日本大学生物資源科学部 学部案内2019
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52海洋生物資源科学科Department of Marine Science and Resources海洋生物資源の永続的な維持と効率的な生産・利用に関連する生命科学や資源生産・利用科学、環境科学分野の知識を広く修め、豊かで調和のとれた海洋環境と人間生活との共生に貢献できる人材の育成をめざします。もし、救命ボートで海を漂流する事態になったら、大急ぎで考えなければいけないことは真水の確保。いくら周りに海水があっても、人間はそこから水分を摂ることなど不可能です。では、私たちと同じ哺乳類で海に棲むイルカは、どのように水分を補給しているのでしょうか。実はイルカは真水も海水もほとんど飲みません。彼らは主に餌となる魚から水分を得ているのです。そのため、水族館ではイルカが何らかの原因で餌を食べなくなると、チューブなどで口から水分を補給(補液)する必要に迫られます。海洋生物生理学研究室の鈴木美和准教授は、全国の水族館と協力し、どんな成分の補液がイルカの健康に役立つか調べ、同時にイルカの水分補給のメカニズムについても研究を進めています。それによると、イルカは細胞膜に穴をあけて水を通す「アクアポリン」というタンパク質を通じて小腸ですばやく水分を吸収することや、脂肪を吸収する力が特に優れていること、およびタンパク質を加えると補液の効果が高まることなどが分かってきました。イルカという特別な動物には、未解明の部分が沢山あるという鈴木准教授。「陸にいた哺乳類から進化してきたイルカが、何をどう変化させて海中で生きられるようになったのか、その適応戦略を見極めることは非常に面白い」と、イルカ研究の尽きない魅力を語ります。イルカは水を飲まないの?海洋生物生理学研究室52

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