたとしても、決して外国語学習の必要性はなくならないでしょう。なぜかと言えば、言葉は単なるコミュニケーションの道具ではないからです。一つの言語はその分節に従って世界を切り分け私たちに提示します。それにより言語は私たちの現実認識の仕方を制約するのです。日本語しかできない人の場合、たとえ機械翻訳に頼ったとしても、その認識は日本語に囚われたままですから、相手の認識の世界に踏み込むことは不可能です。相手の言語を通じてその認識の仕方を理解しない限り、相互理解の道はまったく開けないことでしょう。外国語を学ぶことの意義は、コミュニケーション手段を手に入れることにとどまりません。私たちは、他言語を学ぶことを通じて他文化を知り、自分とは違う世界認識の仕方を学ぶことになるのです。他文化に対する理解の欠如とそれに起因する紛争・衝突がますます顕在化している現在、他言語・他文化を学ぶ重要性はいよいよ増しているとさえ言えるでしょう。今後外国語学習の重要性が減ずることはありえないのです。 機械翻訳の発達によって外国語学習は必要なくなるでしょうか外国語学部長 江花 輝昭23

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