東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)理学部第一部化学科、理学部第二部化学科の研究室にも所属できる場合があります。研究室紹介私たち人間の体も含め、生体はすべて有機分子により構成されています。有機化学の分野では、さまざまな物質が研究の対象として取り上げられ、その成果を基に機能性分子や新薬の開発などが行われています。有機化学系物理化学はあらゆる化学現象とそれに関連した生命現象など多くの現象に理論的な基礎を与えます。これらの現象を原子構造と化学結合や分子構造などの物質の微視的な構造ならびに物質の巨視的な性質である熱力学や状態論から理解します。物理化学系周期表のすべての元素を対象とし、単体および無機化合物の合成、構造、物性、反応などを研究する学問です。本学科では、材料化学、電気化学、考古化学、錯体化学などの分野、エネルギー・環境に関わる応用分野の研究が行われています。無機化学系[専攻]物理化学、コロイド・界面化学 [研究]分子会合体、バイオコロイド、高分子界面、バイオマテリアル[テーマ例] 1生体機能を補助する微粒子の合成と化粧品原料への応用 2高感度な診断・ドラッグデリバリーシステム(DDS)用粒子の合成 33次元培養法の開発と新薬スクリーニング・再生医療への応用ナノスケールでの生体と材料との界面反応を解明し、積極的に生体機能を操作できる物質の創出を本研究室では目指しています。生体物質(細胞・ウイルス・毒素など)と材料との応答機構を明らかにすることによって、生体信号を的確に検知するシステムの構築や、免疫診断・再生医療への応用を目指します。また、大きさや形が制御されたナノサイズの金属・酸化物粒子・分子会合体を合成し、癌をはじめとする難病の検出・治療を可能にする、ドラッグデリバリーシステム(DDS)や高機能化粧品への応用を目指します。大塚 研究室指導教員/大塚 英典 教授[専攻]分析化学、環境科学、放射光科学、考古化学 [研究]文化財科学、鑑識化学、環境化学、物質史[テーマ例] 1物質史解読法の開発と応用 2放射光や可搬型機器を用いたX線分析法の開発と応用 3遺跡出土遺物や博物館資料のその場分析による古代ガラスの東西交易の解明最先端の高感度分析法を使って、物質の微量成分や構成元素の存在状態などを調べることにより、その物質に記録された、起源と履歴の情報(物質史)を明らかにする研究を行っています。例えばメーカーと共同開発したポータブルX線分析装置を使って、世界各地の博物館やエジプトやトルコの遺跡発掘現場で美術・考古試料の分析を行い、物質史を使って文化財科学へ貢献します。また食品の微量成分からその原産地を明らかにし、産地偽装を防止する技術を開発します。物質史情報は環境科学の研究や科学捜査にも有用で、日本全国土砂法科学データベースの開発など、安全で住みよい文化的に豊かな社会の実現に寄与することを目指します。中井 研究室指導教員/中井 泉 教授[専攻]有機化学 [研究]天然物化学、有機合成化学[テーマ例] 1抗がん剤の人工合成 2光学活性な有機化合物の立体選択的合成 3低環境負荷を実現する不斉触媒反応の開発近年の有機合成化学の進歩には目覚ましいものがありますが、最新の技術を駆使してさえなお構造解析ならびにその人工合成が困難な有機化合物も数多く知られています。これらの物質を大量に生産するためにはさらに効率良く各工程の反応を行うことが必要になります。本研究室ではこのような現代の有機化学の背景を踏まえ、テルペン、アルカロイドなどの天然有機化合物あるいは抗菌剤、抗がん剤などの生物活性化合物の立体選択的な全合成研究を主なテーマとしています。椎名 研究室指導教員/椎名 勇 教授[専攻]有機金属化学、合成化学 [研究]遷移金属触媒反応、選択的合成[テーマ例] 1遷移金属錯体を触媒として用いる有機合成反応の開発 2元素の特性を生かした反応の開発および機能性物質の合成 3不活性結合の活性化に基づく環境調和型分子変換プロセスの開拓有機合成化学は、入手容易な小分子からさまざまな機能・物性を持つ高付加価値分子を作り出す手法を開発する研究分野です。