東京理科大学 大学案内2018
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(2017年4月1日現在)理学部第一部応用化学科、理学部第二部化学科の研究室にも所属できる場合があります。研究室紹介有機化学は有機化合物のさまざまな性質やその合成法について研究する学問分野です。有機化合物には炭素原子が含まれており、いくつもの炭素原子が結合することにより複雑な構造を持った化合物が得られます。生体を構成する分子や、医薬品などの重要な化合物の多くも有機化合物です。有機化学系物質はどんな構造をしていて、どんな性質を持ち、どんな反応をするのだろう?工夫を凝らした実験と解析を通じて、このような疑問に対して解答を見いだしていくのが物理化学の醍醐味です。これまで誰も見ることのできなかった物質の世界に飛び込んでみませんか?物理化学系無機化学は周期表にある全元素を取り扱いますが、金属元素を中心に研究する学問分野です。特に“錯体”は同じ金属元素でも有機物の衣(配位子)を変えることで金属の性格を変えることができます。きれいな色を楽しみながら、分子配列を変えたり、触媒活性や機能性を持つ新しい化合物の世界を開拓します。無機化学系主に高等学校で使う化学実験を開発しています。自分の作った実験で授業をしませんか?化学教育系[専攻]化学教育 [研究]化学実験教材の開発[テーマ例] 1キチンやキトサンに担持した金属化合物を使った実験の開発 2汎用医薬品を合成する実験の開発 3油脂を素材にする実験の開発本研究室では、主に高等学校の授業で使う化学実験の開発を行っています。高等学校の化学実験には、濃硫酸のような「危ない」薬品を使ったり、多量の重金属イオンを含む廃液が出たりするものが多くあり、実験が学校で敬遠される理由の一つになっています。私たちは、危険な薬品の使用を避けた安全でクリーンな実験や、注目されている面白い素材を使った実験を開発して、教育の現場に提供していきたいと考えています。「安全と環境に配慮した実験教材の開発」、これが私たちのテーマです。井上 研究室 (化学実験学)指導教員/井上 正之 教授[専攻]有機化学 [研究]超分子化学、構造有機化学[テーマ例] 1アロステリック会合を利用した情報増幅、高効率分子変換、自己増幅分子の開発 2イミン結合の動的共有結合性を利用したロタキサン分子など動的システムの開発 3共有結合性かご状分子および水素結合性格子構造の構築とその内部空間の化学有機分子の中には、外部刺激に応じて形や運動性、色などを変える分子スイッチや分子マシン、ひとりでに規則正しい構造に組み上がる自己集合性分子、特定の分子を選んで捕まえるレセプター分子など、さまざまな物性を持った機能性分子が存在します。有機化学の力を使うと、多様な構造や物性を持つ化合物を独自に設計・合成することが可能になります。誰も作ったことのない未知の構造を作り出すことで、これまでにない新しい物性・機能性を持つ分子を開発(発見)し、新しい科学を切り拓いていきたいと考えています。河合 研究室 (構造有機化学)指導教員/河合 英敏 准教授[専攻]有機化学 [研究]有機合成反応、分子触媒の開発、元素戦略[テーマ例] 1複数の金属原子を有する分子触媒の開発 2立体選択的な炭素̶炭素結合形成反応の開発 3新規錯体触媒と有機合成反応の開発有機分子は、生命の制御だけではなく、有機ELや有機太陽光発電などの有用材料の発展に貢献する、柔軟性のある重要な物質の1つです。本研究室では、それら有機分子を駆使して、原子と原子の相互作用を活用する新しい機能の創製に取り組んでいます。従来は「原子の個性」を引き出す研究に注目が集まっていましたが、現在では「原子の個性」という制約に逆に縛られるようになりました。その個性にはない機能を、有機分子を用いて原子と原子の相互作用で実現することが目的です。遠藤 研究室 (有機反応化学)指導教員/遠藤 恆平 准教授[専攻]生物化学 [研究]タンパク質による細胞機能制御[テーマ例] 1卵胞発育を制御する細胞間情報伝達機構 2血管新生を調節するさまざまな因子の相互作用 3サイログロブリンによる甲状腺機能の調節機構すべての多細胞生物の生命活動は、さまざまな機能を持つ細胞が協調的に働き互いに制御し合うことで成り立っています。その際に必要となるのが細胞間コミュニケーションです。細胞は、近くにあるもの同士だけではなく離れた場所にある場合も、多様な手段を用いてコミュニケーションを図っています。私たちの研究の目的は、そのような細胞間コミュニケーションに関わる新しいタンパク質を発見し、それがどのような方法で情報を伝達するのかを解明するとともに、生命活動維持に対する意義を明らかにすることです。下仲 研究室 (生物化学)指導教員/下仲 基之 准教授[専攻]無機化学 [研究]物性化学、錯体化学[テーマ例] 1磁性元素希釈による磁気構造制御 2分子分極の振動に連動する電荷移動制御 3光異性化分子のスイッチングによる磁性制御さまざまな機能性物質開発のためには、物質合成、物理的・化学的な性質の測定、得られたデータの解釈に基づく、さらなる物質開発へのフィードバックというプロセスが重要になります。