東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)建築や環境に対するニーズを分析・整理し、どのような建築を造るのかの基本構想を練り、基本的計画をまとめ、建築についての専門知識や技術を用いて建築を具体化します。また、建物の歴史や保全に関する調査分析を通して、建築のデザインの価値を検証します。計画・設計系建物には人や物などの荷重のほか、地震や風の力が作用しますが、建築はこれらの力を安全に受けとめなければなりません。建築構造とは建物に加わるもろもろの力を安全に受けとめる柱・梁・壁などの骨組を、力学や技術を用いて合理的・経済的に造り出すことです。構造系住宅・オフィス・劇場など建築の目的に応じ、いかに熱・光・音・空気などの状態・挙動を計画・設計し快適な空間を創るかを探ります。生理・心理、地球環境への配慮も不可欠な奥の深いテーマです。環境系建築物は、構造材料や内装材料など、いろいろな材料によって造られています。この分野は材料の強さや安全性を研究する材料分野と建築火災による被害を防止するための対策を研究する防火分野からなっています。材料・防災系[専攻]都市計画学 [研究]都市解析、都市デザイン[テーマ例] 1景観と地域愛着 2都市内交通と空間の体験 3地方都市中心市街地活性化のための都市デザイン世界の都市人口は全人口の半数に達し、今も増え続けています。一方、先進国では縮小する都市が増えています。人々の幸福とサスティナブルな社会の実現のために、都市がうまく機能していくようデザインする必要があります。本研究室は、調査・分析を通して都市の性質を捉え、デザインを通して都市の在り方を提案します。対象は、都市圏のような広域スケールからストリートファニチャのような身近なスケールまで、インフラ整備のようなハード面から都市ブランディング戦略のようなソフト面まで、広範にわたります。伊藤 研究室指導教員/伊藤 香織 教授[専攻]建築計画学、建築意匠学、建築設計 [研究]建築デザイン一般に関する調査研究[テーマ例] 1建築空間のスケールに関する研究 2建築の構法と素材に関する研究 3現代住宅に関する調査研究および設計すべての建物は「寸法」によってその形や空間が決定されています。建物や空間の寸法(サイズ)は、人々の思考や行動に対してさまざまな影響を与えています。本研究室では、特に建物のスケール(大きさ)やモジュール(単位空間)に関する調査をベースとして、建築物、外部空間、街並、集落、都市空間などに見られるデザインの解読を試みています。そうした調査研究と並行して、住宅を中心とした実際の設計活動を展開し、新しい建築空間の創造に挑戦しています。岩岡 研究室指導教員/岩岡 竜夫 教授[専攻]建築計画学、環境行動学 [研究]建築空間と人間の行動の関係に関する研究[テーマ例] 1北欧・スウェーデンの学校建築 2フィンランドの図書館建築 3京町家を改修したゲストハウス空間 建築計画は、戦後不足していた集合住宅、学校、病院の3つの建築から始まりました。空間利用者の立場から空間を研究し、その結果を設計に活かしていくことを特徴とします。人間は建築の「ささやき」に感応しながら生きています。「静かで小さな部屋にいると落ち着く」というのも、感応の一種です。その「ささやき」は人間の生活を安定させるとても根源的なことだけれど、あまりに当たり前で普段は認識されないこともあります。だから人間の行動を調べ観察するなかで、建築が発している普段気づかない「ささやき」を顕在化させたいと思います。そして、そこから生まれる設計理論によって新たな建築を提案していきます。垣野 研究室指導教員/垣野 義典 准教授[専攻]建築環境工学 [研究]省エネルギー、環境計画、環境負荷低減[テーマ例] 1省エネルギーと快適性の両立を図る先進的窓システム 2住宅のエネルギー消費の実態とその削減方策 3建築・住宅の環境負荷低減に関する研究地球・都市環境の枠の中で、エネルギー・資源・自然環境をいかに効率的に活用し快適な空間・環境を創るかという研究を進めています。対象は、建築外皮や住宅の一室から建築全体、さらに都市のスケールにまで及び、実験・シミュレーション・調査等の手法を駆使した先進的研究を行っています。学会、他研究機関、建築・設備業界、国際機関、行政等との交流を通して、研究成果を社会に還元・貢献しており、研究室には常に刺激と活気が溢れています。井上 研究室指導教員/井上 隆 教授[専攻]建築防災・安全、火災工学 [研究]建築防災技術、火災現象論、避難安全[テーマ例] 1火災時の異変感知要因の定量的考察 2散水設備を考慮した大規模木造建築物の火災性状予測手法 2先進的煙制御システムの開発阪神淡路大震災や東日本大震災では、多くの大規模な火災が発生しました。また近年、建築物が大規模、大深度化、超高層化し、新たな空間の創出に伴う火災の危険性が危惧されています。本研究室では、このような災害による被害の防止、低減のために研究を進めています。例えば、コンピュータによる火災現象や人間挙動の再現・予測技術の開発、環境心理的な視点からの異変感知特性の検証、統計資料や実地調査資料から被害低減への計画策定、実務的な防災設計法の体系化などを進めています。大宮 研究室指導教員/大宮 喜文 教授[専攻]建築材料学、コンクリート工学 [研究]メンテナンス、環境側面、耐久性[テーマ例] 1建築物の耐久性および維持保全に関する研究 2建築材料に関わる資源循環および環境評価 3中性子利用技術の建築分野への応用日本の高度成長の原動力となった建築物は、現在その多くが維持更新の時期を迎えつつあり、いかにそれらをメンテナンスし耐久性を高め、かつ環境に配慮しながら持続再生していくかが大きな課題となっています。