東京理科大学 大学案内2018
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研究室紹介周期表に出てくるさまざまな元素を駆使し、共有結合とイオン結合、結晶質と非晶質など、化学物質の持つ多彩な可能性を望みの機能に生かし、解析して社会に役立てる。それが無機・分析化学です。無機・分析化学系物理化学は、あらゆる化学現象とそれに関連した多くの現象に理論的な基礎を与え、有機化学、無機・分析化学などの分野に存在する基本問題をより深く、統一的に理解することを目標としています。物理化学系有機化学は有機化合物、炭素の結合物の化学です。生物に関係の深い物質も対象です。繊維、薬、機能性材料など応用も広く、有機化合物の種類は非常に多いので新発見ができる面白い分野です。有機化学系生活に必要とされる製品には化学の原理を応用して作られるものが多くあります。その生産には原料やエネルギーの使い方、環境負荷の低減などさまざまな工夫が不可欠となります。この工夫が化学工学です。化学工学系[専攻]有機化学、有機合成化学 [研究]分子触媒、機能性分子、化学反応制御[テーマ例] 1化学反応を時空間で制御する分子触媒の開発 2適時適所機能発現を実現する機能性医薬品の開発 3効率的化学変換システム開発化学反応は医薬品や身の回りの化成品をつくる重要なツールであると同時に、さまざまな自然現象、生命現象の本質です。化学反応を制御して自在に操る技術は、多くの分野で人類の発展に寄与することができます。本研究室では、生体内で化学反応を操る酵素を参考に、外部刺激によって反応空間を自在に操る分子マシーンを設計構築し、それらを触媒として用いることで、化学反応を時間と空間で制御する技術を開発しています。酵素のように化学反応を時空間で操ることで、廃棄物の軽減や資源の有効活用に配慮した環境調和型化学変換の実現と、有機化学による現象制御を基盤とする新しい医薬品や機能性材料の開発を目指しています。今堀 研究室指導教員/今堀 龍志 講師[専攻]物理化学、界面化学 [研究]機能性材料、ナノテクノロジー[テーマ例] 1ナノ粒子の超微細ナノ加工技術の開発 2極細金ナノワイヤーの合成と高機能触媒の開発 3温度と磁気で制御できる液体形状メモリーの開発表面を有機化合物で修飾したナノサイズの粒子は量子サイズ効果や極めて大きな表面積による表面効果などのため新しい機能を示します。これらのナノ粒子は次世代の記録媒体、触媒、高機能ドラッグデリバリー材料などに応用できます。本研究室では、最新のナノ技術を駆使して、表面・内部にさまざまな細工を施したナノ粒子や形態制御したナノ粒子などの作製法を開拓し、高性能ナノ触媒・発光材料・透明導電性材料・メタマテリアルなどを開発しています。また水素結合などの比較的弱い相互作用を主体にしたソフトマテリアル材料として、低温で液体・高温で固体になる材料、ある温度で発色する材料、液体の形状メモリー材料などの開発も行っています。河合 研究室指導教員/河合 武司 教授[専攻]化学工学 [研究]高圧・超臨界流体、天然由来高分子、高分子材料[テーマ例] 1二酸化炭素を用いた難水溶性薬物の水溶化 2静電微粒化法を用いたマイクロカプセルの調製 3基礎物理化学物性(溶解度、融点、相平衡など)の測定と相関私たちの専攻する化学工学という学問分野は、高校までの化学では現れません。もともとは、化学工業において必要とされるさまざまな装置の設計や操作についての研究を行うものでしたが、現在では環境問題から生物学にまで及ぶ広い学問分野を対象に、ものづくりを通して社会に貢献する学問となっています。私たちは、環境に優しい化学プロセスの開発を目的に、高圧ガスや、気体でも液体でも固体でもない第4の状態である超臨界流体を用いた、高分子の合成や加工の研究、水に溶けない物質を水に溶けるようにする方法の研究などを行っています。また、天然にある高分子を用いた複合材料の開発を行っています。大竹 研究室指導教員/大竹 勝人 教授[専攻]分析化学 [研究]X線分析、材料分析、環境分析[テーマ例] 1微弱X線を用いた高感度化学計測法の開発と応用 2微弱白色X線を用いた全反射蛍光X線分析法の高感度化の検討 3焦電結晶の新規応用に関する研究X線を用いることにより、元素組成、結晶構造、化学結合状態などさまざまな化学的情報を調べることができます。これまでX線分析では、強いX線光源を利用することにより高感度化が達成されてきました。一方、微弱なX線光源を用いることで、X線分析装置の小型軽量化を行うことが可能となります。私たちは、微弱X線光源を用いる高感度分析法の開発、および材料、環境分析などへの応用に関する研究を行っています。これらの研究を通じて、分析が求められるその場において物質のさまざまな情報を得ることを可能にしていきたいと考えています。国村 研究室指導教員/国村 伸祐 講師[専攻]界面化学、物理化学 [研究]界面活性剤、分子集合形態制御[テーマ例] 1ベシクル(擬似細胞)の自発形成に関する研究 2刺激応答性界面活性剤の開発 3金属を使わない金属光沢塗料の開発毎日洗濯で使う洗剤は界面活性剤です。また私たちの体は界面活性剤(洗剤とは分子構造が異なりますが)の集合体で構成されています。このように界面活性剤はとても身近なものです。本研究室では界面活性剤集合体の「かたち」がどのような因子により決まるのかを解明しようとしています。