特に物質の性質を決めるのに重要な役割を果たす“電子”の働きに注目して、さまざまな金属原子や有機配位子を用いて錯体などの分子集合体を構築し、集合体になることで単独のパーツでは現れない、磁性、伝導性、光物性、熱物性などが複雑に絡み合う、新たな物理的性質を持つ物質の開発を目指して研究を行っています。榎本 研究室 (錯体化学・物性化学)指導教員/榎本 真哉 講師[専攻]有機化学、有機金属化学 [研究]反応有機化学、超分子化学[テーマ例] 1新しい中員環構築反応の開発とその応用 2新規インターロック分子の合成 ―新しいナノサイエンス― 3高周期元素の特性を持つ遷移金属錯体の合成と反応性の解明7-9個の原子からなる環状の有機化合物(中員環化合物)は医薬品等によく見られる構造ですが、その合成は比較的困難です。本研究室ではこうした中員環化合物が簡単に合成できる新しい、環境に優しい(環境に対する負荷の少ない)反応を発見し、その応用について研究しています。また、インターロック化合物と呼ばれる、結合で結び付いていないユニークな構造を持った分子の合成やその物性について検討しています。さらに、金属触媒を用いる新反応についても研究を行っています。斎藤 研究室 (有機合成化学)指導教員/斎藤 慎一 教授[専攻]無機化学 [研究]超分子錯体化学、分子機能化学[テーマ例] 1分子性ナノ細孔に閉じ込められた巨大水クラスターの科学 2陽子─電子連動型錯体素子 3新規有機─無機分子性導体 4光─メカニカル・エネルギー変換 5人工メタンハイドレート生物を作っているタンパク質や超分子化合物のような、自然に組み上がる性質を持つ分子を研究対象にしています。分子の持つ弱い水素結合や配位結合を使って、分子集積体のつながり方を制御し、ユニークな構造を持つ役立つ分子や結晶を作っています。例えば陽子と電子は結合すると原子になりますが、別々に動かすと分子のレベルで動かすスイッチになります。そして、これが集合体になると特殊な力を発揮して、生物に近い機能性が現れてきます。常温常圧で安定化された人工メタンハイドレートなど、水の関わる科学などを行っています。田所 研究室 (錯体化学・超分子化学)指導教員/田所 誠 教授[専攻]物理化学・光化学 [研究]分子の励起状態における反応過程[テーマ例] 1レーザー分光による高励起状態のダイナミクス 2赤外自由電子レーザーによる新しい光科学領域の開拓分子が光を吸収してエネルギーの高い状態(これを励起状態といいます)になると、分子は光を放出したり、結合が切れたりと実に多様な挙動を示します。励起状態における分子の振る舞いは、物質とその変化を取り扱う化学において最も重要な研究領域の一つです。人工光源であるレーザー光をうまく利用すると、このような目で見ることのできないさまざまな事象を詳細に知ることができます。われわれはレーザーを化学の研究に持ち込み、励起状態における分子の不思議を理解することを目的としています。築山 研究室 (分子分光学)指導教員/築山 光一 教授[専攻]無機化学 [研究]錯体化学、分析化学、界面化学[テーマ例] 1走査トンネル顕微鏡による分子配列の観察 2長鎖アルキル鎖による分子配列構造の形成 3機能性金属錯体の分子結晶の育成と構造解析金属イオンと有機物が化合した金属錯体や色素分子は構造が多様で、電気伝導性、磁性、発色などが特徴的です。これらの分子をアルキル基などを用いて巧みに並べ、新しい機能を持った材料を開発しています。分子の配列構造は複雑で、その微細構造(ナノ構造)は未解明のものも多くあります。そこで、構築したナノ構造を走査トンネル顕微鏡で直接観察したり、X線を使って解析したりしています。宮村 研究室 (錯体化学・分析化学)指導教員/宮村 一夫 教授[専攻]物理化学、分析化学 [研究]分光計測、溶液化学、コロイド・界面科学[テーマ例] 1局所空間の水、水中における脂質分子、多糖類、タンパク質の自己集合体の形成と機能の計測 2極短パルスレーザーと顕微鏡を組み合わせた非線形レーザー分光顕微鏡の開発 3レーザー光の特性を応用した水を含むようなソフトマテリアルや生体膜のレオロジーや深さ方向の非破壊顕微計測法の開発物質表面や内部のナノメートルスケールの空間に存在する水は、自然界に普遍的に見られます。このような水は物質の性質や機能に大きな影響を及ぼしており、とりわけ生命はこのような水の構造や性質を巧みに利用して、その活動を維持しています。しかし局所空間における極微量の水の構造や物性を計測するのは一般に難しく、まだ分かっていないことが多く残されています。われわれは局所空間の水の構造や物性を計測できる新しい手法や計測装置を開拓し、局所空間の水の本質に迫ります。由井 研究室 (分光分析化学)指導教員/由井 宏治 教授[専攻]物理化学、表面化学 [研究]表面光物理化学[テーマ例] 担持金属ナノ粒子モデル触媒系における分子の吸着状態と光化学反応の解明宇宙空間のような超高真空環境をつくれる実験装置中で、ナノテクノロジーにより固体触媒のモデル系をつくり、表面分析技術とレーザー技術を用いて、触媒の働く仕組みを原子・分子レベルで調べています。また、大気下での金属ナノ粒子のプラズモン共鳴現象を利用した光化学反応場の構築も行っています。渡辺 研究室 (表面光化学)指導教員/渡辺 量朗 准教授理学部第一部応用化学科化学科応用物理学科物理学科応用数学科数学科36

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