愛知大学 大学案内2017
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現代文化コース東アジア文化専攻日本・中国・韓国がいま直面する問題の本質はどこにあるのか。現代のアジア諸国と日本の複雑な問題を解明するには、東洋的な視点と西洋的な視点を結合してとらえることが重要です。近代以降の世界の基礎となっている西洋の思想は、創世記に始まって最後の審判に向かう聖書の記述にも似て「拡大と発展」です。しかし、中国やインドをはじめとするアジアの思想の多くは、「循環」という考え方をとっています。歴史は巡り、生命は輪廻転生するという考え方です。地球の有限性がいわれ、リサイクルや持続可能な社会が課題となっている現代は、こうしたアジアの思想が有効性を持ちつつある時代といえます。この専攻では日本・中国・韓国などの思想・哲学を中心にアジアの文化を学びます。古典や先人の思想を学び、西洋の思想や学問との比較を通して、現代の私たちに身近な問題を自分で考え解決していく力を育成します。文学部 教授 宇佐美 一博 東アジア(日本・中国・台湾・朝鮮半島)の古典を媒介として、多様な思想文化をはじめ文学・言語・文化交流史などを学び、現代文化の諸問題を考える力を養います。この地域は漢字文化圏と呼ばれ、漢字を使用する点が他の地域と大きく異なります。それゆえ授業ではまず漢字資料を読解するために辞書や索引などの工具書の使い方の修得をめざします。ついで論文や本を輪読して、その要約と各自の意見を順次発表し、学生同士でディスカッションを行います。そして発表したものをレポートとしてまとめ提出します。このような発表・討論の仕方やレポート・論文の書き方を学ぶことによって、卒業論文作成の基礎を培います。東アジア諸国との良好な関係構築が重要視される現代日本において、日本と東アジアの他の国々が交流しつつどのような歴史を歩み、今日の文化が形成されてきたかを知ることは大きな意味を持ちます。先人の知識と知恵の結晶である古典を鍵に、現代文化の課題に挑むことこそ、この授業の醍醐味です。古典を鍵として現代文化の課題に挑む。東アジア文化基礎演習■専門教育科目ピックアップFaculty of Letters1/8■専門演習(ゼミナール) 主なテーマ■卒業論文 主なテーマ・ 朱子学と陽明学・ 江戸・明治の思想史研究・ 孔子の教育における「下愚」・ 故事成語のすがたをとらえる・ 現行少年法にみられる性善説的思考・ 易から学ぶ男女観・ 戦国の食文化-日本の武将と食-・ 明治漢文教科書にみられる人材育成・ 『史記』「刺客列伝」について・ 日本の笑い-江戸時代を中心として-哲学専攻西洋の思想の流れを理解し物事を深く考える力をつける。哲学とは何か。実は、この「○○とは何か」と問う行為がそのまま哲学なのです。たとえば歴史学では、歴史上の事実を調査し考察します。これに対して「歴史とは何か」「歴史において事実とされるものはいったい何か」と問うたときに、それは哲学の領域となります。哲学とは、この意味でとても純粋な学問です。哲学専攻では、西洋の思想・哲学を体系的に学んで、哲学的な思考力を養います。西洋の哲学者たちの思索を、哲学史をはじめとする多様な講義科目と著作の精読を通じて学び、西洋哲学の理論的・歴史的知識を修得。演習での議論と卒業論文の執筆を通して、自分の思考を哲学的に緻密な言葉で表現する能力を身につけます。著作を通じて過去の哲学と対話し、それぞれが自分の「○○とは何か」という問いを追求していくことが哲学であり、本専攻での学習です。文学部 教授 下野 正俊 従来の哲学史講義は、ある哲学者の思想が次世代の哲学者にどう影響を及ぼしたか、さらに次の世代には……というように、哲学内部の歴史紹介にとどまってきました。しかし本講では、より大きな社会史・文化史の中で哲学思想の流れをたどります。ドイツの哲学者カントとへーゲルは同時代人ですが、「自由・平等・博愛」を掲げたフランス革命(1789年)が起きたとき、カントはすでに60代半ば、ヘーゲルは20歳前の若者でした。この歴史的大変動の受け止め方も異なっており、結果として2人の思想は決定的な違いを持つに至りました。「自由」について、カントが“理念”としてとらえたのに対し、ヘーゲルは“現実的なもの”と考えたことはその一例です。社会の動きと関連づけることで、抽象的な哲学思想も実感を伴って理解することができます。哲学専攻の学生はもちろん、文学・芸術・世界史を学ぶ学生にも役立つ講義です。歴史が哲学を変え、哲学が歴史を動かす。西洋近代哲学史■専門教育科目ピックアップ■専門演習(ゼミナール) 主なテーマ■卒業論文 主なテーマ・ 哲学の諸問題・ 現代哲学の諸論文を読む・ 友人関係について・ 幸福について・ 物語におけるキャラクターの重要性について・ 悲劇の本質・ 美術史における『アウトサイダー・アート』・ 知覚と存在・ 「伝える」ためのレトリック・ 神話形式の発展における分離と葛藤について・ 自己形成における経験と価値の体系・ 映画の読み方-ロラン・バルトの考察を通して-・ 『シュルレアリスムと構造主義について』・ 反抗における個-アルベール・カミュからの考察-・ 功利主義の主な問題点についての考察・ カントによる倫理観念及び道徳法則について・ ハイデガーの死論095

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