横浜市立大学 大学案内2019
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リハビリテーション効果促進薬の考え方血管網を有するミニ肝臓 赤:血管細胞 緑:肝臓細胞プロテオーム解析横浜市立大学先端医科学研究センターは、2006年に設置された大学直属の研究センターです。臨床への橋渡し研究を推進するとともに、各解析センター等の研究活動を基盤に、これまで文部科学省の「イノベーションシステム整備事業」や、日本医療研究開発機構(AMED)の「難治性疾患克服実用化研究事業」、「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」等、数々の大規模プロジェクトに参画するなど、国内有数のライフサイエンス研究拠点として着実な成果を重ねてきました。今後も優れた研究成果をより早く社会に還元できるよう取組を進めていきます。研究施設・連携研究機関がん、生活習慣病などの克服を目指した基礎研究と、その成果を臨床に応用する橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)を推進しています。■ 先端医科学研究センター(福浦キャンパス)最近の主な研究成果医学部 生理学 高橋琢哉教授らの研究グループは、企業との共同研究により、脳卒中後のリハビリテーション効果を大きく促進させる新薬の候補化合物の特定に成功しました。この化合物には、脳損傷後の機能回復のメカニズムである脳の可塑性を向上させる効果があります。この新薬が実用化されれば、脳卒中後の麻痺の回復に向け、リハビリテーションに取り組む多くの患者さんにとって、より効果的な治療法となることが期待されます。医学部 臓器再生医学 谷口英樹主任教授、武部貴則教授らの研究グループは、企業との連携のもと、iPS細胞からヒトのミニ肝臓(iPSC肝芽)を大量製造する手法の開発に成功しました。現在、iPS細胞由来のヒトミニ肝臓移植の安全性評価を目的とした臨床研究を目指していますが、この開発技術に基づく再生医療が実現化できれば、多くの肝疾患の患者さんを救うことが可能な革新的な医療技術となることが期待されます。先端医科学研究センターの木村弥生准教授、平野久学長補佐・特任教授らの研究グループは、質量分析装置を用いた血清プロテオーム解析により、4種類の川崎病の血液診断マーカー候補タンパク質を発見しました。川崎病は主に4歳以下の乳幼児に発症する急性熱性発疹性疾患で、この発見により、早期の的確な診断と病勢の変化の把握、また、治療法の改善によって、合併症のない早期治癒が期待されます。~『Science』に掲載~脳卒中後のリハビリテーション効果を促進する新薬の候補化合物を特定し、新薬開発に向けて治験実施へ~『Scientic Reports』に掲載~川崎病の血液診断マーカー候補タンパク質を発見~『Cell Reports』に掲載~ヒトiPS細胞からミニ肝臓の大量製造に成功し、再生医療への応用を大幅に加速薬剤介入による脳回路の機能的再編成機能回復88

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