東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)研究室紹介[専攻]複雑系科学 [研究]脳神経科学[テーマ例] 1運動の準備・実行過程の神経メカニズム 2視覚認知のゆらぎに影響を与える要因(だまし絵のようなもの) 3あいまいな視覚情報から認知を導きだす脳情報処理われわれは、どのようにして思う通りに手を動かしたり、写真に写った物を理解しているのでしょう。このような脳の謎に対して、私たちは2つの視点から研究を行っています。1つ目は脳を真似る方法です。実際と同様の動きをする神経細胞の数式モデルを構築してプログラムし、コンピュータ上でシミュレーションするのです。この方法で細胞間の相互作用から出現する情報処理の働きが分かります。2つ目は、ヒトを対象とする心理実験を行い、写真を見て理解したり運動しようとする直前に脳内で実際に起こっている神経活動を脳波を計測して分析します。荒木 研究室指導教員/荒木 修 教授[専攻]ソフトマター物理学 [研究]自己組織化、生命現象[テーマ例] 1自発運動する物理化学系 2粘弾性体の示す界面現象 3アクティブマターの秩序形成ソフトマターとはμm程度の構造を持つ柔らかな材料です。このような系は外部の変化にゆっくりと応答するため、非平衡状態が容易に生じます。非平衡の状態では外部からの命令がなくともリズムやパターンが自己組織的に生まれることが知られています。われわれはソフトマターに見られる非平衡現象を主な対象とし、自己組織化現象を理解・応用することを目指しています。さらに同じく柔らかく非平衡な条件を持つ生命現象の物理的側面を理解することを目指しています。住野 研究室指導教員/住野 豊 講師[専攻]磁性物理学 [研究]磁性の観点からの物質の電子状態研究[テーマ例] 1有機物質磁性体における特異電子スピン状態の研究 2特異電子スピン状態近傍で生じる新奇超伝導の研究 3重元素を含む反転対称の破れた無機物質における電流誘起磁性の検出とその応用物質の性質を決める主役は、物質中の電子です。電子は、電荷を持つだけでなく、ミクロな磁石としての性質(電子スピン)も持っています。世の中には、金属・絶縁体・超伝導体・磁性体等、さまざまな物質がありますが、これらの違いを理解し、新たな機能性物質を開発するためには、物質中においてこの電子スピンがどのように振る舞っているかを調べることが重要です。本研究室では「核磁気共鳴」という実験手法を中心にして、有機物から無機物まで、さまざまな物質中の電子スピン状態の解明に取り組みます。伊藤 研究室指導教員/伊藤 哲明 准教授[専攻]凝縮系物性理論 [研究]高温超伝導、量子磁性、非平衡量子現象[テーマ例] 1銅酸化物や鉄ニクタイド化合物の高温超伝導の機構解明 2フラストレートした量子磁性体の新奇量子現象 3相互作用が強い電子系での非平衡量子現象原子や分子などのミクロな世界は、私たちの手にすることのできるマクロな世界とは違った法則、量子力学に支配されています。このミクロな法則の下では、多数の分子や原子が集まることで、単独の分子や原子の性質からは想像できないほど多彩で豊富な量子現象が現れます。電気抵抗がゼロとなる超伝導現象はその代表例です。本研究室では、新しい量子現象をマクロな世界に引き出すことを目的に、最先端のトピックスの理論研究を理論物理学的手法とスーパーコンピュータを駆使した計算物理学的手法を組み合わせながら行っています。遠山 研究室指導教員/遠山 貴巳 教授[専攻]半導体デバイス [研究]機能性酸化物、特にメモリ機能を持つ材料及びデバイスの研究開発[テーマ例] 1抵抗変化型メモリ 2固液融合デバイス 3次世代拡散デバイスの性能評価手法の確立私たちはパソコンやスマートフォンを始め、身の回りのあらゆる機器を通じて常に情報に囲まれながら生活しています。情報を電子データとして記憶し、高速で処理する重要な役割を担うのがメモリ素子です。加速度的に情報量が増え続ける現代社会を支えるため、メモリ素子の超高性能・高密度化への要求は高まるばかりです。本研究室では、物理学の知識を武器に、人類の叡智を共有し、後世に残すため、日々この課題に挑んでいます。木下 研究室指導教員/木下 健太郎 准教授[専攻]酸化物材料物性 [研究]酸化物半導体、ナノイオニクス[テーマ例] 1酸化物超イオン伝導体膜を用いた固体酸化物燃料電池の開発 2電子-イオン混合伝導体を用いた脳型メモリー素子の研究 3酸化還元反応に基づく全固体ナノイオニクス磁性デバイスの開発酸化物半導体をナノ構造化することにより、薄膜特有の特異なイオン伝導性を示します。このイオン伝導機構を電気・光学的手法により研究するとともに、中高温域で作動する高効率な固体酸化物燃料電池を開発しています。また、酸化物半導体が持つ電子-イオン混合伝導性を生かした脳型メモリー素子、酸化還元反応に基づく全固体ナノイオニクスデバイス(磁気メモリー素子や抵抗変化メモリー素子)の開発も行っています。