東京経済大学 大学案内2019
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 グローバル化が進展し、日本においても増える文化的な他者との対話を実り多きものにするためには、異文化を理解する能力のみならず、自分たちが当たり前とすることを見直す柔軟な発想と、自文化を相対的にとらえる視点が必要不可欠です。授業では、文化人類学の「ものの見方」を身につけることで、異文化の理解と自文化の相対化を同時に達成し、他者との対話を開いていく技法を習得します。これとは別に、「南海の楽園」「高貴な野蛮人」というイメージが広まったオセアニアについて、多様なメディアがオセアニアをどのように描いてきたのかを具体的に検討するとともに、オセアニアの現実や島民自身による自己表象を比較し、オセアニアの「虚像」と「実像」をめぐる複雑な関係を解きほぐす文化人類学の授業もあります。pickup 講義ロジカルかつクリエイティブに想像力を働かせ、人の「こころ」を科学する異文化に触れて自分自身を相対化し日常の当たり前を検証する 人の心は、見えません。しかし、「心は在る」と多くの人が信じているのはなぜでしょうか。心は意識から無意識まで幅広く、さまざまな要因が絡む複雑な現象です。授業では人の心や行動、その変化・発達の仕組みについて、時に哲学や進化の歴史も紐解きながら、近年の脳神経科学を含む実証データをもとに検証していきます。「勉強をやる気になれないのはなぜか」「歳を取ると性格は変わるか」といった身近な問題について受講生と対話をし、観察や実験といった研究手法も取り入れて考えていくと、「熟達化は加齢によるハンディを克服するか」など鋭い質問が出てきて驚くことも多々あります。人は生涯、獲得と喪失を繰り返しながら、死ぬまで発達し続ける存在です。豊かな心の働きを学ぶために、ScienceだけでなくArtの域まで迫り、「当たり前」を「不思議」に変える面白さを味わってみませんか。小こばやし林 誠まこと 専任講師心理学野のだ田 淳じゅんこ子 准教授文化人類学56

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