東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)宇宙物理学は、素粒子・原子核・相対論・統計力学・流体力学などさまざまな分野の物理学を統合して、宇宙の成り立ち・宇宙における現象や天体を理解しようとする学問です。宇宙物理学(理論)万有引力を扱う古典力学だけでなく、電磁気学、量子力学などの物理学の広い知識に加え、統計学の知識も動員し、自分の手で開発した観測装置を使い、観測的に宇宙を理解する学問です。宇宙物理学(実験)原子核は原子の中心にあって陽子と中性子からできています。原子核理論は原子核の性質を調べたり、陽子や中性子を最も基本的な粒子であるクォーク・グルーオンから研究する学問分野です。核・素粒子(理論)物質の究極の構造を解明し、自然を支配する基本法則の統一的理解を追究します。研究対象は素粒子・原子核から宇宙に広がり、自然の謎を解き、自然の美を求める物理学の基礎的分野です。素粒子(実験)物には、熱や電気を伝えたり、磁石に付いたり、光を通したりと、さまざまな性質があります。そのような性質がなぜ、どのように存在するのかを理論的に解明して、将来の新しい物質開発につなげる学問です。物性物理学(理論)物質中の電子や分子の集団は、ミクロ世界のルール=量子力学に従い、結晶や表面などの舞台で、電磁気・光・熱に関わる現象を示します。そのメカニズムを理解するため、測定・解析や新物質の創成に取り組んでいます。物性物理学(実験)レーザーは干渉性、指向性、収束性など優れた特性を持つ光です。このレーザーを用いて光の性質と振舞い、および光と物質の相互作用を研究する分野です。また、生物の色に関する研究もしています。光物理学[専攻]物性物理学(実験) [研究]強相関電子系の伝導・磁性[テーマ例] 1遷移金属酸化物の試料育成と電気伝導・磁気特性測定 2有機導体における非線形伝導現象 3光照射下での物性測定装置の開発本研究室では、強相関電子系と呼ばれる電子間相互作用の強い物質群が示す新奇輸送・磁気現象の実験的研究を進めています。また、光照射下などの強い非平衡状態における電子物性の理解など、強相関電子系の物理と非平衡統計物理を融合した新しい研究領域の開拓にも取り組んでいます。岡崎 研究室指導教員/岡崎 竜二 講師[専攻]宇宙物理学(実験) [研究]X線天文学[テーマ例] 1Black HoleやPulsar等の天体の観測的研究 2宇宙望遠鏡(Hitomi代替機)に搭載する宇宙X線観測用CCDの研究開発 3次世代の宇宙望遠鏡に搭載する新型のX線検出器の基礎開発本研究室では、X線を放射する天体の観測的研究を行っています。Black HoleやPulsarなどの天体を観測し、激動する宇宙の描像を明らかにすることを目的としています。さらに、2016年2月に打ち上げた宇宙望遠鏡「Hitomi」に搭載しているX線検出器(X線用CCD)や次世代の放射線検出器を開発しています。幸村 研究室指導教員/幸村 孝由 准教授[専攻]理論物理学 [研究]トポロジカルソリトン[テーマ例] 1インスタントン、モノポール、スカーミオンなどのソリトン解の数値解析と物理現象への応用 2スカーミオンによる新規なブレインワールドの構築と階層性問題の解決 3アティア・ジンガーの指数定理に基づくさまざまな物理現象の理解トポロジカルソリトンは、素粒子論における粒子の特性(対称性、質量、電荷等)や、宇宙物理学の中心的なテーマであるブラックホールやブレインワールド(膜宇宙)、さらには物性物理学の超伝導現象やホール効果など、多様な物理現象の記述と理解に用いられる概念です。本研究室では、解析や数値シミュレーションの手法を用いたソリトンの研究を行っています。澤渡 研究室指導教員/澤渡 信之 准教授[専攻]物性物理学(実験) [研究]有機分子の関わる表面・界面の科学[テーマ例] 1高エネルギー分光を用いた新規機能性有機分子の電子構造の解明 2有機分子吸着系の構造と電子構造の解明と制御 3有機薄膜物性評価のための新規測定装置の開発本研究室では、有機分子の関わるさまざまな表面・界面の構造、および電子構造の研究を行っています。特に、さまざまな有機分子吸着系や有機半導体薄膜の界面電子構造、また、新しい電子機能性有機分子の電子構造の解明など、有機エレクトロニクスの基礎となる研究を推進しています。金井 研究室指導教員/金井 要 教授[専攻]原子核理論 [研究]クォーク核物理[テーマ例] 1天体核物理(中性子星の内部構造) 2原子核中のクォーク・グルーオンの役割 3レプトンと原子核の散乱物質は原子・分子から成り立っていて、原子は原子核とその周囲の電子から構成されています。さらに原子核は陽子と中性子の集合体であり、それらはクォークやグルーオンという素粒子からできていることが分かっています。本研究室ではこのようなクォーク・グルーオンの原子核や星の中での役割について多方面から理論的に研究しています。齋藤 研究室指導教員/齋藤 晃一 教授[専攻]宇宙物理学(理論) [研究]天体物理、ニュートリノ天文学[テーマ例] 1重力崩壊型超新星爆発と原始中性子星の進化 2超新星ニュートリノの数値シミュレーション 3超新星ニュートリノとニュートリノ振動重い星は、最後にコアがつぶれて中性子星を形成すると同時に超新星爆発を起こします。その際に放出される超新星ニュートリノや原始中性子星の進化などを数値シミュレーションを用いて研究しています。また、ニュートリノの種類が変化するニュートリノ振動という現象が、超新星ニュートリノの観測に及ぼす影響についても研究しています。