東京理科大学 大学案内2018
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金融における取引データ、マーケティングにおけるビッグデータなど、近年、経営・経済分野において利用可能なデータが飛躍的に増大しています。このようなデータの増大・整備は、コンピュータ処理能力の向上とも相まって、社会科学を高度に実証的な学問に変えつつあります。この領域では、人工知能、機械学習、計量経済学、コンピューテーショナル・エコノミクスなど高度な分析手法を駆使して、ビジネスに生かせる予測や知識発見について学びます。データ解析領域人々の社会関係を記述するゲーム理論と、人々の意思決定を解明する脳科学・心理学的手法は、経済学のみならず、今や社会科学全般に共通する重要な支柱になっています。この領域では、意思決定科学の基幹となるこれら2つの枠組みを中心に、消費者行動、経営組織、市場における競争戦略など、ビジネスにまつわる諸問題を理論的に分析する方法を学びます。経済理論領域経営・経済における意思決定の本質は不確実性にあるといえます。近年、この不確実性をマネジメントする理論的フレームが大幅に発展し、それに対応して実証的手法が整備されています。この領域では、ファイナンス、金融工学、金融計量経済学等を学ぶことによって、ビジネスで直面する不確実性にいかに対応するかを学びます。ファイナンス領域[専攻]ミクロ経済学、経営科学 [研究]ゲーム理論、産業組織論、メカニズムデザイン[テーマ例] 1技術ライセンスの最適契約問題 2戦略的行動下での集団的選択ルールとその性質 3最適ネットワーク構築と公平な費用配分経営・経済に関わる意思決定問題に対して数理モデルを用いて分析します。特に、ゲーム理論、ミクロ経済学、経営科学の方法論によるアプローチで各問題の解決や解明を行います。個人、企業や組織の意思決定だけではなく、集団的な決定の在り方やルール・制度に関しても分析の対象です。より具体的には、店舗等の最適立地、最適課金・価格戦略、企業の契約問題、公平な費用分担法などを考えます。梅澤 研究室指導教員/梅澤 正史 教授[専攻]理論経済学 [研究]意思決定論、行動・神経経済学[テーマ例] 1意思決定論 2行動経済学・神経経済学 3消費者行動本研究室では、人々の意思決定とその市場への影響について研究しています。理論的な分析に加え、心理学や脳神経科学を応用した実験的なアプローチによる分析を行います。例えば、金融資産市場において、人々の意思決定が市場の価格形成にどのように影響するのかであるとか、消費者がどのように購入する商品を選ぶのか、あるいは人々の協力行動がどのように形成され維持されるのかといった問題について、理論的にモデル化し、実験データや現実の市場データを用いて検証します。下川 研究室指導教員/下川 哲矢 教授[専攻]人工知能・データ科学 [研究]データマイニング・機械学習[テーマ例] 1拡張ペアワイズ比較モデルによる購買行動モデルの学習 2クラス偏向を持つ訓練データからの深層学習 3転移学習手法に基づく層別購買傾向の比較分析データマイニングは統計的・数理的手法を駆使して大量のデータから興味深い情報を抽出す る方法です。また、機械学習は問題解決に利用できる知識やモデルを多くの情報から学習する方法です。卒業研究として実用的な問題解決や意思決定のためにこのような手法の設計 や改良に取り組んでもらいます。そのためにまず、理論的な基礎を習得した上で実データや 興味のあるテーマについてモデル化・アルゴリズム設計・実験的な検証等を行います。安藤 研究室指導教員/安藤 晋 准教授[専攻]数理最適化、経営科学/オペレーションズ・リサーチ [研究]大域最適化とその応用、生産性の経済分析、金融工学の最適化問題[テーマ例] 1経営科学と最適化問題(例:最小ノルム点、分数和計画など) 2経営応用問題(生産性分析、人工知能や最適化モデルなどによる株価の予測) 3人工知能やデータサイエンスにおける最適化何らかの条件の下で関数の最大値や最小値を求める問題を数理計画問題といいます。ビジネスおよび経営のさまざまな問題を数理的に捉えて論理的に考察し、モデル化をし、最適化問題として解くことにより、制約のある状況のもとに最善の答えを求め、意識決定を支援します。施 研究室指導教員/施 建明 教授[専攻]金融工学、統計学 [研究]計量ファイナンス[テーマ例] 1金利期間構造モデルの推定 2可変パラメータモデルの推定 3心理的バイアスを考慮した最適分配モデルオプション価格モデルや金利期間構造モデルのように、連続時間の時系列モデルに基づいて導かれるモデルが実務でも用いられています。こうしたモデルを実用化するには、モデルのパラメータを実データから推定することが必要です。しかし、モデルは連続時間で表現されていますが、実データは日次、週次、月次などの離散時間的なデータです。この両者のギャップを埋め、連続時間のモデルを推定する方法を開発し、同時に、推定されたモデルを用いて実用上のさまざまな問題を解決する方法も開発しています。