日本大学生物資源科学部 学部案内2018
38/84

36近年、犬や猫などの伴侶動物は、室内で飼育されるケースが増えています。しかも、仕事のある大人や学校に通う子どもと違い、室内で過ごす時間が長くなりがちです。そのため、動物たちは家庭内の環境変化を人間より早く、まるで『炭鉱のカナリア』のように被っているのではないか。獣医麻酔・呼吸器学研究室の山谷教授は、日本大学動物病院における臨床経験から、そのような懸念を抱くようになってきました。例えば、セキや鼻水、クシャミが酷いということで連れてこられた動物の血液を調べると、実にその6割で、ニコチン濃度が高いケースが認められます。つまり、受動喫煙による呼吸器疾患です。また、人で問題になっているシックハウス症候群もそう。ペットの毛が悪者にされがちですが、動物に対しアレルギー検査を行うと、むしろ彼らの方が有害物質に曝露されていることもあるといいます。「こうなると動物の治療も大切ですが、人と動物が暮らす家庭の環境から改善するという視点を獣医師も持つ必要がありそうです」と、山谷教授は話します。動物が健康な家庭は、人も健やかに過ごせる家庭。そんな意識を広げていくことが、これからの獣医師には求められていくことでしょう。ボクの幸せは、家族の幸せなんだ。動物医療を通して、動物とヒトの福祉に貢献することをめざし、生命活動のメカニズムや、疾病の診断・治療・予防、公衆衛生、野生動物の保護と環境保全など広範囲な領域を、最先端の学習環境・体制のもとで学びます。獣医麻酔・呼吸器学研究室獣医学科Department of Veterinary Medicine

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る