東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)すべての生き物の基本単位、細胞の構造・物質・機能を統合して取り扱い、生体の持つ増殖・運動・生体防御・情報処理などのさまざまな特性を細胞の場で理解する、ポストゲノム時代の中心学問です。細胞生物学領域生命現象の基本になる有機化学と生化学を相互にリンクして理解するための生物有機化学です。このセンスは生命科学領域の学生にとってとても大事なことです。生物有機化学領域動物・植物を問わずすべての生命体の構造と機能そして営みを、遺伝子やタンパク質を含む生体構成分子の構造と機能および相互作用を明らかにすることによって説明しようとする学問です。分子生物学領域生物現象を観察測定したまま単に記述するのではなく、その現象の背後にある一般的な法則性、または原理を見つけ出す学問です。生物物理学領域生物は多数の化学分子で構成され、生命の営みは多様な化学反応の上に成立しています。つまり、生命現象の本質は化学であり、生化学とは化学の言葉でこれを記述しようとする学問分野といえます。生化学領域環境は生物の育成に影響し、生物は新たな環境を作り出し、新たな環境は新環境に適応した生物を進化させました。本領域では、環境と生物との関わりを通し、生命現象・地球環境問題などを理解します。環境生物科学領域研究室紹介[専攻]生体物質化学、細胞生物学 [研究]光触媒、生理活性探索、受精、細胞死[テーマ例] 1光触媒を利用した希少糖生産と生理活性探索 2光触媒による抗微生物活性 3不妊症、膜融合機構の解明 4アンチエイジング、抗癌剤の探索と作用機序の解明光触媒を利用した天然バイオマスからの有用希少物質の生産や、抗微生物薬の開発、種子の発芽促進などに加えて、不妊症、膜融合機構の解明、アンチエイジング、抗癌剤の探索と作用機序の解明といった医療と環境に関わる次世代研究を進めています。本研究室では、「生物学」と「化学」のかけ算により未知の研究領域を開拓することで、新しい生命現象の発見や研究手法の創造により人類に貢献する研究を行っています。中田 研究室 指導教員/中田 一弥 准教授[専攻]生命動態学 [研究]イメージング、エピジェネティクス、分子細胞遺伝学[テーマ例] 1植物の環境ストレス応答のエピジェネティクス解析 2ライブイメージングによる4D解析に基づく発生・分化過程の高次元デジタル化 3植物の脱分化・再分化メカニズム生物は細胞分裂と細胞伸長の絶妙なコンビネーションとコミュニケーションにより、発生・分化を成し遂げ個体が形成されます。この生命ダイナミクスを統御する基本メカニズムの解明に取り組んでいます。脱分化・再分化過程の制御メカニズムや細胞核内の分子動態のメカニズムをライブイメージング解析を通じて解明します。また、従来の遺伝学の概念を超えたエピジェネティクス現象の解明にも挑戦します。松永 研究室 指導教員/松永 幸大 教授[専攻]分子神経科学、神経情報科学 [研究]脳の発達とその障害の分子機構、脳発達遺伝子データベース[テーマ例] 1シナプスや神経回路の発達と機能に関連する遺伝子機能解析および細胞イメージング解析による研究 2精神神経疾患モデルマウスの開発と疾患の発症機序および改善の研究 3脳遺伝子発現のデータベース化とニューロインフォマティクス研究心や行動を生み出す脳の複雑で精緻な神経ネットワークは、どのようにして発達し機能するのでしょうか。本研究室では、脳の正常な発達と機能、およびその異常によって生じる精神神経疾患について、関連する遺伝子やタンパク質の同定や機能解析から遺伝子改変マウスを利用した記憶や認知の行動解析まで基礎から先端に渡る幅広い多次元の研究によって、脳の発達と機能の分子メカニズムの解明を目指しています。また、脳遺伝子発現データベースの開発をはじめとする神経情報科学の研究も行っています。古市 研究室 指導教員/古市 貞一 教授[専攻]応用生物化学、生物化学工学 [研究]微生物工学、酵素工学、生物環境化学[テーマ例] 1新規微生物・酵素の探索と機能の解明 2微生物・酵素機能を活用した有用物質生産 3微生物・酵素機能を活用した環境浄化土1gには約1億、ヒトの腸内には約100兆も存在する微生物は、生態系や生体内において重要な役割を担っているにもかかわらず、機能が明らかにされている微生物はごくわずかです。本研究室は、この微生物の無限の可能性に問いかけ、新規微生物・酵素の発見や機能の解明、さらには「有用物質生産」や「環境浄化」への応用を目的として研究に取り組んでいます。古屋 研究室 指導教員/古屋 俊樹 講師[専攻]微生物学、分子遺伝学 [研究]微生物遺伝子の機能解明[テーマ例] 1真菌の分化関連遺伝子の研究 2真菌に対する各種薬剤の作用 3新規乳酸菌の特徴的な代謝に関わる遺伝子の研究真菌(カビの仲間)等の真核微生物は、複雑な多細胞生物より小さな染色体を持ち、分子生物学的な解析が容易でありながら、真核生物の基本機能をほぼ完全にそろえている研究材料です。この材料を用いて、いまだ明らかにされていない基本生命現象の解明を目指しています。また、細菌や真菌などの微生物に固有の能力を研究することにより、それらの能力をどのように獲得したのかという問題にも取り組んでいます。