愛知大学 大学案内2017
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Toyohashi Campus地理学専攻都市や産業が、なぜそこにできたのか。現地を歩いて明らかにする。地理学とは、人間の諸活動がどのような秩序のもとで地表空間に展開しているかを解明する科学です。日本の国土は、世界でも稀なほど変化に富み、それゆえに多様な文化が生まれました。地理学専攻では、人間の生きる基盤としての土地から、歴史や文化、人々の生活を読み解きます。フィールドワーク実習でデータを収集する技術を身につけ、演習や地図学を通して、データを図表に表示し伝える技術を修得します。地理学専攻の共同研究室には、約50年に及ぶフィールド調査に基づいた卒業論文が今も保管されています。先輩が残した研究成果に学び、フィールドワークで企画立案から調査・分析・まとめ・発表までを実践し、半世紀の蓄積を進化させる発見をめざすと同時に、社会で通用するプランニング力や行動力、コミュニケーション力を養います。文学部 教授 有薗 正一郎 アリとキリギリスという童話を日本人が聞くと「なるほど」と理解できますが、熱帯地方の人にとっては教訓の意味をなさない場合があります。1年中作物が収穫できる熱帯では、食料を備蓄するという発想自体がないからです。これは、住む場所が変われば生活様式や価値観までも変化するという代表的な例の一つです。狭く感じる日本においても、北海道から沖縄まで気候や地形、地質といった条件は実に多彩で、それぞれの特徴は大きく異なります。私の授業では江戸時代の農作物や農耕技術を中心に学び、さまざまな地域性を理解します。現在わが国は日本国という単一国家ですが、江戸時代は尾張の国・三河の国と呼ばれていたように、半ば独立した地域で構成された連合国であったといえるでしょう。その多彩な地域性と併せて歴史的背景を学び、地域の多様性を理解することで柔軟な発想を養うのがこの授業のねらいです。江戸時代の農耕を手掛かりに地域性を学ぶ。歴史地理学■専門教育科目ピックアップ■専門演習(ゼミナール) 主なテーマ■卒業論文 主なテーマ・ 世界各地の環境や地域システムに関わる論文研究・ 地域調査の企画と実践・ 帰化植物の生育実態に関する調査・ 事業所名称からみる新設合併後の新市名の浸透度-埼玉県さいたま市を事例として-・ 豊橋市神野神田における営農の一形態・ 長野県軽井沢町におけるテニスコートの立地展開・ 喫煙所における喫煙者の行動-豊橋市駅前を事例にして-・ 岡崎城周辺の松の木の樹齢について・ 山間地域における道の駅を拠点とした観光振興-豊田市稲武町を事例として-・ 豊橋市神野新田における施設園芸の現況・ 静岡県掛川における葛布生産の現状・ 地域分権化社会における地理学を考える教育地理学的実証研究・ 東三河の公立小中学校校歌に謳われている景観の特徴・ 名古屋駅周辺の居酒屋の立地分布-’90年代以降の駅前再開発との関連から-・ 名古屋市における古書店の立地展開・ 郵便局と地域社会との関わり-福井県美浜郵便局を事例として-・ ファミリー層の憩いの空間としてのサービスエリア-刈谷ハイウェイオアシスでの実態調査を中心に-・ 円滑な観光周遊行動のための起点の役割の検討-京都駅前バスターミナルでの観光客の行動調査から-日本史学専攻では、古代から近現代に至る幅広い日本の歴史を学びながら、特定のテーマに切り込み、講読や演習を通して古文書などの史料を解読し、新たな歴史的事実や知見を見つけ出します。こうした学びにより、社会科教員や博物館学芸員などを中心に、日本の社会・文化や歴史に関する素養を基盤として、多様な現実社会に新たな考えを提示できる人材を育成しています。歴史を学ぶ学生の中では教員志望者は増加傾向にあり、2015年度は小学校教員3名、高校教員(地歴・公民)3名が現役採用となりました。その他にも、民間企業や公務員など、幅広い分野に就職を決めています。歴史・地理学コースにある日本史学専攻、世界史学専攻、地理学専攻の3専攻では、グローカルな視点の養成と実践的な学びを通じて、地域や世界で活躍できる人材育成に取り組んでいます。歴史・地理学コース トピックス実践的な学びを通じ、力ある社会科教員を養成。2015年度も歴史・地理学コースから教員採用試験に合格。教員就職決定者 愛知県教育委員会(高校・地理歴史)文学部人文社会学科4年太田 綾さん愛知県立横須賀高校出身実物や写真を使い、惹きつける授業を。 日本史がとにかく大好きで、日本史学専攻を選択しました。卒業後の進路は、日本史の楽しさを伝える教員しか見えていませんでした。教育実習で授業を見ていただいた先生からは「日本史に対する情熱がびりびり伝わってくる。その情熱が一番大切だから絶やさないで。」と言っていただき、自信がつきました。専攻では史料の読み方や通史の知識を修得。卒業論文は、日本人と蛇の民俗学的なつながりを研究し、不思議な存在に対する日本人の考え方のルーツに触れ、論文をまとめました。日本史に限らず、地理・歴史は「暗記科目」と思われ敬遠されがちです。当時の生活用品や文化財の写真など、生徒を惹きつける要素を取り入れ、主体的に参加できるような楽しい授業をめざしたいと思っています。文学部 人文社会学科100

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