東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)研究室紹介洪水のように氾濫しているともいえる種々の大量の「情報」をどのように数量化し、科学的に扱ったらよいのでしょうか。「基礎数理情報」は、「情報」の不確定さ、大きさ、価値などを情報量として測り、また「情報」をどのように数理的に表現するのかを扱う分野です。基礎数理情報系大量の「情報」を実際に処理するためには計算機の助けが必要です。また、いろいろな現象の数理モデルに対して、数理分析方法によって最適な解を推論するためにも、計算機を用いて情報を処理する必要があります。「計算機科学」は情報を処理するためのシステムを扱う分野です。計算機科学系自然、社会、人間などの現象の「情報」に関わる問題を定式化し、現象の仮説(モデル・原理)を数理的に作成し、「情報、情報量」に基づく数理的分析方法、手法を理論構築します。それにより、最適な解を推論して、種々の分野における実用上の問題点をいかに解決、改善するのかを扱う分野です。応用数理情報系[専攻]情報数学 [研究]計算機数学、Hilbertの第13問題、データ圧縮理論[テーマ例] 1Hilbertの第13問題とデータ圧縮問題 2計算機を用いた数学の定理の証明  3階層構造を持つデータ群への計算理論の応用計算機科学と数学は、今後ますます密接な関係になっていくでしょう。例えば「与えられたデータは、どこまで圧縮できるのですか」という問題や「解答を求めるために、プログラムを組むことのできない問題はありますか」という問題、さらに「作成したプログラムが、有限の実行時間で停止するかどうか判定する方法はありますか」という問題を研究する際、情報とその伝送形態に関する数学的かつ汎用性のある基礎理論を構築し、その土台の上で研究することが重要です。このような理由で、本研究室では、数学と計算機科学の境界領域に属する分野を研究対象としています。明石 研究室指導教員/明石 重男 教授[専攻]マルチモーダル情報処理 [研究]音声情報処理、顔画像処理、対話システム[テーマ例] 1音声合成・検索システムの構築 2顔画像処理システムの構築 3対話システムの構築近年、人間と対話のできるロボットが実用化されつつあります。本研究室が取り組むマルチモーダル情報処理はこうしたロボットとの対話に必要不可欠な技術の一つです。マルチモーダルとは、音声や表情といった多様な知覚情報を用いることを指し、これを用いた対話を「マルチモーダル対話」と呼びます。人間同士の対話は、相手の表情を見ながら対話を進める「マルチモーダル対話」であることから、この技術をロボットに組み込むことによって、より自然な対話を実現できます。本研究室では音声の合成・検索技術、顔画像処理と読唇技術、対話システムの構築といった、マルチモーダル対話に必要なさまざまな技術の開発を進めています。桂田 研究室指導教員/桂田 浩一 准教授[専攻]プログラミング言語及び言語処理系 [研究]コード最適化および並列化、群知能、ユーザインタフェース[テーマ例] 1GPU向けコード最適化 2ARを用いたユーザインタフェース 3階層型移動エージェントを用いた群ロボット制御本研究室では、いろいろなコンピュータシステムを、より分かりやすく効率的に記述できる言語や、その処理系、あるいは、プログラミングモデルを研究しています。例えば、新しいプログラミング法に基づくプログラミング言語を設計したり、翻訳の際に同時に実行できる部分や高速化できる部分を見つけて並列化や最適化を行う言語処理系を開発したりしています。また、移動エージェントという、ネットワークを自律的に移動するプログラムユニットを用いて、たくさんのロボットを効率的に制御する研究も行っています。その他にも、プロジェクタによってスクリーンに投影されたデスクトップを、影を使って操作する技術や、現実の世界にCGを融合させる技術を使った視覚的プログラミング法を開発したりしています。滝本 研究室指導教員/滝本 宗宏 教授[専攻]量子ネットワーク [研究]量子アルゴリズム、暗号理論[テーマ例] 1現在知られている難しい問題に対する量子アルゴリズムを提案する 2量子計算理論における計算の複雑さについて研究する 3非可換代数を原理とした暗号理論の数学的性質や実装について研究する近年、量子情報の数学的整備やそれを基にした実験が盛んに行われ、情報通信分野などでわれわれの生活にも大きな恩恵がもたらされるようになってきています。本研究室では、量子力学を原理とした計算の数理モデルである、量子アルゴリズムの数学的定式化や計算の複雑さについての研究を行っています。また、非可換代数を原理とした新しい暗号理論について、理論的研究と実験を行っています。入山 研究室指導教員/入山 聖史 講師[専攻]生命情報学 [研究]生命現象への情報論的アプローチ[テーマ例] 1配列間のアライメントアルゴリズム及び遺伝的差異の研究 2インフルエンザA型ウイルスヘマグルチニンの配列変化予測 3遺伝子の発現および変異パターンによる癌疾患の予後因子の特定生命情報学とは、情報論的手法を使って生命現象を解明する研究分野です。本研究室では、生命現象解明の基礎となる遺伝子やDNAに刻まれた情報のありさまを、情報量や符号といった情報理論の基本概念を通して調べます。