日本大学生物資源科学部 学部案内2018
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55海洋生物資源科学科研究室へようこそ!学生生活のメインステージ水の中に棲む多様な生物は、陸上の生物と同じように、まわりの環境からさまざまな情報を受け取り、それを体内情報に翻訳して体の各部に伝え生活しています。私たちの研究室では、生物が子孫を残す上で重要な、繁殖活動と環境との関わりに注目し、主に魚類と鯨類、ときには軟体動物や節足動物も相手にして研究を進めています。また、生物が環境から受けるストレスに対する反応も研究対象としています。写真は、多回産卵魚のモデルとするため、富士自然教育センターの池で、タイリクバラタナゴを採集しているところ。海洋生物生理学研究室海洋生物の繁殖やストレスと環境との関わりを研究。水圏は多様な生物が陸上動物とは異なる独自の生体システムを有して環境に適応して生活しています。本研究室では海洋だけでなく、水圏環境全体に視野を広げて生物独自の生体分子適応や環境適応システムなどに関する研究に取り組んでいます。現在、我々は主に遺伝子組換えサケを用いた高成長メカニズムや深海の熱水口付近に生息するマリアナイトエラゴカイの耐熱機構に関する研究を分子のレベルから行っています。また、オタマジャクシがサンショウウオやヤゴなどの捕食者に対して体の構造を大きく変えて適応する、表現形の可塑性に関する研究も行っています。この分子変化の中にはヒトの病気に関係するものも多く、「小さなオタマで大きな夢」が私達の合言葉です。生物機能化学研究室水生生物の生命の探求から人の生命現象まで研究展開する。魚類、貝類、エビ類、サンゴ…、水の生物達も人と同じように病気になります。私達の研究室では、養殖場や水族館、自然水域でみられる魚介類の病気の原因を明らかにし、その対策法を確立する研究を進めています。写真は、水族館から依頼されたアカシュモクザメの診断風景です。その後の病は体を特定する検査により、真菌(カビ)による感染症に罹っていたことが明らかとなりました。水圏生物病理学研究室水の生物の病気を診断しています。美しい海の環境を未来に残すために、私たちは海洋環境の保全・修復をめざしています。具体的には、相模湾や東京湾の環境と生態系がどのように変動しているのかを理解し、今後どう変動するのかを予測するため、係留連続観測や高頻度の現場観測によって潮流、海水中に溶存・懸濁している化学物質、各種プランクトン群集のバイオマス・生産率・餌要求量などを調べて、水質環境や物質循環、食物連鎖構造や栄養動態などを評価しています。また、有毒・有害な化学物質が海洋に放出されたとき、海洋生物にどのような影響を及ぼすのかを評価する生態毒性の研究や生物を用いた汚染物質の除去技術の開発などにも取り組んでいます。海洋環境学研究室海の環境と生態系を常に見守っています。私たちの研究室では、人類が水圏生物と程々に上手く共存するための方策の策定と提言を目指しています。そのために、海や川の魚類・無脊椎動物・植物の分布と生態、植物網の構造、および生態系のメカニズムを調べています。水族生態学研究室人間社会と水圏生物の共存を目指します。予想される食料危機に対処して、海洋のタンパク質の増大をはかるためには、環境と調和した増養殖が欠かせません。そこで、海洋の環境を浄化して動植物の成長を助ける働き者の海洋微生物を使って、環境にやさしい養殖システムの研究を行っています。とくに魚類に生理作用をもつ生菌製剤(プロバイオティクス)の開発は注目されています。さらに、機能面に不明な点が多いフグ毒テトロドトキシン(TTX)などを対象に分子生態学的研究を進めています。増殖環境学研究室養殖環境を浄化する微生物は、小さくてもとてもパワフル。海洋生物は貴重な食資源であり、日本ではそれらを有効に利用する技術を古くから開発し、また今日まで伝承してきました。しかしながら海洋生物資源には活用されていない成分がまだまだ多く存在し、それらの中から新たな機能性成分・素材も発見されつつあります。私たちの研究室では特に海洋から得られる未利用バイオマスならびに低・未利用魚介類を機能性食品や素材、生理活性物質に加工して有効利用する研究を進めています。また、水産加工食品や鮮度保存技術のさらなる改良・開発を目指して、タンパク質・遺伝子レベルでの研究にも取り組んでいます。近年、イカ肉を原料としたゲル化食品の開発も実施しております。海洋生物資源利用学研究室おいしい機能性食品の研究・開発に取り組んでいます。漁業を通じた海洋生産技術に応用するため、魚の聴覚感覚、人が手に触れないで魚の心電図を測定する方法の開発、データローガーなどの小型センサによる各種の行動記録、サケ科魚類の繁殖行動生態、および定置網漁業や延網漁業の漁獲プロセスを効率化するための実験などを行っています。研究対象となる魚は海水魚から淡水魚まで幅広く扱っています。魚群行動計測学研究室海の魚の持続的供給のために。ウナギは蒲焼きで親しまれ、また「うなぎ登り」「うなぎの寝床」などの慣用句にもあるように、私たちにとても身近な生き物です。しかし同時に、謎の多い生き物でもあります。数千キロに及ぶ大回遊、新月の夜の集団産卵、陸を這う超能力、不可思議なレプトセファルス幼生、各地に残るミステリアスな伝承やタブーなど、ウナギにまつわる数々の謎を、自然科学、社会科学、人文科学のあらゆる角度から解き明かしたいと思います。またこうして得られた知識を、今大きく減少してしまったウナギ資源の回復に役立てたいと思います。ウナギ学研究室謎に満ちたウナギの生態、生理、行動、文化を探る。

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