昭和薬科大学 大学案内2019
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25新薬開発にとどまらない研究職の幅広い役割2015年卒業佐藤製薬株式会社 品川研究開発センター 製剤研究部 薬剤師には「薬のプロ」という医師と異なる存在感を感じていたこともあり、大学へ入学した当初はいわゆる薬剤師として、病院や薬局で働くイメージしかもち合わせていませんでした。 しかし研究室を選択する際、薬剤学という薬学部にしかない製剤を対象にした研究室を選んだことで、徐々に研究への関心が高まっていきました。大学では経皮吸収に関する研究をしていたことから、就職活動を進めていくなかでスキンケア製品や化粧品など同じ分野に力を入れている佐藤製薬に入社したいと考えるようになりました。 製薬会社の研究職については創薬など新薬開発のイメージが強いと思いますが、既存の製品に対してお客様から日々寄せられる声を製品に反映させるべく、より飲みやすい形状や口当たりにするなど常に改良を進めるのも研究職の大切な役割です。 実は研究と一口に言っても、机の上や実験室の中だけで行えるわけではありません。社内の関連部門と密接に連携しながら意見を求めたり、社内でモニター調査をするなどアタマよりカラダを動かすことも多いのです。そんなときは、大学の研究室で先生方に指導を受けながら仲間と頑張った経験が役立っています。 当社は総合感冒薬であるストナ、栄養ドリンクのユンケルなどOTC医薬品が主流ですが、今後医療用分野の製品もより拡充していく方針です。そのような分野での貢献も視野に、将来に向けて日々経験を積み重ねていきたいと考えています。研究職幅広い分野で活かせる薬学の魅力2014年卒業テルモ株式会社 甲府工場 信頼性保証室 大学5年次に行われる実務実習を終えて卒業後の進路を具体的に検討し始めたとき、幅広く医療というジャンルで薬学の知識や技能を活かせる可能性を探してみたいと考えていました。 当社は医療機器・医薬品の総合メーカーです。例えば注射器・カテーテルをはじめ、血糖・血圧の測定機器、血液成分を分離する装置、超音波診断システムなど医療の現場で使用されるほぼ全ての製品を製造しているほか、輸液(点滴)・鎮痛薬などの薬剤も提供しています。 私が勤務する甲府工場は、滅菌済みのディスポーザブル医療機器が主力製品です。膨大な需要に応えるため工場は24時間体制で稼働しており、自動化されたラインで製品が製造されています。 信頼性保証室の業務は多岐にわたり、市場に出た製品についてお客様から不具合等の情報が寄せられた場合は、原因を解析して対策を施すことも業務の一つ。また医療従事者のニーズに合った製品に仕上がっていることを確認したり、法規制等に合致しているかの検討も行います。生産現場での品質管理体制の維持、業務改善も仕事です。当社と当社製品の信頼性を確保するための業務全般といってもよいと思います。薬剤師の資格を活かして検査用試薬の製造管理を行ったりすることもあります。 薬学部イコール病院・薬局の薬剤師というイメージがあるかもしれませんが、医療業界全体を幅広く捉え、企業にも目を向けて欲しいですね。実は幅広く応用が利くことも薬学の隠れた魅力だと思っています。品質保証さまざまな感染症から市民の健康を守る2010年大学院修士課程修了川崎市役所 健康福祉局 健康危機管理担当 地方公務員としての薬剤師は、地域の保健所勤務に加え、市立病院で調剤業務に携わる人も、衛生研究所などで働く人もいます。 このうち、保健所での仕事は公衆衛生に関することがメイン。病院、薬局などの開設許可業務や指導・調査なども行います。私も区役所の衛生課にいた頃は、美容院、旅館、銭湯などの衛生指導業務に携わっていました。 現在は、食中毒や感染症などの非常事態に対応する健康危機管理を担当しています。たとえば、インフルエンザやO157などは良く知られていますが、風疹、デング熱など多くの感染症があり、調査報告に基づいて、予防法の広報や啓発活動なども行います。 感染症対策は、まず発生源を突き止め、感染が拡大しないようにすることが大切です。そこで、感染症が発生すると、患者さんへの聞き取り調査や病院の検査データ等の情報を集め、市の広報紙などを通して注意を呼びかけます。デング熱の場合、蚊の発生を防ぐことが重要なので、町内会に回覧板を回してもらい、協力を呼びかけました。 日頃から、地域の医師会と連携し、講習会や研修会を開催し、次に備えることも欠かせません。医師と話し合う機会も多く、大学で学んだ公衆衛生や微生物などの知識や病院実習での経験が役立っています。 薬学は学ぶ範囲が広く大変ですが、そのぶん進路も幅広く、やりがいのある学問だと思います。公務員佐々木国玄 さんKuniharu Sasaki伊達友哉 さんTomoya Date市川大輝 さんDaiki Ichikawa

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