そして、現在観察できる生命の存在形態、生命(体)の情報の伝達と処理の仕方、生命の変化の力学などを表現する生命特有の数理を考えます。佐藤 研究室指導教員/佐藤 圭子 准教授[専攻]ソフトウェア工学、ネットワーク工学 [研究]プログラム言語論、情報ネットワーク[テーマ例] 1分散計算機環境における協調計算、情報保護機構の研究 2マルチキャスト通信、ネットワーク管理 3音楽情報処理、拡張現実感、ユーザインタフェースなどの研究近年では、計算の対象として挙げられる問題は多様化しており、さまざまな問題領域の構文や意味論を任意に設定できるプログラミング環境が望まれています。そのような環境で用いる計算モデルの一つとして、プログラム自身を変更可能なグラフ書換え言語REGRELを提案しています。また、複数の計算機をネットワークで結び、仕事を分散させて全体として処理の高速化・効率化を目指す分散処理システムを設計しています。さらに、利用者のプライバシー確保と提供者の情報セキュリティ向上の研究を行っています。武田 研究室指導教員/武田 正之 教授[専攻]応用確率統計学 [研究]カテゴリカルデータ解析[テーマ例] 1確率モデルのパラメータ推定法に関する研究 2カテゴリカルデータ解析とその応用 3確率構造のモデリングとその分解これからの社会で活躍するために、今や確率・統計の知識は必要不可欠といっても過言ではないと思います。なぜならテレビ、書籍、インターネットなどから入ってくる非常に多くの情報(要約されたデータ)が、信用するに足るかどうかを自分の力で判断しなければならないからです。本研究室では確率・統計の数学的理論の研究を通じて、正しくデータと付き合うための力(応用力)を養います。田畑 研究室指導教員/田畑 耕治 講師[専攻]数理統計学 [研究]分割表解析、多変量解析[テーマ例] 1分割表統計解析とその応用(例えば血液型と職業の関連性) 2多変量統計解析とその応用(例えば飲食店における売り上げ分析) 3スポーツの統計解析(例えばプロ野球、サッカー、相撲など)「39度の高熱のある幼稚園児50人に薬Aを飲ませたら翌日全員が平熱になった」薬Aは効果があると言えるでしょうか。われわれは毎日のように、数字を新聞TV等で目にしていますが、表面的な数字から間違った判断をする場合がかなりあります。本研究室では、世の中に潜んでいる数字のトリックを見抜くためにも重要な数理統計学を研究しています。なお、研究室の特色として、医薬統計学に関心のある大学院生が多く、新薬開発における臨床試験統計家を目指し、製薬系に就職する者が毎年います。富澤 研究室指導教員/富澤 貞男 教授[専攻]応用情報理論 [研究]量子通信理論、量子チャネル理論の応用[テーマ例] 1量子通信理論の研究 2量子チャネル理論をベースとした量子ゲートの研究  3量子系の力学的エントロピーの研究古典系における通信理論は1948年ごろシャノンによってエントロピー論として始められ、その後コロモゴロフ等によって数学的体系として完成されています。これらの通信理論では電流や電波を信号に用いますが、近年、レーザー光を信号に用いる技術が開発され、さまざまな通信系で使用されています。光が最も基本的な素粒子であるので、光信号は量子系で取り扱うことが本来必要であり、その通信過程の厳密な記述には、量子通信理論の定式化が必要です。本研究室では、量子系のエントロピー理論をベースとした量子通信理論の定式化を目指す研究を行い、量子チャネル理論を量子ゲートの定式化に応用しています。渡邉 研究室指導教員/渡邉 昇 教授[専攻]数学 [研究]非線形力学系の理論[テーマ例] 1Log-linear dynamics の漸近的挙動 2進化ダイナミクス 3カオスを利用した暗号系力学系の理論は、広く、系の決定論的な時間発展を研究対象とします。「非線形な」力学系では多くの場合、その解を式計算により求めることは不可能であり、また、解の挙動はしばしば極めて複雑で、カオスやストレンジアトラクターとして知られている現象が現れます。本研究室では、「幾何学的には単純(したがって数学的に厳密に調べることが可能)であるが、振る舞いとしてはカオティックである系」という、「半分だけカオス」のような系を研究の対象としています。戸川 研究室指導教員/戸川 美郎 教授[専攻]離散数学(組合せ論) [研究]組合せデザイン、符号・暗号の数理[テーマ例] 1組合せデザインの構成とその応用 2光直交符号の構成 3有限幾何の組合せ構造の研究「6人で3コートを使ってテニスを行い、5日間でどの2人も対戦できるように組み合わせを考えなさい」というような問題は、離散数学の分野で組合せデザインと呼ばれます。このような離散数理構造を数学的道具を用いて構成し、少ない実験回数で隔たりのない情報を得るという統計的実験計画法に用いています。最近では、携帯電話に使われているCDMAなどの情報通信における符号理論や暗号の理論などへのさまざまな新しい応用に取り組んでいます。宮本 研究室指導教員/宮本 暢子 准教授理工学部情報科学科建築学科先端化学科電気電子情報工学科経営工学科機械工学科土木工学科物理学科応用生物科学科数学科70

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