愛知大学 大学案内2017
44/180

専門演習(ゼミナール)Faculty of Law専門演習(ゼミナール) 主なテーマヒト胚の研究利用に関する法規制の在り方を考察する。多面的な法視点からアプローチし論理的な思考力を養う。小林ゼミナール 社会で発生する問題は、それ単体で存在するわけではなく、必ず別の問題と関連しています。法学も同様で、問題解決には複数の分野の法の相互関係を考慮した学際的なアプローチが必要です。私のゼミでは、生命科学と法のかかわりをテーマとして「尊厳死の法制化の是非」や「臨床試験における規制の在り方」などを研究しています。日本は、生命倫理分野での立法が進んでいないため、諸外国の法制度やその歴史的背景などを多面的に比較し、問題解決のためのヒントを導き出すのがねらいです。急速な技術革新によりES細胞やiPS細胞といった新たな技術が次々と生まれている今、法と倫理の視点から、それらをどのように規制すべきかを考えることも重要なテーマです。未開の分野を探究することで、課題を発見・解決できる論理的な思考力を養うことがこのゼミの目的です。■ ゼミナール ダイジェスト 今回の発表テーマは「ヒト胚の研究利用における法規制の在り方」である。再生医療への活用が期待されるES細胞を作成するためにはヒト胚を破壊しなければならない。しかし、成長すれば人間になる可能性を持つヒト胚を破壊することには倫理的な問題が伴う。諸外国の法律を参考に規制の在り方について議論が行われた。まず、日本では、研究目的でヒト胚を作成することは指針で禁止されているが、拘束力のある法律は存在しないこと、研究機関ごとに倫理委員会が設置されているものの、審査基準は統一されていない旨が紹介される。続いて、独・仏・英の法規制について報告があり各班での討論へと移る。テーマは、①諸外国と比べ、日本の規制の枠組みに欠如しているものは何か、②この問題を解決するために日本が取り組むべき点とは何か、の2点である。班で討論したのち代表者が意見を発表する。「基準を統一し独立した管理機関を設置すべきだと考えます」。他の班からも「国によって歴史的背景が異なるため、日本に合った法律を作るべきです」といった意見が出された。ここで先生が介入する。「『日本に合った法律を作るべきだ』と言うことは簡単です。問題は、その中身をどうするかということ。再度検討してください」。さらに議論は白熱。最終的に「まずは、生命の萌芽を保護するという方向性に沿ってES細胞の作成・利用に関する法律を制定し監督機関を設置する。研究が進み安全性が確立された後は、段階的に規制緩和をすることが妥当だと考えます」という提案が示された。■ 自治体行政の現状と課題■ 日本の雇用システムと法■ 日常生活で生じる諸問題と民法■ 刑事法の諸問題■ 人間の生死をめぐる法と道徳の諸問題■ 現代企業法̶消費者法■ 国際社会における事件・紛争と国際法■ 改革の時代における政治と行政■ 憲法の価値原理を考える■ 犯罪と刑罰■ 行政規制とその執行に関する発展的・多面的考察■ 日本企業と会社法先端医療研究の推進と命の萌芽の破壊。日本の法は、両者のせめぎ合いをいかに扱うべきか。担当教員法学部 教授小林 真紀043

元のページ 

page 44

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です