愛知大学 大学案内2017
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専門演習(ゼミナール) 主なテーマ専門演習(ゼミナール)公共事業にも努力が報われる仕組みを。個性を活かした、地域貢献ビジネスを創出してほしい。吉本ゼミナール 本ゼミは、地域社会に貢献するという建学の精神のもと、地域課題の解決をめざし、専門の会計というツールの活用手法を研究しています。喫緊の地域課題は、労働人口減少による税収減と高齢者増加による社会保障費増により、道路や橋、水道など、インフラの安全を確保するための資金が不足することです。そこで公共事業は、効率的な運営が期待される民間企業が行うことが増えてきましたが、その努力が売上につながる仕組みではないため、労働意欲を保つ難しさがありました。これを解決するためのアイデアが近年脚光を浴びている「運営権売却」という手法です。これは空港や有料道路など利用者が料金を支払うインフラを想定した手法ですが、これをすべて税金で賄われているような公共施設にも応用できないかを探りました。■ ゼミナール ダイジェスト ゼミでは、直前に迫った他のゼミと合同で行う論文発表会に向け準備が進められていた。今年度のテーマは、地域の衛生を保つのに重要なごみ処理施設の運営権売却の可能性を探ることだ。そこで、愛知県内で初めて民間企業の資金を活用して運営されている田原リサイクルセンター炭生館をモデルとして取り上げた。ここでは、市民から集めたごみを炭という商品に変え、保温材や新たな燃料として企業に売却して収益を獲得するモデルが確立されていた。インタビュー調査で判明したことは、ごみの量が限られているため、生成される炭は供給不足で収益の柱にはなりえないとのことだった。一方で、ごみはリサイクル量が増えたことなどにより焼却ごみの量は年々減少傾向であるため、企業努力で炭の売却量を増やすことは困難であるということだ。学生からいくつかの収益改善案が出た。「施設にある有料の会議室の稼働率を上げればどうか」「そもそもごみを出す人から利用料を徴収すればどうか」「自治体が定額で支払う現行の手法ではなく、ごみ処理量に合わせて支払う仕組みはどうか」という声が。別の学生から「わざわざごみ処理施設の会議室を借りる人はいないのではないか」「有料化は不法投棄を招くのではないか」「焼却量が減っている状況なので逆に労働意欲をそぐのではないか」と反論が飛んだ。学生たちは「ごみ処理施設の運営権売却は難しそうだ」と結論づけた。先生が総括した。「よりよい企業が参入できるようにするために、多様なリスクを民間企業がどこまで分担するのか、これを明確にすることが今後の課題ですね」。■ 財務会計の理論と制度に関する研究■ 企業と家計のファイナンス■ グローバリゼーションと企業会計■ 財務諸表監査の理論と制度に関する研究■ 国際財務報告基準(IFRS)の基礎研究、簿記・会計の歴史的研究■ 日本の会計と国際会計■ 会計情報と意思決定に関する研究■ 環境会計・社会関連会計の研究■ 金融の諸問題に関する研究■ 現代企業における管理会計システム■ 企業の課税所得の研究■ 金融商品の仕組みと資産設計の考え方ごみ処理施設の運営権を民間企業に売却する可能性を探る。Faculty of Business Administration担当教員会計ファイナンス学科 准教授吉本 理沙新たな経営手法を模索し、公共事業にも努力が報われる仕組みを。065

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