愛知大学 大学案内2017
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多彩なデータを基に経済の真の姿に迫る。■ 統計学 理論的に経済の仕組みを考える一方で、その理論が現実的にどれだけ即しているかを実証するという重要な側面が、経済学にはあります。その意味で、経済学に統計は不可欠です。ニュースでも連日株価や為替レートが報道されているように、データを見ずに経済を論じることはできません。この授業では統計学の基礎となるローレンツ曲線や度数分布表、株価チャートといった図表の見方や数値の意味について学び、さまざまな経済データを読み解く力を養います。その上で経済ニュースや他者の分析が本当に正しいのかを検証する能力を身につけます。たとえば消費税の増税で消費が鈍化したという報道について、日本全体として消費が低下したのかを自分の目で確かめてみる。そのためには世にあふれる情報を精査し、信頼性が高く有益なデータを見極めるスキルも必要です。高い情報処理能力と分析力を基盤に、他者が出した結論を盲信することなく再検証し、自身で新たな答えを導き出すこと。それがこの学びの醍醐味といえます。産業優位性を探究し日本に活力を。■ 国際産業論 1980年代、自動車業界を筆頭に日本の製造業は世界を席巻していましたが、90年代にはアップルやマイクロソフトなど、いわゆる“IT革命”によってアメリカ企業が世界の産業を牽引してきました。21世紀に入ると中国・韓国・台湾といった東アジアの国々が台頭し、いまや世界規模での産業競争が激化しています。産業における国際競争力を切り口として、アメリカ・ヨーロッパ・アジアなどを比較し、産業の優位性を探るのが「国際産業論」です。そこで重要なのがグローバル戦略。たとえばiPhone6には150社以上のパーツが使われていますが、その約3分の1は日本で製造され、組み立てはすべて中国で行われています。これは世界中の優秀な人材・技術・生産拠点・市場をフル活用した、グローバルバリューチェーンの代表例といえるでしょう。実際の多国籍企業を題材に世界の産業構造や競争優位性を学ぶことは、これからのグローバルビジネスに役立つだけでなく、縮小する国内市場に苦しむ日本経済にとって大きな力になると考えています。専門教育科目ピックアップ経済学部 教授井口 泰秀経済学部 教授李 春利経済学部 准教授辻 隆司経済学部 准教授小林 弥生中小企業の真の実力を解明する。■ 中小企業論 経済は中小企業によって支えられています。日本の場合、全企業の99%以上が中小企業によって占められ、従業者数でみても70%以上の人が中小企業で働いています。こうした傾向は他の多くの国々でも同様であり、中小企業はとても重要な存在です。しかし、その実態は十分に明らかになっていません。中小企業の特性は業種業態ごとにバラエティに富んでいる上に、そもそも定義自体が曖昧であり国や時代によって違いがみられます。こうした特徴を持つ中小企業の歴史や実態を学び、今後の課題やあり方を考察することが、この授業のねらいです。一昔前は、中小企業といえば“下請け”のイメージが強く、あまり良い印象を持たれませんでした。しかし近年では、高度な技術力を武器に大企業へキーデバイスを供給する企業や、ICTの発展によって小規模ながらグローバル競争力を持つ企業など、新しい形の中小企業が現れるようになりました。こうした萌芽をとらえ、新時代における中小企業の果たすべき役割を考察します。経済学の共通言語を学び日本経済を分析する。■ マクロ経済学 経済を学ぶ上での基礎となるのが「マクロ経済学」で、言語にたとえるなら世界共通語である英語といえるでしょう。言葉を修得しコミュニケーションするように、マクロ経済学というツールを活用して日本経済を分析する力を養うのが私の授業です。授業では主に、景気の波が起こる要因やその波を緩和するためにどのような政策が必要なのかを考える「景気循環」や、持続的に経済が成長するために何が必要なのかを探る「経済成長」について、基本的な用語の解説を交えながら、ニュースや新聞に出てくる身近な事例を題材に学んでいきます。たとえば日銀の金融政策やアベノミクスのねらいとその理論的背景と、その政策効果に懐疑的論者の理論的背景とを併せて学ぶことで、ニュースを多角的に分析する視点を養うと同時に、マクロ経済理論を用いてさまざまな経済動向を理解する手法を身につけます。この授業を通じて、経済ニュースを深く読み解く力を養いながら、経済学の面白さを味わってもらいたいです。Nagoya Campus経済学部 経済学科050

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