日本大学生物資源科学部 学部案内2019
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11生命化学科 食品化学研究室 熊谷 日登美教授「美味しくて健康増進や病気予防にも効果がある」食品の創製をめざす食品化学研究室では、さまざまな企業との産学共同研究に積極的に取り組んでおり、これまでに数多くの成果を上げてきました。その一つは、ニンニクに含まれる「アリルシステインスルフォキシド」という物質が、お酒を飲んだときの血中アルコール濃度の上昇を抑制する作用を持つことを明らかにした企業との共同研究です。このような効果を持つ物質の報告は前例がなく、現在、特許を出願しています。また、日本大学医学部との共同研究では、同じニンニクからの抽出物にメラノーマという皮膚ガンの増進を抑える作用が期待できることを確かめました。そのほか成果を上げた代表的な産学連携研究としては、米アレルギーの方が安心して食べられる「低アレルゲン米」を、ある種の酵素を利用して簡単に製造する方法を確立した研究があります。この研究成果は、本研究室の学生が国際学会で発表して複数の表彰を受けており、本学部の研究力の高さを改めて学外に広く知らしめました。また、米を冷蔵庫に入れると固くなってしまう「老化」という現象がありますが、その詳細なメカニズムの解明と、老化を抑制する方法の開発でも成果を上げています。以上は、私たちの研究室の産学連携の取り組みの一例です。現在は5社ほどの外部企業と協力して、革新的な製品開発につながる新たな知見の獲得をめざす研究を展開しています。このような産学連携研究を進めるにあたり、研究室の指導方針として学生には、必要な資料の作成や企業の担当者とのやりとりなどは、なるべく自分たちの手で行うよう指導しています。もちろん初めは戸惑うことも多いのですが、経験を重ねるうちに円滑なコミュニケーションが取れるようになり、作業計画を自分で組み立てて管理する方法など、実社会で求められるスキルも確実に身についていきます。また、社会の第一線で活躍する先輩方と接するうちに、自分のやりたいこと、やるべきことが明確になり、就職に向けての適切な準備ができることも、学生にとっての大きなメリットと言えるでしょう。食品の可能性を拓く多彩な共同研究を通じて、学生の社会人基礎力も高めていきます。

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