岩手大学 大学案内2017
94/104

アスリートとして目覚めることができた自分の原点。パラリンピックアルペンスキー日本代表選手狩野亮さん工学部 福祉システム工学科(改組前・機械システム工学科前身) 2009年度卒業〈北海道網走南ヶ丘高校出身〉学生生活Campus Lifeサークル・委員会活動勉強もスポーツも、  高校までは地元の北海道網走市で過ごし、大学進学とともに岩手にやってきました。いわゆる「大学生らしい」生活を送っていた私の生活が一変したのは、2年生の時です。2006年冬季トリノパラリンピック選考で、自分が選ばれたのです。当時もちろん目指していた場所ではありましたが、そこがどれだけの舞台で、出場することにどんな意味があるのか、正直わかっていなかったと思います。そんな気持ちのまま出場した初舞台は、普段とは全く違う雰囲気。周りの選手の強い意気込みを肌で感じ、ここがどういう舞台なのか初めてわかった気がしました。この大会で先輩の森井大輝選手が銀メダルを獲り、その時の周囲の盛り上がりや、本人の歓喜の涙を見て私自身本当に感動しました。今まで自分が見たことのない世界がそこにあり、このままではこの舞台で勝つことはできないな、と実感しました。 この経験を経て、私は本格的にメダルを目指し始めました。本当のスタートでした。朝昼晩、授業の合間の時間を上手く使い、研究と並行してトレーニングに打ち込みました。学業との両立の中、多くの人が支えてくれました。当時スキー部の外部コーチだった方が、メニュー作りからマンツーマンでサポートしてくたこと、担任や研究室の先生、学生センターのスタッフの方々の応援があって結果を出すことができたと感謝しています。 2010年のバンクーバー、2014年のソチで金メダルを獲った時にも報告に伺いましたが、学校で寄付金を募ってくれていたり、祝勝会を開いてくれたりと本当に温かく迎えてくださいました。岩手大学は自分にとって、アスリートとして目覚めることができた原点となる場所です。どこかホッとするふるさとでもあるし、トリノパラでの悔しい気持ちを思い出して自分を奮起させる場所でもあります。 自分の仕事の一つである講演でも岩手大学を3度訪れています。母校で話すのは気恥ずかしくもありますが、お世話になった方々に成長した姿を見せられるのは嬉しいことです。講演では、より多くの人に障害スポーツの素晴らしさを伝えていきたいし、子どもたちには諦めずに努力を続ければ必ず道は開けるということを伝えていきたいと思っています。スポーツでも勉強でも努力したことの積み重ねがその人を作っていくと思うので、これから入学する皆さんにも、目標に向かって諦めずに努力してほしいと思います。● 狩野さんの経歴株式会社マルハン所属、日本代表のチェアスキーヤーとしてアルペン競技でパラリンピックに3回連続出場。岩手大学2年次に冬季トリノパラリンピック(2006年)に出場。バンクーバーパラリンピック(2010年)では男子座位スーパー大回転で金メダル、男子座位滑降で銅メダルを獲得。ソチパラリンピック(2014年)では男子滑降で金メダルを獲得し、日本人選手の金メダル第一号となった。94IWATE UNIVERSITY 2017

元のページ 

page 94

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です