この研究が完成すると人工細胞ができるはず。ナノ~マイクロメートルの複雑なかたちの構造体を特別なエネルギーを必要とせずに作ることもできるようになるでしょう。私たちは界面活性剤集合体の新たな機能の発掘にも努力しています。これらの研究を通して、医・薬・工等多岐にわたる分野に貢献したいと考えています。近藤 研究室指導教員/近藤 行成 教授[専攻]化学工学 [研究]微粒子合成、新エネルギー、エマルション[テーマ例] 1w/oエマルションを反応場とした高分子微粒子の合成 2高比表面積活性炭担持白金触媒を用いた有機ハイドライドの脱水素反応システムの開発 3超音波場を用いた難生分解性有機物の分解同じ物質からなる微粒子でもそのサイズによって性質・用途が大きく異なることがあり、サイズ制御のためには反応場の制御が大切となります。このように「もの」を作り出すには、材料や反応方法の選択とともに、どのような「場」を利用して合成や分離を行わせるかも非常に重要となってきます。本研究室では、反応や分離を行う場を工夫することで、物質の合成や分離に関する新たな手法を開発することを目的としています。例えば、w/oエマルションと呼ばれる油中に分散した微小液滴や超音波の照射場を反応場とした微粒子の合成、活性炭のミクロ細孔内に担持した白金触媒による脱水素反応システムの開発などを行っています。庄野 研究室指導教員/庄野 厚 教授[専攻]無機化学、固体化学、電気化学 [研究]エネルギー変換、イオン伝導、機能性セラミックス[テーマ例] 1電池用セラミック電解質/電極触媒の開発 2静電式振動発電素子の開発と発電システムの構築 3カーボンナノ構造体・高配向カーボンナノチューブの創製エネルギー問題に対する危機感の広がりとともに、再生可能エネルギーを起源とするクリーンな分散型電源の普及に向けた期待が高まっています。本研究室では、扱う元素とプロセッシング手法の多様性によりあらゆる物性・機能を生み出すことが可能な無機化合物(セラミックス)をベースに、「燃料電池」や「リチウムイオン二次電池」から「振動発電システム」に至る、さまざまなエネルギー変換デバイスにかかわる機能性材料の開発研究を行っています。結晶構造、微構造、高次構造といったさまざまなスケールレベルにおける構造を制御し、原子や電子、イオンの運動性を操ることで、所望の電気化学的機能を生み出してゆくことを目指します。田中 研究室指導教員/田中 優実 准教授[専攻]有機合成化学、高分子合成化学 [研究]重合、不斉合成、分子認識[テーマ例] 1精密合成(高分子合成、不斉合成)を可能にする触媒の開発 2新しい機能性高分子材料の開発 3機能性分子(人工酵素や超分子複合体)の分子設計近年、ナノサイエンスへの期待が高まっていますが、nmサイズにある物質の性質や機能を厳密に制御するには分子サイズのオングストローム領域が重要になります。われわれは、このオングストローム・サイズから物質を自在に生み出す合成化学を中心に化学の諸分野を学び有機化合物を精密に合成する触媒の設計とそれを利用した新規材料(特に高分子材料)の開発を行っています。また、有機合成化学の観点から、資源、エネルギー、環境、材料、バイオの諸課題に取り組もうとする意図から、「生物に学び、生物を超える化学」を標榜し、研究に取り組んでいます。杉本 研究室指導教員/杉本 裕 教授[専攻]機能物質化学、光化学 [研究]エネルギー変換[テーマ例] 1有機-無機複合体を用いた太陽電池の開発(色素増感太陽電池など) 2人工光合成による水素発生 3再生可能エネルギーの活用に関する研究石油、天然ガスなど従来のエネルギー資源に乏しい日本の安定した未来を作るには、再生可能エネルギーの普及は必要不可欠。自然の恵みである太陽光、バイオマス、地熱、風力、水力、そして海洋エネルギーなどのクリーンなエネルギーの活用が求められています。特に自然の光合成は光エネルギーを使った化学反応によって行われています。光合成から学ぶ光化学エネルギー変換を基盤とした太陽電池や人工光合成による太陽光エネルギーの活用技術を研究します。さらに化学の視点で再生可能エネルギーを活用する取り組みを行い、新たなエネルギー変換技術につなげることを目指します。永田 研究室指導教員/永田 衞男 准教授[専攻]生体関連化学、複合材料化学 [研究]ナノハイブリッド材料、生体材料[テーマ例] 1バイオミネラリゼーションに倣った材料開発 2ナノハイブリッド界面作製のための表面修飾法の開発 3生物資源の構造材料としての機能化有機物と無機物とからなるハイブリッド材料は、それぞれの材料の特性が融合することにより優れた機能を発揮します。人工物に限らず、例えば骨もコラーゲンとアパタイトがナノレベルで複合化したハイブリッドです。本研究室では生物の骨形成過程を模倣したプロセスや、溶液からのセラミックス製造法など、環境低負荷な手法によってナノ複合構造をもつハイブリッド材料を開発しています。また豊富な生物資源を有効利用したハイブリッド材料の開発にも取り組んでいます。作製した材料は医用材料や軽量化構造材料としての利用が期待されるため、それらの視点に立った機能評価についても検討しています。橋詰 研究室指導教員/橋詰 峰雄 教授(2017年4月1日現在)工学部電気工学科機械工学科工業化学科情報工学科建築学科48

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