東京理科大学 大学案内2018
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研究室紹介解析学はアルキメデスにその片りんが見られますが、17世紀の微分積分学の誕生以来本格的に発展しました。現在では、微分積分を普通の関数よりも広い対象にまで拡張して、さまざまな問題の解決に取り組んでいます。解析学系代数学では、ベクトル空間、群、環、体など、何らかの演算が与えられている集合の性質を調べます。代数学はいろんな数学の“言葉”であるともいえます。例えば、定規とコンパスで角の3等分はできないことや、ボールと浮き輪が異なるといったことも代数を用いて厳密に記述することができます。代数学系幾何学はある変換族によって不変な図形の性質を調べるクラインの幾何に始まり、その後、一般相対性理論と融合してリーマン幾何学、ローレンツ幾何学、さらにシンプレクティック幾何学に発展しました。幾何学系ユークリッド空間の点と点同士が近いか遠いかという概念は距離を用いて記述でき、これによって写像の連続性が議論できます。このような概念を一般化したものが位相空間論です。また、位相幾何学では、連続変形で不変な図形の持つ性質を調べます。位相数学系一見無秩序な現象でも、何度も起こると規則性が現れることがあり、これは調査や予測に生かせます。またブラウン運動のように無秩序な力が絶えず加わる運動は、方程式から法則性を解明できます。確率論・統計学系離散数学の中のグラフ理論や離散幾何などを扱います。広く工学的な応用がなされている分野ですが、純粋数学的なアプローチで研究をしていきます。また、基本的には予備知識が必要ないことから、中学生や高校生にも理解させることが可能です。このメリットを生かして教育の中に離散数学を効果的に導入する方法なども考えます。離散数学系数学教員になるには、まず深い数学の理解が重要です。新鮮な数学的成果を教育の場で反映させるためには、教員が自ら数学研究を続けなければなりません。数学教育の実践的手法を学ぶ一方で、数学研究を生涯続けていく土台作りを目指します。教育数学系[専攻]解析学 [研究]偏微分方程式論[テーマ例] 1滑らかでない領域における偏微分方程式の解の性質 2非破壊検査に関わる逆問題 3地震学における特異型積分方程式の解の構成身の回りで起きているさまざまな現象(自然現象など)の数学解析が本研究室のテーマです。現象を数学的に記述しようとすると多くの場合、微分方程式が現れます。その微分方程式を解析することにより、現象を理解・解明したいと考えています。特に、固体材料に関する現象(地震、破壊現象など)の数学解析とその応用として材料の安全性を調べる非破壊検査に関わる逆問題について研究しています。ゼミでは極力、学生の興味に応じてテーマを設定し、微分方程式の物理的背景やそれを解くための基礎理論を研究します。伊藤 研究室指導教員/伊藤 弘道 講師[専攻]関数解析学 [研究]作用素論[テーマ例] 1ヒルベルト空間上の作用素について関数解析学では個々の関数について調べるというよりも、関数の集まりの空間(関数空間の上での作用)について研究します。微分や積分も関数空間上での作用素として捉えることができます。さまざまな作用素の中で最も扱いやすいものとして正規作用素がありますが、それを基本として、さらに一般的な作用素について研究します。齊藤 研究室指導教員/齊藤 功 准教授[専攻]離散数学 [研究]グラフ理論[テーマ例] 1グラフの因子グラフ理論は有限集合の2元部分集合について研究する離散数学の1分野です。「どんな地図でも4色以下で塗り分けることができる」という四色定理はグラフ理論の有名な定理の一つです。本研究室では、グラフ理論の中の因子論、特に正則因子が存在するための十分条件について研究しています。小谷 研究室指導教員/小谷 佳子 准教授[専攻]数理物理学、幾何学、教育数学 [研究]場の理論・ゲージ理論[テーマ例] 1ゲージ理論、弦理論の微分幾何学 2ゲージ理論、弦理論を用いた位相幾何学 3数学教育法すべての基礎物理理論は、ゲージ理論という微分幾何学の理論で記述されます。数学と物理は車の両輪のように互いに発展し、一般相対性理論とリーマン幾何学のような成功例もあれば、場の量子論のように数学的定式化を拒み続けている例もあります。本研究室では、場の理論や弦理論といった物理理論の数学的な側面や、新しい数学の可能性について研究しています。また数学教育の研究も行っており、数学的側面からのアプローチも試みています。教育方法から、教育を数学的に考察するなど発想は自由です。佐古 研究室指導教員/佐古 彰史 准教授[専攻]代数学、位相幾何学 [研究]組み合わせ群論、群のコホモロジー論[テーマ例] 1ねじれ係数コホモロジー群の構造 2Johnson準同型写像の余核 3自由群のSL(m,C)表現環の構造本研究室では、「自由群の自己同型群」や「曲面の写像類群」と呼ばれる群(群とは、掛け算や足し算などの演算を持つ集合のことです)の構造を研究しています。位相幾何学では、直感的な幾何学的現象を厳密に数式で記述するために、かなり高度な代数学を用います。本研究室は、基本群やホモロジー群とよばれる道具(この「道具」を理解するだけでも数年は要するでしょう)を用いて、写像類群の代数的な構造を調べています。佐藤 研究室指導教員/佐藤 隆夫 准教授[専攻]統計学 [研究]統計学、確率過程[テーマ例] 1医薬データ解析 2時系列解析 3Mathematicaによる数理科学 4SASによるデータ解析 5応用確率論(1)時間とともに移り変わる確率現象の数理モデルとその推測法の研究 (2)臨床試験など医学統計分野におけるデータ解析 (3)コンピュータによるパターン認識の統計的方法とその応用。宮岡 研究室指導教員/宮岡 悦良 教授[専攻]微分幾何学 [研究]等質空間論[テーマ例] 1非コンパクト実半単純リー代数のルート系理論に基づく分類理論の構築 2擬エルミート対称空間のジーゲル領域としての実現問題 3半単純リー代数の対合的自己同型写像の分類問題リー代数や群を用いて空間の性質を調べています。ベクトルや行列の学習を少し進めるとリー代数や群(と呼ばれるもの)に出合います。空間とは一般に曲がったものなので、それがリー代数や群とは無関係だと思われそうですが、実はそうではありません。例えば、交代行列から球面の諸性質が導き出されます。坊向 研究室指導教員/坊向 伸隆 講師[専攻]幾何学 [研究]シンプレクティック幾何学、非可換幾何学[テーマ例] 1シンプレクティック多様体上の変形量子化 2シンプレクティック幾何学・非可換幾何学 3変形量子化による非可換代数、非可換幾何学の研究力学では、点の運動は位置と運動量を用いて記述します。このように位置と運動量を用いて描かれる力学の空間を相空間といいます。相空間を数学的に一般化したものがシンプレクティック多様体と呼ばれるもので、その幾何学的な性質を調べる分野がシンプレクティック幾何学です。また、原子の大きさほどに小さな世界では、通常の力学の代わりに量子力学が用いられますが、同じようにシンプレクティック多様体に対しても、量子力学に対応する数学の議論が可能になります。これを行うアイデアが変形量子化と呼ばれる方法です。本研究室では、シンプレクティック幾何学とそれに関連する幾何構造の研究、そして変形量子化により得られる非可換代数について研究しています。吉岡 研究室指導教員/吉岡 朗 教授(2017年4月1日現在)理学部第二部化学科物理学科数学科106

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