日本大学生物資源科学部 学部案内2018
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35生命化学科研究室へようこそ!学生生活のメインステージ地球は、作物生産に適さない土壌の不良化や、海や河川の水質悪化などにより深刻な環境問題を抱えています。私たちが研究している硝化細菌やアンモニア酸化アーキアは、地球上のあらゆる場所で窒素の循環に関わり、アンモニアや亜硝酸を酸化することにより地球を守る役割を果たしています。これらの微生物を環境中から見つけ出し、その生理・生化学的、生態学的なしくみや遺伝子を調べることにより、高濃度なアンモニアに耐性を持つといった高機能をもつ微生物を地球環境の再生に役立てることをめざして研究を行っています。食品のおいしさにかかわる働き(二次機能)や食品がもつ病気を予防する働き(三次機能)についての研究を行っています。たとえば、泡立ちがよく、アレルギーになりにくい小麦タンパク質やゲル化性に優れ、カルシウムの吸収を助ける働きをもった大豆タンパク質を作ったり、血液中のコレステロールや血糖値が上がりすぎるのを防ぐ効果をもった食品素材を探したり、血栓になりにくいコク味や香り成分の働きを調べたりする研究です。これらの研究から新たな嗜好性の高い機能性食品を作り、人々の豊かな食生活と健康の維持に役立てることを願っています。生物は働き(機能)と形(構造)の違う多種多様な分子の力で生き続けています。当研究室では、それらの分子を解析することによって得られた知識を、生命・資源・食料・環境などの諸問題の解決に活用する研究を行っています。例えば、遺伝子操作技術を駆使した新機能性タンパク質の開発と利用、酵素反応を利用したバイオマス分解や有用物質の製造、低分子有機化合物の生物活性の解明と応用、新しい生理活性物質の探索と利用など、最先端の研究テーマに取り組んでいます。微生物・酵素がもつ様々な物質生産、変換機能(発酵)を最大限に活用することを念頭に研究を行っています。例えば、化成品、バイオ樹脂などへの変換を目指してポリオールの発酵生産技術を開発しています。また、安全な食用色素生産を目的に、糸状菌の色素生成経路と生産能について解析を行っています。さらに、醸造産物(発酵飲料・食品)への応用を目指して麹菌が生産する香気成分の分析とその生合成経路に関する解析を進めています。それらの基盤として、物質生産・変換に関連する酵素、タンパク質、遺伝子の機能を、様々な先端技術を駆使して解明しています。私たちのからだの機能は、食物を介して体内に取り入れる栄養素によって維持されています。がん、糖尿病、心臓病などの生活習慣病は、栄養バランスの悪い食事、運動不足、喫煙、過度の飲酒やストレスなど、好ましくない生活習慣が積み重なっておこる病気です。私たちの研究室では生活習慣病の発症メカニズムやその予防法について、栄養学や生理学の視点で研究しています。また、食品や栄養成分を利用した血栓症、アルツハイマー病、糖尿病、脂肪肝などの生活習慣病の予防を目指しています。電池などに使われているカドミウムは、人体にとって有害です。そのため、不用意に捨てられたものが土壌を汚染し、農作物を通してひとの健康を脅かしています。私たちは「ミゾソバ」という雑草を土壌浄化に利用できることを発見しました。刈り取ったミゾソバはバイオ燃料の原料にしたり、残渣からはカドミウムを回収して再利用することも可能です。また、遺伝子組換え技術によってさらに効果的に重金属を除去できるスーパー植物の開発や、ほかの環境負荷に対する植物の利用も研究しています。土壌圏は生物圏・大気圏・水圏・岩石圏の接点として、多様な物質循環を担っています。また土壌圏は植物が育つための基盤であるだけでなく、微生物から土壌動物に至る多種多様な生物の棲み家として、地球上で重要な役割を果たしています。研究室では、広域な農林生態系を対象とした物質循環を評価する研究に取り組んでいます。また、土壌有機物中の緑色色素の分布、存在形態を解析し、古環境の推定、土壌有機体炭素の安定化機構の解明を試みています。地球上にだけ存在する土壌資源の機能解明とその有効利用を目指して研究を遂行しています。環境微生物学研究室小さな生命が地球を救う!ミクロな世界の大きなパワー。食品化学研究室おいしさと生体調節機能を改善し、新たな機能性食品を作る。生物化学研究室生物分子の機能を解析しさまざまな分野に役立てよう!発酵化学研究室発酵技術が世の中を変える!栄養生理化学研究室食と栄養について研究し、生活習慣病の予防・改善を目指す。植物栄養生理学研究室植物の力を使って土壌を浄化する。土壌圏科学研究室生命を育む土壌の機能を理解し、継続的な利用と保全を目指す!

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