鈴木 研究室指導教員/鈴木 英之 教授[専攻]物性物理学(実験) [研究]有機分子性物質の電子物性[テーマ例] 1有機導体の結晶成長と低温電磁特性計測 2分子スピントロニクスのための分子設計・開発 3有機伝導体の高周波電磁特性の測定と解析有機物質は、医薬やプラスチックなどとして身近な存在ですが、超伝導や強磁性など顕著な物理的性質を示すものや、液晶のような電子材料も含みます。無数にある有機分子には、未解明の潜在的機能がまだ多く、新たな分子で未知の物理現象を発見・解明する研究を進めています。田村 研究室指導教員/田村 雅史 教授[専攻]物性理論、計算物理 [研究]量子多体系の理論[テーマ例] 1フラストレートしたスピン系の特異な物性の探索 2斥力電子系における多彩な秩序の探索 3量子多体系の計算技法の開発電子を格子上に配した量子多体系を理論的に研究しています。電子は電荷とスピンの2自由度を持ちますが、特に電荷自由度の凍結した系をスピン系と呼びます。これは磁性体の基礎的モデルを与えます。また、両自由度が存在する系(電子系)は高温超伝導などとの関連から深い理解が求められています。これらを舞台として物性の解明、探索を行っています。福元 研究室指導教員/福元 好志 准教授[専攻]素粒子物理学(実験) [研究]ニュートリノ、宇宙線、高エネルギー物理[テーマ例] 1ニュートリノの質量と世代間混合の測定 2陽子崩壊探索による大統一理論の検証 3超新星ニュートリノ観測素粒子物理学は、宇宙に存在する基本粒子と粒子間に作用する力の法則の解明を目的とします。特に幽霊粒子とも呼ばれるニュートリノには未だ解明されていない部分も多く、興味深い研究対象です。本研究室では、ニュートリノの質量と世代間混合、大統一理論の予言する陽子崩壊などの研究を進め、宇宙と素粒子の謎に迫ります。石塚 研究室指導教員/石塚 正基 准教授[専攻]物性理論 [研究]非平衡物理学、非線形力学[テーマ例] 1細胞内での異常拡散現象の解明 2カオス力学系と拡散現象(確率過程)を結ぶ理論 3ランダムサーチ過程における最適化・効率化本研究室では、細胞のような複雑で不均一な物質の動的な性質、特に、その中での粒子の拡散現象の解明を理論的に進めます。近年、タンパク質などの1分子の軌道が直接観測できるようになり、様々な系で通常のブラウン運動とは異なる拡散現象が発見されてきています。このような現象を確率論や数値シミュレーションを通して明らかにします。秋元 研究室指導教員/秋元 琢磨 准教授[専攻]凝縮系物理学(物性物理学) [研究]強相関電子系の理論[テーマ例] 1伝導バンド構造を考慮した重い電子状態の記述 2強相関電子系における秩序状態の記述 3強相関電子系超伝導体の理論希土類やアクチナイド元素を含む金属化合物の中の電子は、互いに強く影響を及ぼし合って運動し、その質量が非常に大きくなったかのように振る舞うので、強相関電子系あるいは重い電子系と呼ばれます。この有効的な質量が重くなる状態、さらに極低温にしたときに現れる超伝導やその他の秩序状態を理論的に記述する研究をしています。半澤 研究室指導教員/半澤 克郎 教授[専攻]固体物理学(実験) [研究]相互作用の強い電子系を持つ物質の研究[テーマ例] 1ルテニウム酸化物スピン三重項超伝導体とその関連物質の単結晶育成と低温物性 2鉄系超伝導体の単結晶育成と低温物性 3金属ヘリカル磁性体の単結晶育成とスピンダイナミクス固体物理学は、固体結晶中を舞台とする多彩な物理現象を研究対象とします。これらの現象は、電子等の多数の構成粒子間の相互作用によって生じます。“More is different.”という言葉は、単純な構成要素が多数集まって相互作用することで、原子や電子などの構成要素の個々の性質からは予想も付かないような劇的な振舞いを示すことを表現しており、低温で発現する超伝導などは、そのよい例といえます。矢口 研究室指導教員/矢口 宏 教授[専攻]光物理学系 [研究]バイオフォトニクス、非平衡物理学[テーマ例] 1フォトニック結晶の光学特性 2自然界の構造色 3構造不規則系の光学現象光の波長サイズで周期的な微細構造はフォトニック結晶と呼ばれ、光の流れを制御する材料として注目を集めています。自然界の生物も同様な構造を利用して、鮮やかな色を生み出しています。本研究室では、微細構造が引き起こす多彩な光学現象を研究するとともに、構造が形成される過程やその応用を目指した研究を行っています。吉岡 研究室指導教員/吉岡 伸也 准教授[専攻]光物理学 [研究]非線形光学、超高速量子光学[テーマ例] 1超広帯域コヒーレント光の発生とその時空間位相の制御 2高次高調波変換によるアト秒X線パルスの発生 3蛍光分子の非線形分光と多光子バイオイメージング白色レーザーとも呼ばれる超広帯域コヒーレント光のスペクトル位相をそろえると、パルス内に電場の振動がわずか1~2周期しか存在しない超短パルス光となります。本研究室では、超短パルス光の高次高調波変換によりさらに短いアト秒X線パルスを発生させる研究、また、超広帯域コヒーレント光を用いた蛍光分子の非線形分光や多光子過程を制御したバイオイメージングの研究を進めています。須田 研究室指導教員/須田 亮 教授研究室紹介理工学部情報科学科建築学科先端化学科電気電子情報工学科経営工学科機械工学科土木工学科物理学科応用生物科学科数学科68

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