愛知県立芸術大学 大学案内2017
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046卒業後の進路[就職等] 北九州市芸術文化振興財団音楽事業課、愛知県文化振興事業団、長久手市文化の家、愛知室内オーケストラ事務局、しらかわホール、ヤマハ音楽振興会、新国立劇場運営財団、豊橋市役所、トヨタ紡織、秀英予備校 等[教 員] ノース・カロライナ大学グリーンスボロ校、愛知県立芸術大学、名古屋市立山田高等学校、愛知県立三好高等学校、東京都立特別支援学校 等[進 学] 愛知県立芸術大学大学院、国内外の大学院 等[留学等] カリフォルニア州立大学ノースリッジ校、コロンビア大学大学院、イーストマン音楽院大学院、ロンドン大学大学院、モンペリエ大学大学院、フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学ライプツィヒ、プラハ音楽院、オスロ大学大学院松岡裕子 私が音楽学に興味を持ったのは、井上さつき先生の講義を受けたのがきっかけです。「音楽史概説」は概説とはいえ、当時声楽を専攻していた私にとって、奥深く興味深い内容ばかりでした。井上先生の話は、まるでその時代にタイムスリップしたような感覚でリアルに迫ってくるのです。私は音楽に触れるたびに「もっと深く知りたい!」と思うようになり、大学院では音楽学を専攻しました。 音楽学は数々の資料を元に音楽を客観的に捉え、言葉で表現していく学問です。音楽学の研究によってこれまで知られていなかった事が解明され、様々な音楽がより身近に楽しめるようになってきました。私は研究する楽しさと、その内容をまとめる面白さ、そしてそれらを他者に伝える喜びを知りました。 今私は高校教師をしています。授業では様々な分野を教えます。表現の分野では歌唱・器楽・作曲を、鑑賞では西洋音楽のみでなく、日本音楽や民族音楽まで幅広く扱います。最近では「言語活動の充実」が授業に求められており、音楽学で学んだことが指導に活かされています。また、プログラムノートを書いたり、コンサートに出演する機会もあり、とても充実した毎日を送っています。 私も誰かの「もっと深く知りたい!」という気持ちを呼び起こすことができる、そんな影響力のある存在でありたいと思っています。活躍する卒業生在校生の声村瀬 香 私は学部ではピアノを専攻していましたが、もっと広い視野で音楽を学びたいと感じ、大学院は音楽学を専攻して、ショパンの作品研究をしました。 大学院在学中、偶然出会った音楽療法の現場で、音楽によってクライエントの不安が和らぎ、他者との絆を深め、人生を肯定的に回想する様子を目の当たりにして、直感的に「この仕事がやりたい」と感じ、迷いなく音楽療法の道へ足を踏み入れました。幸運にもすぐに現場に恵まれ、実践の中で学ぶことからスタートし、講習会や学会発表など研鑽を積み、日本音楽療法学会認定の音楽療法士となりました。現在は、老人保健施設、ホスピス、作業所などで音楽療法を実践しています。また平成27年度から、母校である愛知県立芸大で、音楽療法の講義を行っています。 音楽療法では、音楽が治療のツールとして使われます。クライエントのニーズを瞬間的に判断し、音楽で働きかけるのですが、学生時代に学んだすべてが財産となっています。クライエントの嗜好は、クラシックは少数派で、童謡、歌謡曲、讃美歌など多岐に渡ります。音楽学では西洋音楽に限らず、幅広いジャンルを学んだおかげで、音楽的な引出しを多く持つことができました。また、学会で事例発表を行う際には、ゼミで日常的に研究のプレゼンテーションをしていたことが大変役に立っています。 音楽には人の心に訴える確かな力があります。大観衆を歓喜させることはできないけれど、目の前の患者さんに音楽で寄り添えることに、私は幸せを感じています。徐 竹渓 私は中国からの留学生です。2015年に大学院音楽研究科に入学しました。今は博士前期課程に在籍して「2.5次元ミュージカルに関して―ミュージカル『テニスの王子様』の音楽学的研究」というテーマで研究を進めています。学部生の時はアートマネジメントを専攻して、ブロードウェイミュージカルの音楽表現と運営形態に着目しました。日本に留学した後、日本独自のミュージカルにとても興味を持ち、ミュージカルを研究し続けたいと思いました。 留学生なので、入学したばかりの頃は非常に緊張しました。しかし、先生方はとても優しく、音楽学の先輩と後輩もたくさん助けてくれました。学校の雰囲気も楽しいものだったので、心が温かく感じるとともに、とても安心しました。 大学院の授業を受けた一年間、様々な知識を得ることができました。毎週の音楽総合研究では、先生方から研究経過報告に基づく指導をしていただいて、適切なアドバイスをもらうことができました。回を重ねるごとに自分の研究が少しずつ進展していき、とても有意義でした。また、音楽学領域の特殊研究の授業では、分析的なプレゼンテーションが頻繁に行われていました。理論と実践を組み合わせて、より深く音楽の知識を習得することができました。 先生方をはじめ、たくさんの人に支えてもらって、県芸での留学生活がとても楽しいものになったことを本当に感謝しています。残り一年の留学生活も、さらに有意義なものになるよう頑張ります。山本宗由(博士前期課程2年) 私は他大学で図書館情報学を学んだ後に、音楽学の世界に飛び込みました。音楽専門の図書館に関心があり、将来は音楽図書館司書になることを目標にしています。入学以前は、図書館で音楽資料を探す時にどんな検索システムがあるといいのかということを研究していました。しかし、音楽図書館司書を目指す上で、音楽を体系的に学ぶ必要性を常に感じていました。また、自分自身が音楽図書館を使う立場に立たなければ理解できないことがたくさんあるのではないかと問題意識を持っていました。そこで、一念発起して音楽学への転身を決意したのです。 初めての音楽学の世界で、入学当初は何をテーマにするか悩みましたが、せっかく音楽史が専門の先生方がいらっしゃるので、今まであまり知ることのなかった音楽図書館の歴史に焦点をあてようと思いました。現在は日本で最初の音楽専門の公共図書館といわれている南葵音楽文庫について研究をしています。慣れない研究方法に最初は戸惑うことも多かったですが、先生方の適切な指導のもと、次第に研究が形になってきました。 芸術大学に入るのは初めてなので、一般大学と比べて違いがたくさんあり、驚かされることも多いですが、毎日音楽に囲まれて充実した日々を過ごしています。*音楽学コースウェブサイトに、「卒業生インタビュー」と「留学生からの報告」が掲載されています。

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