庄司 研究室指導教員/庄司 功 教授[専攻]応用経済学 [研究]応用計量経済学、マクロ経済学[テーマ例] 1経済予測の評価 2予測者の群衆行動分析 3財政の維持可能性計量経済学の手法に基づいて、マクロ経済に関する予測特性を分析します。経済理論との整合性を検証し、政策への影響を導きます。さまざまな経済主体、機関から発表される経済予測の有効な活用方法についても検証を行っています。予測に加えて、従来研究対象とされることの少なかったデータを、経済学の視点から分析します。土屋 研究室指導教員/土屋 陽一 講師[専攻]計量経済学、時系列分析 [研究]ベイズ的方法による経済・経営データ分析[テーマ例] 1原油価格変動を考慮した失業と経済成長のベイズ統計分析 2ベイズ型統計モデルに基づく経済成長の要因分析法とその応用 3少子高齢化社会におけるイノベーション政策と持続的成長計量経済学とは、経済理論に基づいてモデルを作り、統計学的な手法を駆使して現実のさまざまな問題にアプローチする学問です。本研究室では、計量経済学や多変量解析の手法に基づき、経済・経営の幅広い問題の研究に取り組んでいます。学部生の卒業研究テーマの例としては、ワークライフバランスと生活満足度の実証研究、セイバーメトリクスによるプロ野球日本代表メンバーの選出、Jリーグのスタジアム満足度に関するクラスター分析などが挙げられます。野田 研究室指導教員/野田 英雄 准教授[専攻]計量経済学 [研究]理論計量経済学、応用ミクロ計量経済学[テーマ例] 1操作変数を用いた内生的分位点回帰モデルの推定 2不完備情報下での社会的相互作用の計量経済分析 3不動産データを用いた自然災害リスクの経済評価計量経済学に関して、特に個人や企業を単位とするミクロ計量経済学の理論研究および実証分析に取り組んでいます。最近の研究テーマは、データの生成過程における内生性への対処、主体間の相互関連性(ネットワーク)を考慮した計量経済モデルの開発などです。また、市場取引がなく、価格がついていない財(例えば、環境の質など)を経済的に評価する方法についても研究関心を持っています。星野 研究室指導教員/星野 匡郎 講師[専攻]計量経済学・医療経済学 [研究]高齢者介護の経済分析[テーマ例] 1介護産業におけるエージェンシー問題の実証分析 2機械学習手法による介護レセプトビッグデータの分析 3介護施設効率性の日独比較ベイズ統計・機械学習などのデータサイエンス手法を応用し、応用ミクロ経済学分野の広範な実証分析を行っています。近年では特に、日本の高齢化介護について、医療経済学・労働経済学・産業組織論などの視点を取り入れ、多角的な経済分析を行っています。菅原 研究室指導教員/菅原 慎矢 講師[専攻]応用統計学 [研究]統計的データ解析[テーマ例] 1統計的データ解析手法を用いた現実問題の解決 2既存解析手法の比較および改良 3新しい解析手法の開発 4解析システムの構築私たちが何らかの意思決定をしなければいけない場面に遭遇したとき、その決定に必要不可欠なデータが十分にそろっているということはまずありません。一部分のデータから全体像を推測し、できるだけ誤りの少ない決定を行うために役に立つ道具の一つが統計的データ解析法です。しかし、まだまだ統計的データ解析法は発展途上です。本研究室では、既存の統計的データ解析手法の改良や新しい解析手法の開発および現実問題への適用に取り組んでいます。野澤 研究室指導教員/野澤 昌弘 准教授[専攻]応用ミクロ経済学 [研究]都市・地域経済学、進化ゲーム理論[テーマ例] 1都市・地域政策が経済主体の立地に与える影響とそれらを考慮した政策評価 2進化ゲーム理論を用いた都市・地域経済モデルの均衡の安定性解析 3空間データを用いた社会経済ネットワークの分析交通混雑をはじめとする都市問題の解決には、住宅市場などのマーケットがうまく機能しているかどうかという経済学的な視点が重要です。また、都市に関わる現象や問題は家計や企業の立地選択に起因するものであり、戦略的な意思決定を分析するゲーム理論が有効な分析ツールになります。本研究室では、経済学やゲーム理論を用いて、幅広く都市に関わる現象や問題を研究しています。藤嶋 研究室指導教員/藤嶋 翔太 講師[専攻]経営科学 [研究]ゲーム理論、意思決定と情報[テーマ例] 1新技術の開発と特許のライセンス 2企業における囚人のジレンマ的状況とその解決 3企業、社会における投票による意思決定制度の設計ライバル企業に勝つにはどうしたらよいのか、系列企業との協力関係はどうしたら築けるのか、企業内の各部門の運営はどうしたらうまくいくのか、企業と社会との関わりはどう考えたらよいのか。本研究室では、このような企業経営をめぐるさまざまな問題を「数式」と「データ」によって捉え、「ゲーム理論」を用いて分析します。用いる数学は「+-×÷」で十分です。「言葉」による表現や分析だけでは分からなかったものが見えるようになり、より深い洞察に到達できることに驚くことでしょう。一緒に”Game Theory World”を楽しみませんか!武藤 研究室指導教員/武藤 滋夫 教授研究室紹介(2017年4月1日現在)経営学部ビジネスエコノミクス学科経営学科100

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