東京工科大学 大学案内2017
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機能性RNA工学研究室中込 篤志 さん森永乳業株式会社2016年3月東京工科大学大学院 バイオニクス専攻修士課程修了横浜高校出身(神奈川県)がんの化学療法で抗がん剤として用いられる化合物は、ときに深刻な副作用を引き起こしたり、継続使用によってがん細胞の耐性が高まり薬が効きにくくなったりすることがあります。そこで、このような問題が生じない、生体内にある物質を利用した薬品を開発する研究が世界中で進められています。私が所属する機能性RNA工学研究室でも、細胞内にあるDNAとよく似た物質であるRNAを用いた抗がん剤開発につながる研究を推進しています。これはRNAが特定の遺伝子を働かなくする現象を利用するもので、現在、がん細胞の分裂を抑制する標的遺伝子の探索に力を注いでいます。研究を支えているのが本研究室が誇る膨大なRNAライブラリーです。現在の保有数は約300万種類。理論的には約700億通りのRNA配列を生み出すことが可能です。この中から一定数のRNAをがん細胞に入れ、セルソーターという装置で効果を判別します。化合物と比較して、RNAは低コストで大量に探索が行える点も大きな利点と言えるでしょう。この遺伝子探索に関わる一連の作業の中で、私自身の最大の成果は、どんな染色試薬を用いて、どのような効果を識別するかという評価系を、オリジナルで構築したことです。1年あまりの試行錯誤の末に新たな手順を確立し、これを用いて13万種類のRNAの中から、がん細胞分裂を抑制するひとつのRNAとその標的遺伝子を見い出すことができました。研究には苦労や失敗がつきものですが、世界で初めてのことをやる面白さは他では味わえないもの。それが世の中の常識を覆すものであれば、喜びはなおさらです。私は大学院に進学してからは研究中心の生活を送りましたが、学部生のときにはカンボジアの農村を訪ねての教育支援や、佐渡島でのトキ保護ボランティア、イギリスへの語学留学など、自分の視野や経験を広げるさまざまな活動に取り組みました。後輩の皆さんも、ぜひ、学生時代にしかできない多くのチャレンジをして、自分の経験値を高めてほしいですね。抗がん剤を添加すると癌細胞は死滅し、定着することができずに浮遊している。細胞が分裂すると蛍光が減少していく。この特性を利用して分裂しているかどうかを判別している。自分が確立したオリジナルな評価方法で、がんを抑える標的遺伝子を特定生命科学・環境コースバイオセンサー研究室教授・博士(工学)秋元 卓央専門分野: 応用物理、バイオセンサー水環境工学研究室教授・博士(工学)浦瀬 太郎専門分野: 環境衛生工学、上下水道学、 微量化学物質の環境中での挙動・分解処理植物工学研究室教授・博士(農学)多田 雄一 出身企業:三井化学専門分野: 植物バイオテクノロジー、植物分子育種バイオプロセス工学研究室教授・学術博士松井 徹専門分野: 応用微生物学、生物化学工学バイオナノテクノロジー研究室教授・工学博士村松 宏 出身企業:セイコーインスツルメンツ専門分野: バイオナノテクノロジー、バイオセンシング応用生体科学研究室教授・博士(工学)矢野 和義専門分野: 生物工学、分子生物学応用生化学研究室教授・工学博士横山 憲二 出身:産業技術総合研究所専門分野: バイオテクノロジー機能性RNA工学研究室教授・博士(工学)杉山 友康 出身企業:協和発酵工業専門分野: 生命工学、分子細胞生物学抗加齢医科学研究室教授・工学博士山本 順寛専門分野: 活性酸素・フリーラジカルによる生体傷害・ 防御、コエンザイムQに関する研究細胞制御研究室教授・薬学博士今村 亨(兼担) 出身:産業技術総合研究所専門分野: シグナル分子、分子細胞生物学、皮膚科学、 放射線生物学、糖鎖科学、生化学アンチエイジングフード研究室教授・博士(医学)佐藤 拓己(兼担)専門分野: 神経科学、ケミカルバイオロジー、食品機能性細胞酸化ストレス研究室准教授・博士(工学)加柴 美里(教養学環と兼担)専門分野: 病態生化学、栄養生化学助教・博士(理学)中村 真男専門分野: 糖鎖生物学、神経科学、生化学生命情報研究室准教授・博士(生命科学)村上 勝彦 出身:産業技術総合研究所専門分野: バイオインフォマティクス、 データベース、データマイニング医療テクノロジー研究室准教授・博士(工学)苗村 潔(臨床工学科と兼担)専門分野: 医工学、精密手術テクノロジー助教・博士(理学)来須 孝光専門分野: 植物生理、植物免疫助教・博士(工学)筒井 裕文専門分野: 環境衛生工学、環境微生物学助教・博士(工学)吉田 亘専門分野: 核酸工学、エピジェネティクス、 バイオセンサー医薬品コース生体機能化学研究室教授・博士(工学)加藤 輝 出身企業:三菱化学専門分野: 生物化学、分子進化工学、創薬化学バイオニクス専攻長/生物創薬研究室教授・博士(農学)佐藤 淳 出身企業:東レ専門分野: 生物工学、生化学、生物創薬専任教員応用生物学部長 梶原 一人片柳研究所長/教授・工学博士 高機能性食品研究室専門分野:機能性食品、生物保存、生物溶液化学研究最前線研究の最前線を舞台に、果敢な挑戦を続けています。64TOKYO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY応用生物学部School of Bioscience and Biotechnology

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