日本大学生物資源科学部 学部案内2018
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28丸々と育ったトウモロコシ。こうした作物のゆたかな実りを支えているのは、実肥と呼ばれるリン酸肥料です。ところが、その原料となるリン鉱石は100%輸入頼み。近年では資源の枯渇さえ心配されるようになってきました。そこで作物科学研究室では、アーバスキュラー菌根菌(AM菌)という土壌微生物を、リン酸肥料の代わりに活用する研究を行っています。植物と共生したAM菌は、土壌中に菌糸を伸ばし、植物の根だけでは吸収できなかったリン酸まで吸収してくれます。問題は、広い畑のような環境では他の微生物に負けてしまい、その力が発揮できないということ。これに対し、同研究室の肥後助教がとった作戦は、同じ畑で作物を作り続ける『輪作』でした。菌根菌は絶対共生微生物といわれ、つねに畑に植物がないと生きていくことができません。だから、作物を収穫した後の畑で小麦や牧草などを育て、菌根菌を増やしていこうという考え方です。この方法の利点は、畑に元からある菌だけを利用する「基本的に有機農業に近いやり方」であると、肥後助教は強調します。私たちがいつまでも、安全で美味しい作物を食べられるように。その成果に大きな期待がかかる研究です。リン酸不足は、リンサクで補う。生命農学科では、植物を中心とした分子生物学から生態学を含めた生命現象に関して、体系的に学び、これらを有機的に結びつけた教育と研究を実践しています。作物科学研究室生命農学科Department of Agricultural Bioscience

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