岩手大学 大学案内2018
9/104

地域の課題を実体験し、考えることで、現代社会の課題を解決するための実践的な力を身につけていく。地域に学ぶことが世界の課題解決のための第一歩 岩手大学は、2013年度文部科学省の「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」の採択を受け、「地域と創る“いわて協創人材育成+地元定着”プロジェクト」をスタート。岩手県および盛岡市などとの連携により、地域を「新たな学び場」とする実践的な教育カリキュラムの構築を進め、地域社会の将来を担う実践力を持った人材育成を目指す取り組みを行っています。 この事業の一環として、2014年度から全1年次学生対象の必修科目「基礎ゼミナール」の中で、「地域に関する学修(被災地での学修)」を実施。東日本大震災で被災した岩手県沿岸地域の市町村を訪れ、震災被害や地域の歴史、産業、文化、街づくりの現状など広いテーマで学修します。こうした被災地での学修を「初年次自由ゼミナール」(1年次対象)で、継続・発展させた授業も増えてきています。4年間を通して、実践力を身につけるカリキュラム編成 岩手大学では2015年4月に、これまでの全学共通教育部門を発展させた「教養教育センター」を設置し、それに伴い、新しい教育カリキュラムを2016年度から本格的に実施しています。「世界や地域の視点から課題を発見し解決できる能力を育成する」という教育目標のもと、現代社会を生きるために必要な基礎スキルを学ぶ「技法知科目群」、自己と他者を理解できる幅広い知識を身につける「学問知科目群」、身につけた知識を実践化する力を高める「実践知科目群」を設けています。 さらに、2017年度からは、課題発見・解決能力の育成を目的とした「地域課題演習(PBL=問題発見解決型学習)」(2年次以上選択科目)を本格的に施行していきます。8つの演習テーマに沿って、学内の教育研究組織(地域連携推進機構、地域防災研究センター、平泉文化研究センター、男女共同参画推進室、グローバル教育センターなど)の協力を得て運営されます。 カリキュラム改組により、専門科目、教養科目それぞれに「地域に関する学修」が取り入れられたことで、4年間を通して、学生たちが地域にある課題について考え、解決するための実践的な力を自然と身につけることができるようになっています。五味壮平先生担当の1泊2日のグループに参加しました。2日間かけて陸前高田市の様々な施設を訪れ、現地の方と直接ふれあう機会を持ちました。この学修がきっかけで五味先生が担当する「E_code」という団体に参加し、陸前高田市の情報を発信する冊子作りに携わるようになりました。実際に被災地に足を運んでみないとわからないことが多くあると思います。震災から6年の節目を迎えますが、まだまだ復興は果たせていません。今後も少しでも多くの人に関心を持ってもらえるよう活動を継続していけたらと思っています。人文社会科学部 人間科学課程 (改組前の名称)高梨翔太さん〈栃木県立大田原高校出身〉震災を風化させないために、被災地の街づくりに貢献していきたい。地域に継続して関わることによる学びの大きさ。私の担当した基礎ゼミでは、被災地の方のお話を聞くだけでなく、地元の方と交流する機会や主体的に考える機会を持てるように、地元の団体の協力を得て、ワークショップなど1泊2日の学修を行いました。参加者の中には、その後、陸前高田を応援する「岩大E_code」という有志団体に参加し、継続的に被災地に関わっている学生もいます。E_codeは、2012年に結成されて以来、陸前高田の魅力を集めた冊子「いいことマップ」(2012~2015)、ガイドブックとしての『たかたび』(2014)や『だいぶそこまで』(2016)の発行などを行ってきています。「市内の人と外の人をつなぐこと」をテーマに、学生たちと一緒に陸前高田に通い続けてきました。学生たちが継続的に被災地域と関わり、たくさんのことを学ばせてもらいながら成長しているのを感じます。人文社会科学部 教授五味壮平IWATE UNIVERSITY 20189

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る