樋口 研究室指導教員/樋口 透 講師[専攻]情報・エネルギー素子科学 [研究]機能性薄膜材料、ナノデバイス[テーマ例] 1電子・イオンビームを用いたナノ構造体の作製と光学デバイスへの応用 2高分子圧電体膜の物性評価と振動発電素子への応用 3強誘電体薄膜の作製と不揮発性メモリーへの応用本研究室では、物質の持つ「機能」に着目し、その機能を応用した新しい情報・エネルギーデバイスの創成を目指しています。機能発現の原理を理解して材料の性能向上に努めるとともに、作製プロセス、素子構造や応用について幅広く研究を行います。最先端テクノロジーや新材料を積極的に活用し、光を自在に制御する高機能光デバイス、振動から電気エネルギーを生み出す高分子発電素子、高速に書き換え可能で電源がなくても情報を保持し得る強誘電体薄膜メモリーなどについて研究を行います。岡村・中嶋 研究室指導教員/岡村 総一郎 教授中嶋 宇史 講師[専攻]凝縮系物性実験 [研究]超伝導物性、結晶成長[テーマ例] 1銅酸化物および鉄系超伝導体の結晶育成およびトンネル分光研究 2新規機能性遷移金属酸化物(含:新規超伝導体)の探索 3電気二重層型トランジスタを利用した絶縁物質の超伝導化に関する研究本研究室では、超伝導材料を中心とした材料の単結晶育成および低温物性実験、新機能性材料の探索、低温物性測定装置の開発をキーワードとして研究を行っており、究極の目標として「室温超伝導体の発見」を目指しています。アプローチとしては、①高温超伝導体の超伝導機構に関する物性研究、②経験的に知られている特長を基に類似物質における新超伝導体探索、③薄膜により基板の効果を取り入れた非平衡物質合成による新材料探索、④電界効果を利用したキャリアドーピングによる新奇物性・新材料の探索研究を行っています。宮川 研究室指導教員/宮川 宣明 教授[専攻]固体物性 [研究]誘電体、相転移[テーマ例] 1水素結合型結晶の相転移 2強誘電性の発生機構 3強弾性相転移の研究本研究室では、主に水素結合型結晶の相転移の研究を行っています。相転移というのは、例えば、水から氷のように状態が変化することです。水は水素結合のために他の物質に見られない特異な挙動を示します。水以外の水素結合を持つ結晶でも特異な現象を引き起こします。水素結合は比較的弱い結合であり、周りの環境で敏感に影響を受けます。そのために、水素結合型結晶の温度や圧力などの外部条件を変えることにより結晶構造が変化する相転移が見られます。水素の運動に関係し、多くの興味深い相転移現象が観測されます。小向得 研究室指導教員/小向得 優 教授[専攻]光物性物理 [研究]レーザー分光、半導体ナノ構造[テーマ例] 1半導体ナノ微粒子集合系から生じる超短パルス発光 2光照射による過渡的な磁性制御 3中赤外分光による半導体光学応答本研究室では、光と物質の相互作用の観点から、さまざまな物質やその構造から生じる電子励起状態やスピンのダイナミクスを明らかにすること、そして物質構造が持つ光機能性(光学非線形性、超高速応答、光誘起磁化など)の探究や新奇な光学現象の創成と制御を目指した研究を行っています。例えば、半導体ナノ微粒子中での励起子間相互作用や励起状態の研究、高密度なナノ微粒子集合系が光を介して相互作用することで協同的に発光する「超蛍光」の創成とその制御の研究を行っています。宮島 研究室指導教員/宮島 顕祐 准教授[専攻]物質の物理学 [研究]機能性酸化物の中の電子の物理学[テーマ例] 1熱電材料、触媒、電池電極となるCo酸化物および関連物質の電子状態と磁性の研究 2超巨大磁気抵抗を示すMn酸化物の電子状態の研究 3「はやぶさ」等の宇宙探査機に搭載するための、放射率可変放熱素子用材料の研究開発周期表上のTi-Cuは遷移金属と呼ばれ、不思議でかつ応用上も重要な性質を示します。例えばTi酸化物はビル外壁等での光触媒、Co酸化物はスマホ等の電池の電極材料です。このような性質(物性)は物質中の電子の運動で決定されます。本研究室では、光電効果によって物質中の電子を直接取り出す「光電子分光法」という実験法を用い、遷移金属酸化物中の電子の振る舞い(電子状態)を解明する基礎物理学的研究と、その結果を応用に発展させるための機能性物質のデザインの研究に取り組んでいます。齋藤 研究室指導教員/齋藤 智彦 教授現代物理の根幹となっている量子力学をベースに、物質内での電子の振る舞いやさまざまな物質の性質を研究する学問領域です。高温超伝導のメカニズム、電子のスピンダイナミクス、量子液体の性質について学びます。量子物理系物理現象を利用して、エネルギーの創成・貯蓄や情報の処理・記憶を行う新しいデバイスについて研究する学問領域です。半導体による光エネルギー変換、圧電体による振動・衝撃の電気への変換、強誘電体を使った情報記憶、イオン伝導体を使ったエネルギー貯蓄について学びます。先端デバイス物理系さまざまな現象やシステムに対し、物理的・数学的モデルを構築することで、その挙動の裏に潜むメカニズムを明らかにしたり、振る舞いを予測したりする学問領域です。神経細胞の集合体である脳の動き、物質の状態が一気に変わる相転移、人間や動物の集団行動といった現象を扱います。数理・統計物理系理学部第一部応用化学科化学科応用物理学科物理学科応用数学科数学科40

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