日本大学生物資源科学部 学部案内2019
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44食品ビジネス学科Department of Food Business多様でアクティブな「食」の世界を、経済学・経営学・社会学・食品科学などの視点から掘り下げ、フィールドに足をのばし、学び、考え、新しい「食」と私たちの未来を創造する―それが食品ビジネス学科です。日本における酪農の発祥地をご存じでしょうか。北海道や東北ではなく、意外にも東京に近い千葉県の南房総。江戸時代、この地には幕府直轄の牧場・嶺岡牧がありました。八代将軍の徳川吉宗は白牛を導入し、白牛酪という乳製品を製造。これが、日本の近代酪農の起源といわれています。そんな経緯から、明治以降になると、牛乳の加工品である煉乳工場が続々と創業を始めます。それらを買収・合併して成長した企業が現在の明治や森永。両社は、当時人気を博していたキャラメルの原料として煉乳を必要としていたのです。残念ながら今は煉乳工場もなく、往時の繁栄も人々の記憶から薄れつつあります。しかし「現在の豊かな食生活も、このように新事業を興してきた企業家の想いによってもたらされたことを忘れないでほしい」と力説するのは、食品企業組織論研究室の佐藤奨平専任講師。「例えば森永の創業者である森永太一郎は、キャラメルを通じて国民の健康に貢献したいという理想を抱いていました。本学科の理念である『食で人を幸せにしたい』と相通じるものがあると思います」今後佐藤専任講師は、学生と南房総に残る産業遺構を調査し、貴重な食生活近代化遺産を地域政策の中に位置づけ、地域の活力再生・社会開発に生かしたいと考えています。吉宗の遺産から、企業家がもたらしたお菓子です。食品企業組織論研究室44

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