私たちの暮らしを豊かにしてくれる物質の多くは、有機合成化学の進歩によってもたらされています。また、現代社会において見過ごすことのできない環境・資源・エネルギー問題の解決にも、有機合成化学の果たすべき役割はますます増大すると考えられます。本研究室では、ライフサイエンスからマテリアルサイエンスまで幅広い分野を対象として、有機合成化学に関するさまざまな課題に取り組んでいます。特に、有機金属化学の立場から新反応の開発、有用物質の創製を目指して研究を展開しています。松田 研究室指導教員/松田 学則 准教授[専攻]化学、無機材料科学 [研究]触媒化学、固体化学、無機光化学、電気化学[テーマ例] 1水から水素を作る光触媒の開発 2二酸化炭素を資源化する光触媒の開発 3硝酸やアンモニアを分解する光触媒の開発地球規模でのエネルギー・環境問題を根本的に解決する化学反応として、光触媒と太陽光を使った水分解によるソーラー水素製造が注目されています。この水の光分解反応では光エネルギーが化学エネルギーに変換されることから、人工光合成と呼ぶことができます。さらに、このソーラー水素と炭素源として二酸化炭素を用いることにより、さまざまな有用な有機物や、化学肥料に使われるアンモニアを合成することができます。本研究室では、この人工光合成の実現に向けて、水の光分解反応に高活性を示す粉末系半導体光触媒材料や光電極の開発を行っています。また、二酸化炭素を資源化する光触媒反応の研究も行っています。工藤 研究室指導教員/工藤 昭彦 教授[専攻]物理化学 [研究]ナノ物質化学、クラスター化学[テーマ例] 1金属ナノクラスターに対する原子精度精密合成技術の確立 2高機能金属ナノクラスターの創製 3金属ナノクラスターの化学触媒、光触媒、太陽電池への応用ナノテクノロジーは、機器やデバイスの小型化、高機能化、高分解能化、高効率化、省エネルギー化を実現し、それにより、材料、エネルギー、環境、情報通信、医療といった分野で多くの問題を解決すると期待されています。そうした技術を飛躍的に進展させるために、ナノスケールの大きさを持つ高機能な物質の創製が切望されています。金属原子が数個から数百個集まった金属ナノクラスターは、そのような高機能ナノ物質として大きな注目を集めています。本研究室では、特異な物性や機能を持つ金属ナノクラスターを生み出すこと、そしてそれらを化学/光触媒や太陽電池などに応用することを目指し、研究を行っています。根岸 研究室指導教員/根岸 雄一 教授[専攻]化学 [研究]有機化学[テーマ例] 1自己複製するアミノ酸の創製 2不斉の起源を用いたアミノ酸合成 3不斉ストレッカー反応の開発生体に関連する代表的なキラル化合物である「アミノ酸」の起源に関する研究に取り組んでいます。キラル化合物とは、右手と左手のように実像と、それを鏡に映した鏡像の関係にある化合物のことです。通常の方法でアミノ酸を化学合成すると、鏡像関係にあるL型とD型が等量含まれた混合物が得られますが、地球上のあらゆる生命はL型アミノ酸のみを利用しています(生命のホモキラリティー)。生命誕生前の地球上でアミノ酸は、「ストレッ力一反応」によって生成したと考えられており、有機合成化学の手法でこの反応に取り組み、L型アミノ酸に見られるホモキラリティーの起源を明らかにしていきます。川﨑 研究室指導教員/川﨑 常臣 准教授[専攻]光化学、物理化学、有機化学、無機化学 [研究]発光材料、セキュリティー材料[テーマ例] 1偏光性を示す有機発光物質の開発 2不斉希土類発光体の合成 3金属イオンを利用した有機物質の会合状態制御有機、無機化合物の発光現象に着目した、新規発光性機能材料の開発に取り組んでいます。