東京理科大学 大学案内2018
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message若い皆さんには、ぜひ大きな社会問題に挑んでいただきたいと思います。私の研究分野に限っても、マイクロプラスチックによる海洋汚染など、堤防のほかにも問題はいくつもあります。安心安全な社会のために力を尽くしませんか。た野スつ会か。研究室の一角にある実験用の大水路。ここで堤防強化技術開発のための実験を重ねている。 そのとき氾濫を未然に防ぎ、できるだけ災害を減らすのが堤防の役割ですが、堤防は決して万全ではありません。なぜなら、ほとんどの堤防は土で出来ているからです。三面コンクリート張りの堤防も、その下は土です。そのため、水が堤防を乗り越えてしまうと、あっという間に決壊してしまいます。実際、鬼怒川の堤防は1~2時間で決壊しました。 そこで今、私の研究室では、できるだけコストをかけずに堤防を強化し、決壊の時間を要因となってきたことがその遅らせる方法を考えています。例えば、堤防います。った方がたくさんいました。こうした方を減増えた水に阻まれて避難できなくなってしまリートを張ると十分に強会をつくりたい。それが私の願いです。らすため、私は鬼怒川水害のシミュレーショ度が高まるのではないトをかけ、その上にコンクの土にジオグリッドというメッシュ状のシーン動画などを作成し、一般の方にも分かりやすい資料の作成を工夫しています。川は危な分で水害から身を守ることができる社いものという理解を広め、一人一人が自かという仮説を立て、研究室の大水路で実験を進めています。 川や湖、海などの水の流れを研究する土木技術者として、私には減災に資する技術をつくりたいという思いがあります。また、水害に強い文化を育みたいとも思っています。決壊の時間をいくら遅らせても、住民の方が適切に対応できなければ意味がないからです。例えば、鬼怒川氾濫の際には、水量の少ないうちに行動しなかったために、その後で急に 2015年、豪雨によって茨城県常総市で鬼怒川が氾濫し、多くの住宅が大きな被害を受けたのを覚えているでしょうか。現在の日本では、同様の大雨や台風で、国が管理する109水系のうち毎年平均して6つほどの河川が氾濫の危険にさらされています。東京などの大都市を含めて、いつどこで洪水が起きてもおかしくない状況なのです。気候変動の進行により、局地的な大雨や強い台風が増えてより壊れにくい堤防で洪水災害の減災を洪水氾濫前9/10・13時氾濫開始から7時間後常総市の地図を3Dプリンタで出力し、鬼怒川水害のシミュレーション動画を投影。水位を時系列に映し出すといった工夫をしている。9/10・19時氾濫開始から13時間後9/11・8時氾濫開始から26時間後4FRONT LINE of theworld387水災害、洪水、水環境二瓶 泰雄 教授理工学部 土木工学科KEYWORD7

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