本研究室では、建築物の耐久性を精緻に予測するシミュレーション技術や、その維持管理戦略に関する研究に加え、21世紀の大きなテーマである建築物の環境側面に関する問題について、建築材料学的視点から研究しています。建築材料学は社会のさまざまな分野に通ずる守備範囲の広い学問です。兼松 研究室指導教員/兼松 学 教授[専攻]建築構造学 [研究]建築構造、免震・制振構造、建築構造設計[テーマ例] 1長周期地震動に対する建築物の耐震性能評価と対策 2免震・制振構造の応答評価と設計法の開発 3海溝型地震に対する建築物の累積損傷評価設計法の開発安心で安全な建物を実現するには、建築構造物の性能設計法の研究・開発が重要になります。本研究室では、さまざまな学協会・大学・企業・研究機関と連携して研究・開発を行っています。具体的には大地震に対する安心安全を目指す「性能設計法」の確立、高い耐震性能を実現する免震・制震構造の「エネルギーの釣合に基づく応答評価法」、長周期地震動や直下型地震などに対して長寿命建築物を目指す「建築物のライフサイクル累計損傷評価設計法」、建物の地震・長期微動観測に基づく「構造ヘルスモニタリング」の研究・開発などです。北村 研究室指導教員/北村 春幸 教授[専攻]建築構造力学 [研究]都市防災、地震工学、耐震工学[テーマ例] 1近年の被害地震を教訓とした地盤震動特性 2地震・地盤・基礎・建物・室内被害までの一貫評価システムの開発 3超高層集合住宅を対象とした建物耐震性と室内安全性の評価2011年東日本大震災では、巨大規模の断層運動に起因して、津波、長周期地震動、液状化等による建物被害が発生しました。2016年熊本地震では都市直下で発生する内陸地殻内地震により、多数の木造建物被害が発生しました。大地震時の建物被害の発生パターンは、さまざまな要因が複雑に絡み合います。本研究室では、震源から基礎、建物応答、室内被害、人的被害までの動的プロセスを総合的に評価し、将来の地震被害軽減に向けた研究を進めています。永野 研究室指導教員/永野 正行 教授[専攻]建築史・意匠、建築設計 [研究]保存活用計画、近現代建築史[テーマ例] 1近現代建築の空間構成および設計過程に関する研究 2近現代建築の保全・保存再生に関する研究、建築資料のアーカイブズ化に関する研究 3近代計画都市に関する史的研究今日の建築デザインを「時間」という継続性の中で捉え、近現代建築、近代計画都市を対象に調査、研究を行っています。また、それらの文化遺産としての側面の重要性を認識し、保存、活用継承していくための方策を立てることを進めています。ユネスコをはじめとする国際機関と密接な関係にあるICOMOS(本部・パリ)やdocomomo(本部・リスボン)とも連携し、文化遺産保護の原理、方法論、科学技術の応用の研究も続けています。また、文化庁国立近現代建築資料館とも連携した近現代建築資料のアーカイブズ化も主要なテーマの一つとなっています。国際的ネットワークの中で調査・研究活動を行い、広い視野の中で、それぞれの対象の固有の「オーセンティシティ」の追求を行い、今日の社会にも開かれた文化的価値を持ち得る「リビング・ヘリテージ」を目指しています。山名 研究室指導教員/山名 善之 教授[専攻]建築構造学、都市防災 [研究]都市を守る耐震設計法[テーマ例] 1都市機能維持を目標とした耐震設計法の開発 2耐震工学および経済学の両面からの建築性能評価法の開発 3地震時経済損失の観点からの企業の耐震性分析首都圏直下型地震による莫大な経済損失の発生とそれにより引き起こされる深刻な環境破壊が懸念されています。建築物の耐震性能を、耐震工学だけでなく経済学の面から適切に評価し、必要な性能を確実に確保できる設計法の開発が求められています。本研究室では、次の二つの課題、「大都市東京はどの程度の地震に耐えられるのか?」、「地震に強い都市はどうすれば実現できるのか?」を掲げ、耐震工学および経済学の両面から、都市経済を支える建築物の最適設計法についての研究を行っています。衣笠 研究室指導教員/衣笠 秀行 教授[専攻]建築意匠・建築設計 [研究]建築空間デザインの研究と実践[テーマ例] 1建築デザインにおける「構造」や「環境」の表現に関する研究 2南米やアジアの近現代建築に見られるパブリックスペースの調査・研究 3現代木造建築の空間性に関する研究建築設計の役割は、単なる形態のデザインではありません。社会の諸制度、都市空間の仕組み、構造・環境技術などとの関わり合いの中から、これからの社会の変化に対応し、あるいは変化を促進していくような新しい建築空間を構想・提案していくことが求められています。本研究室では、現実の設計過程や地域社会などと関わりながら、可能な限り具体的にそうした探求を進めています。安原 研究室指導教員/安原 幹 准教授[専攻]建築環境工学  [研究]照明、光環境、視環境[テーマ例] 1照明デザイン支援ツールの開発 2美術館における昼光導入手法やLED照明利用に関する研究 3照明シミュレーションによる視環境評価手法の研究建築と光は不可分の関係で、かつては自然光、20世紀に入るとそれに加えて人工照明の扱いが重要なテーマとなってきました。光の量と質をコントロールしていく上では、審美性に加えて視認性・省エネルギー性などさまざまな側面を考慮する必要があります。本研究室では、照明シミュレーションによって光の挙動を求め、その結果から建築空間の見えを予測する手法を、実空間の調査・模型実験などを通して導き出すことを、研究の主な目的としています。吉澤 研究室指導教員/吉澤 望 教授研究室紹介理工学部情報科学科建築学科先端化学科電気電子情報工学科経営工学科機械工学科土木工学科物理学科応用生物科学科数学科74

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