偏光性などの特殊な性質を持った光は一部の3Dディスプレイに利用されている他、次世代の光情報技術の基盤となることが期待されています。さまざまな有機、無機化合物を分子レベルでデザインすることで、このような特殊な性質を持った光を自発的に放つ発光材料の創成に取り組んでいます。さらに、これらの発光材料の偏光性を利用したセンサやセキュリティーについても研究を展開しています。湯浅 研究室指導教員/湯浅 順平 講師[専攻]電気化学、無機化学、固体化学 [研究]エネルギー変換材料、化学センサ[テーマ例] 1遷移金属酸化物の合成とインターカレーション機能 2ナトリウムイオン蓄電池およびカリウムイオン蓄電池用電極材料の研究開発 3酵素反応を利用した発電デバイスと電気化学センサ21世紀の環境・エネルギー問題の解決に貢献できる、新物質の創製に取り組んでいます。90年代に実用化された高性能リチウムイオン蓄電池、将来型電池としてナトリウムイオン蓄電池、カリウムイオン蓄電池に注目し、それらの電極物質の合成と充放電(酸化還元)反応に関する基礎研究を行っています。次世代自動車や電力貯蔵技術に応用できるバッテリーを念頭に、高エネルギー・高出力・長寿命特性を示す新しい二次電池および電気化学キャパシタ用材料の応用研究に取り組んでいます。さらに、電気シグナルから物質を選択的に検出する電気化学センサ、酵素反応を発電に利用するバイオ燃料電池などの研究も展開しています。駒場 研究室指導教員/駒場 慎一 教授[専攻]物理化学 [研究]有機材料化学、ナノ物質化学、ソフトマター科学、フォトニクス[テーマ例] 1人工オパールの作製とレーザーや太陽電池への応用 2セルロース誘導体による液晶の発現とフルカラーイメージングへの応用 3無機半導体・ナノ材料の精密合成とオプトエレクトロニクスデバイスへの応用光の世紀といわれる今世紀、光技術は目覚ましい発展を遂げ、発光ダイオード(LED)に代表されるように、光を発する、すなわち発光する材料や光源は、私たちの日常生活に溢れています。特にレーザーは、ある特定の波長を示す単一波長性、光が直線的に進行する指向性などの特長を兼ね備えており、現在の産業や科学技術の分野で広く活躍しています。本研究室では、光と物質の相互作用を考究して、液晶やゲルといったソフトな有機材料を用いた新しいフォトニックデバイスを創り出す研究に取り組んでいます。さらに、原子スケールの無機ナノ材料と有機材料を高度に融合することで、高効率な太陽電池や高輝度なディスプレイなど次世代オプトエレクトロニクスに貢献できる新しい研究領域の開拓を目指しています。古海 研究室指導教員/古海 誓一 准教授[専攻]生物物理化学、構造生物学 [研究]生体高分子、がん、老化、ゲノム[テーマ例] 13本鎖DNA形成による働いてほしくない(例えばがん化した)遺伝子の発現の人工的制御 2テロメア結合タンパク質やテロメラーゼによるテロメア調節機構・細胞がん化老化機構 3疾患への感染しやすさや薬の効きやすさなどの体質を左右する一塩基多型の検出生命の設計図である遺伝情報は染色体上の遺伝子に書き込まれています。遺伝子から作り出されたタンパク質が生命現象で重要な役割を演じています。近年、さまざまな生物で、染色体上の全ての遺伝情報を明らかにするゲノム科学の研究が盛んです。この流れの中で、本研究室では、遺伝子の実体であるDNAや遺伝子から作り出されたタンパク質など生体高分子の3次元構造を明らかにし、生体高分子同士が結合する仕組みを明らかにする研究を行っています。この研究を通じて、精緻に構築されている生命現象の分子機構を明らかにするとともに、生命現象を必要に応じて人工的に制御する方法を生み出し、薬づくりなどに役立てることを目指しています。鳥越 研究室指導教員/鳥越 秀峰 教授理学部第一部応用化学科化学科応用物理学科物理学科応用数学科数学科42

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