鎌倉 研究室 指導教員/鎌倉 高志 教授[専攻]植物分子生理学、細胞生物学 [研究]植物免疫、環境応答、生体情報処理[テーマ例] 1環境ストレスや病原菌感染に対する植物の応答機構の解明 2細胞内、細胞間の情報の処理・伝達のバイオイメージング 3植物の免疫力を高める新規手法の開発地球環境・食糧・エネルギー問題の解決のためには、植物の生き様の理解が鍵となります。本研究室では、ゲノム情報に基づく分子遺伝学、生物機能を生きたまま非破壊的に解析する分子生理学、情報分子の動態を可視化するバイオイメージング技術などを活用しながら、植物が外界を認識し、情報を処理、伝達する仕組みを分子レベルで解明することに挑戦し、病気に強く低農薬で栽培できる、環境ストレスに強い、環境を浄化できる植物の作出など、新世代のバイオテクノロジーの展開を目指した基礎研究を進めています。朽津 研究室 指導教員/朽津 和幸 教授[専攻]生化学 [研究]タンパク質科学[テーマ例] 1酵素の触媒機構の解析 2酵素活性の調節機構の解析 3酵素の構造ー機能相関の解析タンパク質は生命に本質的な役割を担う分子であり、そのはたらきは化学的、物理的な構造が決めています。そして、そのための設計図は遺伝子DNA上に記載されているはずですが、人類はいまだその正確な解読方法を手に入れていません。私たちは、この設計図の真の解読に向けて、特に「酵素」と呼ばれる化学反応を触媒するタンパク質群を素材に、遺伝子工学や物理化学的な方法を用いて研究に取り組んでいます。田口 研究室 指導教員/田口 速男 教授[専攻]生物有機化学 [研究]ケミカルバイオロジー、天然物化学、有機合成化学[テーマ例] 1天然物をリード化合物とした医薬・農薬の開発 2アフィニティービーズを用いた医薬・農薬の作用機構解析 3天然物の生合成経路の有機化学的検証化学的手法によって生命現象を解明するケミカルバイオロジーは世界中で急速に発展しています。これはひとえに、生命の諸現象を分子レベルで解明することが生命科学の進歩ひいては人類の健康増進に不可欠と考えられ、生命科学の基盤としての化学の重要性がこれまで以上に認識されるようになったためにほかなりません。本研究室では、自ら合成した化合物を、生命現象を解明するための道具に利用し、生命の諸現象を分子レベルで明らかにすることを目指します。倉持 研究室 指導教員/倉持 幸司 准教授 [専攻]分子生物学、植物生理学 [研究]システム生物学、ネットワーク生物学、ケミカルバイオロジー[テーマ例] 1二次代謝産物と遺伝子発現制御ネットワークの関連性調査 2低分子化合物と標的タンパク質探索手法の開発 3ネットワークアプローチによる植物と微生物の相互作用の解明遺伝子は生命の基本単位であり、時に数百にもなる遺伝子群が協調的に働くことで生命の頑強性が補償されます。そのような複雑な遺伝子群の関わり具合(ネットワーク)を調べるためには、新しい概念が必要です。本研究室では生物だけでなく化学や統計学、コンピューター科学の手法を駆使し、生物情報を定量化することで新たな概念、すなわちシステム生物学を解き明かしていきます。また、その知見を人々の健康や農作物収量の向上などに応用することを目指しています。諸橋 研究室 指導教員/諸橋 賢吾 准教授[専攻]発生生物学 [研究]頭顔面や手足の形成・再生[テーマ例] 1頭部や顔面の形態形成 2手足の形成と細胞・組織間相互作用 3ゼブラフィッシュの硬組織再生脊椎動物の「骨格の形」は実に様々です。これは骨格を作る細胞群の挙動(移動や接着、増殖、分化など)が、発生の時期や場所に応じて変化するためです。同じようなしくみは、器官が再生される過程でも働くと考えられています。本研究室では、骨格の発生や再生過程で細胞の挙動を調節するしくみについて、遺伝子から組織に至る多面的な視点から解析しています。これにより、多様な形ができる仕組みを理解し、さらに先天性形態異常の原因解明や、骨格の再生を促す知見を得ることを目指します。和田 研究室 指導教員/和田 直之 教授[専攻]ナノバイオサイエンス、生物物理学、生化学 [研究]1分子観察、ATP加水分解タンパク質の作動機構[テーマ例] 1モータータンパク質F1-ATPaseの回転を駆動する構造変化の1分子観察  2膜タンパク質Ca2+-ATPaseの3次元構造変化・機能マッピング 3マイクロチャンバーを用いた、少数個タンパク質からのリン酸解離検出肉眼では見えないナノメートルサイズの酵素が働く様子をまるで見てきたかのように明確に理解することが本研究室の目標です。生体内のエネルギー通貨と呼ばれるATPを使って働くタンパク質群に着目し、どの部分が構造変化し、いつ化学反応が起こり、どうやって機能につなげるのかを分子内構造のレベルで解明していきます。分光器による溶液測定等の生化学実験と光学顕微鏡による1分子観察を軸に、遺伝子操作や有機合成も駆使します。政池 研究室 指導教員/政池 知子 講師理工学部情報科学科建築学科先端化学科電気電子情報工学科経営工学科機械工学科土木工学科物理学科応用生物科学科数学科72

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