愛知大学 大学案内2017
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専門演習(ゼミナール)社会を広く見つめ、あらゆる事象を捉える力を。確かな社会調査方法を身につけ多様な視点と自分なりの判断軸を構築。武田ゼミナール 卒業論文の制作には、実効性のあるデータの収集と正確な分析が不可欠です。中でも社会学が扱う領域は広く、確かな調査リテラシーなくして実りある研究成果は得られません。私のゼミでは、3年次に社会調査の基礎となる研究法を集中的に学び、有用なデータの収集方法や分析手法を身につけます。その上で独自の調査・研究を進め、進捗状況報告として30分間のプレゼンテーションを行います。4年次の発表では、3年次の学生がプレゼンテーション内容の評価を行います。評価される側もする側も緊張感が持てるという点に加え、評価する3年次にとって自身の研究を見直す絶好の機会となります。ICTが高度に発展した現代、身の周りには多様な価値観や判断基準が氾濫しています。このゼミでの学びを通して社会を広く見通す視野と、あらゆる事象を分析・考察できる調査研究法を養い、自分なりの判断軸を構築してほしいと考えています。また、社会調査は人とのかかわりなくしてはできません。さまざまな年齢の価値観の異なる調査対象者との相互理解に取り組む経験を通して、高いコミュニケーション・スキルが身につけられることもフィールドワークの大きな特長の一つです。■ ゼミナール ダイジェスト 本ゼミでのテーマ選定は、まったく自由。「日本人の同調性と組織性の相関関係」「嫉妬生成と性別」「ネット(SNS)使用時の攻撃性の変化」など多彩なテーマの中から、今回は「読書への意欲と読書が国語能力にもたらす影響」についての発表が行われた。グローバル化に伴い外国人旅行者や外国人労働者が増加する現代、外国人との共生は重要なテーマ。そこには外国語だけでなく、確かな日本語力も必要になるというのが研究の背景だ。まずは読書好きと読書嫌いの分化点について実施したアンケート調査の報告から。「身近に読書好きが多いほど読書への好感度は高く、読書好きな人ほど子どもの頃、読み聞かせを経験していることがわかりました」。では読書は国語力にどの程度影響をもたらすのだろうか。「国語(現代文)が得意な学生は読書好きなイメージがあります」。読書と国語力の相関関係についての調査報告が発表された後、「読書量と読解力については正の相関関係が成り立っていますが、書く力と比例していない要因は?」という質問や、「マンガは読書に含むべきでないとの考え方がありますが、質の高いマンガもあるため考慮すべき」といった意見が出された。「読書量だけでなく、どのような本をどの程度読み込んだのかという質の部分にも言及すると、さらに論文の精度が高まるね」と武田先生。発表者から「今回の調査では小説や学術書、自己啓発系の書籍を活字の本として扱いましたが、もっと細分化すれば別の結果が出たかもしれません」と補足があった。別の学生から「小説の中でも、ミステリーやライトノベルなど種類によっても差が出るのかもしれませんね」との意見も。最後に武田先生が「せっかく平均値を出しているので、有意差検定※までやること。また、読書量と読解力、書く力との関係性を再度見直すと、新しい結論が見つかる可能性があるね」と総括した。※2組のデータの平均値の差が誤差の範囲内であるかどうかを検査すること。国際化が進展する時代だからこそ日本語力の必要性を再発見する。担当教員文学部 教授武田 圭太Faculty of Letters105

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